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平成30年度は単年度で0.23となった。依然として類似団体の平均値を大きく下回っている。その要因として本市は、一島一市であるため行政需要が多岐にわたり基準財政需要額が大きいが、人口減少(毎年約1,000人)や全国平均を上回る高齢化率(41.6%)等から税収増加が見込めず、歳入に占める自主財源の割合が低いことなどが挙げられる。そのため、財源の確保が課題となっている。今後は平成27年3月に策定された第3次佐渡市集中改革プランに基づき行政改革を着実に進め、歳出の抑制及び歳入の確保に取り組み、財政の健全化と持続可能な財政運営に努めていく。
91.9%となり、前年度の92.1%から0.2ポイント減少し、類似団体平均値を下回った。元金償還額の減による公債費に充当した一般財源の減少、道路除雪事業の減による維持補修費に充当した一般財源の減少等が主な要因である。経常一般財源である普通交付税(前年度比2.4%の減)、臨時財政対策債(前年度比5.9%の減)は減少しているため、今後も定員適正化計画に基づく職員数の削減等、行財政改革への取組を通じて経常経費の削減に努めていく。
人件費・物件費等の人口1人あたりの決算額は前年度から2,224円増加し、類似団体の平均を大きく上回っている。その理由として、主に人件費が要因となっているが、これは平成16年3月に10市町村が合併し、それぞれの職員や一部事務組合等の職員を引き継いだためである。また、保育所や文化会館、博物館等の施設を直営で運営していることも挙げられる。今後も、定員適正化計画に基づく職員数の削減や公共施設の管理運営の見直しを実施し、コストの低減を図っていく。
ラスパイレス指数は91.7%で、前年度から0.6ポイント減少した。職員構成の変動によるものである。類似団体平均を大きく下回っており、財政状況の厳しい中、今後もより一層の給与の適正化に努める。
前年度から0.12人増加し、類似団体平均を大きく上回っている。要因として、10市町村が合併しそれぞれの職員や一部事務組合等の職員を引き継いだこと、市の面積が広大で支所等を多く配置しなければならないことのほか、人口が毎年約1,000人減少することが挙げられる。また、消防業務・保育所・老人ホーム等を直営で運営しているという行政サービスの提供方法の差異も要因の一つである。
実質公債比率は13.6%で、対前年度比で同じ指標となった。起債償還は依然として重い負担となっており、類似団体平均を上回っている。今後も適正な事業実施を図り、実質的な公債費(地方債の元利償還金)が財政に及ぼす負担の軽減に努めていく。
前年度から0.6ポイント減少した。その要因としては、地方債現在高が減少したことにより将来負担額が減少したことが挙げられる。また、類似団体平均を上回っている要因としては、合併前の10市町村の地方債残高を引き継いだことが挙げられる。今後も後世への負担を少しでも軽減するよう適正な事業実施を図り、財政の健全化に努めていく。
人件費に係る経常収支比率は25.3%で前年度から0.3ポイント上昇し、類似団体平均を上回った。平成27年3月に策定された第3次佐渡市集中改革プランでは平成25年度の職員数1,279人を基準として平成31年度にかけて103人(-8.1%)の削減を目標としている。進捗率は平成30年4月1日現在で10.2%減で、削減数は131人となっている。今後も更なる行政改革を推進し、人件費の削減に努めていく。
物件費に係る経常収支比率は類似団体平均よりやや低い13.5%であるが、前年度から0.6ポイント上昇している。物件費の内訳では、委託料と需用費が大きな割合を占めている。今後は学校や保育所等の施設統廃合により、公共施設の適正配置を行い、施設の管理委託料や修繕費等の削減に努める。
扶助費に係る経常収支比率は6.4%で前年度から0.1ポイント減少し、類似団体では低い比率となっている。扶助費の決算額は年々増加する傾向にあったが、平成30年度は臨時福祉給付金給付事業、生活保護費等の減により減少した。義務的経費の性質のため抑制には困難な面もあるが、扶助費の性質を考慮しながらも、歳出の適正化により今後の上昇傾向に歯止めをかけるよう努めていく。
その他に係る経常収支比率は17.6%となり、前年度の18.9%から1.3ポイント減少した。要因としては、水道事業会計に対する出資金は増加したものの、道路除雪事業などの減により維持補修費が減額となったほか、特別会計への繰出金が減少したことが挙げられる。今後も事業の見直しを行うことにより、繰出金の圧縮に努めていく。
補助費等に係る経常収支比率は、類似団体平均を下回る5.4%となっている。補助費等については、「行政改革大綱」等に基づき、類似事業及び同一・同種団体に対する補助金等の整理統合を行い、第三者機関による補助金の目的、妥当性、効果を検証し、補助金の見直しと終期の設定を推進していきたい。そのうえで目的を達成した補助金等を廃止するなどして今後も一層の見直しを図っていく。
公債費に係る経常収支比率は23.7%で前年度から0.8ポイント減少したものの依然として非常に重い負担となっており、類似団体平均18.3%を大きく上回っている。今後も事業を計画的かつ適正に実施することにより、財政の健全化に努めていく。
公債費以外に係る経常収支比率は68.2%となり、前年度から0.6ポイント上昇した。その要因としては、経常一般財源である普通交付税の減、臨時財政対策債の減などが挙げられる。
(増減理由)財政調整基金の残高は5.6億円の増、減債基金の残高は2.5億円の減、その他特定目的基金は8.5億円の減であり、全体としては5.4億円の減であった。(今後の方針)各基金の設置目的と事業内容に基づき、計画的に積立てと取崩しを行う。なお、管理運用にあたっては、安全確実であることを基本としながら、効果的な運用に努め、適切な基金繰入れを行う。
(増減理由)平成30年度当初予算では、財政調整基金繰入金を13.1億円見込んでいたが、決算に伴う前年度繰越金の増などにより、取崩しを1.5億円に抑制できたことで年度末の残高が前年度よりも5.6億円増加した。(今後の方針)残高の目標値を標準財政規模の20%程度とし、前年度繰越金の1/2以上の額及び預金等による運用利子を積み立て、近年多発する自然災害の備えとして可能な範囲で積み増しを行う。令和元年度末の残高は73億円程度と見込んでいる。
(増減理由)財源対策債等の元利償還に係る財源として2.6億円を取り崩したことにより減少した。(今後の方針)市債残高の状況や公債費負担の今後見通しに応じて積立てを行い、財源対策債等のほか、繰上償還を行う市債、他年度に比べて償還額が著しく多額となる年度における市債の元利償還金の財源として取崩しを行う。令和元年度末の残高は16億円程度と見込んでいる。
(基金の使途)○地域振興基金:市民の連携の強化及び地域振興の事業の財源に充てる。○過疎地域自立促進特別事業基金:地域医療の確保、住民の日常的な移動のための交通手段の確保、集落の維持及び活性化その他の住民が将来にわたり安全に暮らすことができる地域社会の実現を図るための事業の財源に充てる。○教育文化振興基金:教育環境の充実並びに市民の芸術、文化及びスポーツ活動の振興を図るための事業の財源に充てる。○国営・県営総合土地改良事業基金:国営佐渡土地改良事業及び県営総合佐渡土地改良事業に係る地元負担及び維持運営費並びに関連事業費に充てる。○行政庁舎建設基金:本庁舎の建て替えを令和32年度からと想定しており、その建設費用として30億円程度を目標に積み立てる。(増減理由)○地域振興基金:安心安全まちづくり事業や小学校空調設備整備事業などの事業費の財源として6.2億円を取り崩したことにより減少した。○過疎地域自立促進特別事業基金:過疎対策事業債の基金造成分などにより3億円を積み立てた一方で、産業振興、高齢者等の保健及び福祉の向上及び増進、医療の確保等の事業費の財源として4.6億円を取り崩したことにより減少した。○教育文化振興基金:奨学金貸与事業及び小・中学校IT設備整備事業の財源として1.7億円を取り崩したことにより減少した。○行政庁舎建設基金:本庁舎建設の財源として1.0億円を積立てした。(今後の方針)各基金の設置目的と事業内容に基づき、計画的に積立てと取崩しを行う。
有形固定資産減価償却率は41.2%となり、類似団体の平均(60.2%)を下回っている。今後は平成28年7月策定の佐渡市公共施設等総合管理計画に基づき、公共施設等の適正な管理や有効活用を図っていく。
債務償還比率は775.6%となり、類似団体の平均を上回っている。地方債残高は年々減少傾向にあるものの、平成30年度は地域振興基金等の取崩しを行ったため、将来負担額への充当可能財源が減少したほか、類似団体と比較して職員数が多く、人件費が高い水準にあるため、債務償還比率は類似団体の平均値を上回った。今後も公債費負担の適正化に取り組んでいくとともに、行政改革を推進し、人件費の削減に努めていく。
将来負担比率は類似団体と比較して高い水準にあるものの、前年度から0.6ポイント減少した。有形固定資産減価償却率は類似団体の平均を下回っている。公共施設等総合管理計画に基づき、公共施設等の適正な管理や有効活用を図っていく。
実質公債費比率は類似団体と比較して高い水準にあり、前年度比で同じ指標となった。将来負担比率は類似団体と比較して高い水準にあるものの、前年度から0.6ポイント減少した。地方債現在高等が減少したことによるものである。今後も公債費負担の適正化に取り組んでいく。
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