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本県は、広い県土、長い海岸線延長、積雪・地滑り、中山間地対策など各種施策に多額の行政需要がある一方で、それを満たす財源である県税収入等の割合が低いことから、指数としては全国中位水準で推移しています。平成30年度はトップランナー方式を反映した基準財政需要額の見直し等により単年度で増加したものの、3か年平均では対前年同値。令和元年度は基準財政需要額は公債費に対する交付税措置の減少等により減少となる一方、基準財政収入額は地方消費税の増収等により増加したことなどから、財政力指数は対前年度0.01ポイント増加。令和2年度は前年度比で基準財政需要額が増加となり、基準財政収入額は横ばいで推移したことなどから、単年度指標で減少したものの、3カ年平均では0.01ポイント増加。令和3年度は、前年度比で基準財政需要額は増加となり、基準財政収入額は減少したことなどから、単年度指標で0.06ポイント減少、3カ年平均では0.02ポイント減少。令和4年度は、前年度比で基準財政需要額及び基準財政収入額ともに増加し、単年度指標で0.05ポイント増加したものの、3カ年平均では0.006ポイント減少。
平成30年度は、分子において、利子の減少による公債費充当一般財源の減等により比率の減要素として働いた一方、分母は減収補てん債の減、臨時財政対策債の減等により増要素として働いたため、前年度比0.3ポイント増加。令和元年度は、分母において、臨時財政対策債の減、法人事業税の減等により比率の増要素とした働いた一方、分子は維持補修費や人件費の減等により比率の減要素として働いたため、前年度比0.8ポイント減少。令和2年度は、分母は、臨時財政対策債の減や法人事業税の減等が比率の増要素として働いた一方、分子は人件費の減少が比率の減要素として働いたため、前年度比1.2ポイント減少。令和3年度は、分子では人件費や公債費の減少が比率の減要素となったことに加え、分母では地方税、地方譲与税の増や普通交付税の追加配分による増が比率の減要素として働いたため、前年度比5.4ポイント減少。令和4年度は、分子において、公債費の減少等が比率の減要素として働いた一方、分母の減が比率の増要素として働き、前年度比3.9ポイント増加。引き続き、歳入確保策を講じていくとともに、事務の効率化、職員の適正配置の推進による人件費の歳出抑制に努めるなど、財政の健全化の確保に努めてまいります。
適正な定員管理や給与構造改革の実施による人件費の抑制に努めており、人件費は減少傾向にありますが、大雪に伴う道路除雪費の増等により、人件費・物件費等の人口一人当たり決算額は、しばしば前年を上回る結果となっています。比較的降雪の少なかった平成30年・令和元年度は前年度比でそれぞれ687円・3,948円の減、令和2年度は道路除雪費の増加により前年度比1,471円の増加となっています。令和3年度は新型コロナウイルス感染症への対応として、宿泊療養体制の整備や大規模ワクチン接種会場の設置などにより物件費が増加したことから、前年度比で2,953千円の増となりました。令和4年度においても、新型コロナウイルス感染症への対応として宿泊療養体制の整備等により物件費が増加したことから、前年度比で7,080千円の増となりました。引き続き、歳出の「選択と集中」を徹底し、人件費をはじめとする内部管理経費の縮減に努めてまいります。
平成18年の給与構造改革時に級別標準職務の見直し等を行い、給与水準の適正化に取り組んでいます。平成22年度から、地域水準に合わせた独自給料表を導入していましたが、平成27年度に給与の総合的見直しを実施し、国準拠の給料表に改正しました。また、令和元年度に策定した新潟県行財政改革行動計画に基づき、令和5年度までの間、職員給与の臨時削減を行っています。今後も引き続き給与水準の適正な管理に努めてまいります。
南北に細長く、海に面し、離島を有するなど特徴的な県域であり、人口の割に可住面積が広いことから、人口の集中度が低く集落が散在しているため、同様の面積・人口の団体と比べ、県道や河川などの県土の管理コストや産業基盤の維持管理コストが大きく、土木、農林水産、土地改良部門の職員数が多くなっています。これらの地勢的要因等により都道府県平均と比べ職員数が多くなっていますが、引き続き定員の適正化を図るため、地方分権の進展などに伴う県の施策を取り巻く環境や行政需要の動向を踏まえながら、組織のあり方や仕事の内容・進め方などの見直しを政策的に行っていくこととしています。
平成30年度は公債費のうち交付税で措置される額が減少したことに加え、算定の分母項目である標準財政規模が、公債費に対する交付税措置の縮小や包括算定経費の減少の影響等により前年度より減少した結果、単年度で1.1ポイント、3カ年平均では1.0ポイント増加。令和元年度は、公債費のうち交付税で措置される額が減少した一方で、地方債の元利償還金等も減少した結果、単年度で0.3ポイント減少したものの、3か年平均では0.7ポイント増加。令和2年度は、地方債の元利償還金等が減少したものの、公債費に係る交付税措置額等の減少により、単年度比率は1.0ポイント増加、3か年平均では0.6ポイント増加。令和3年度は県債元利償還金は減少したものの公債費に対する交付税措置の減少等により、単年度比率は前年度比0.1ポイント増加、3カ年平均は0.3ポイントの増加。令和4年度は県債元利償還金が減少した一方、公債費に対する交付税措置が減少したことや分母項目である標準財政規模が減少したことなどから、単年度比率は前年度比1.1ポイント増加、3カ年平均は0.7ポイントの増加となりました。今後とも、公債費負担適正化計画を着実に実行し、公債費負担の抑制に取り組んでまいります。
平成30年度は、県債残高のうち交付税で措置される額が減少していることに加え、算定の分母項目である標準財政規模が公債費に対する交付税措置の縮小や包括算定経費の減少の影響等により減少したため、前年度に比べ6.4ポイント増加。令和元年度は、地方債残高の減等により、将来負担額は減少した一方で、公債費に係る交付税措置の縮小や県債管理基金の取崩等により充当可能財源は将来負担額以上に大きく減少したため、5.3ポイント増加。令和2年度は、財源対策的基金の取崩しや公債費に係る交付税措置見込額の減少により分子は増加したものの、分母の増加率が分子の増加率を上回ったことから、2.6ポイント減少。令和3年度は、県債残高の減少、基金の増加、交付税再算定による分母の増加等により、前年度比26.7ポイント減。令和4年度は、地方債残高の減等により将来負担額が減少した一方、公債費に係る交付税措置が減少したことや分母項目である標準財政規模が減少したことなどから、6.1ポイント増加となりました。今後とも、公債費負担適正化計画を着実に実行し、公債費負担の抑制に取り組んでまいります。
経常収支比率に占める人件費の比率については、平成30年度は、退職手当の増等により、0.6ポイントの増。令和元年度は事務の効率化、職員の適正配置により約29億円の減となりましたが、分母である経常一般財源総額も減少したことにより、比率は前年度横ばい。令和2年度は職員給与費の臨時削減等により約69億円の減少となり、1.4ポイントの減。令和3年度は職員数の減等により約40億円の減少に加え、分母である経常一般財源総額の増も比率の減要素となり、2.3ポイントの減。令和4年度は、職員数の減等により約13億円の減となりましたが、分母である経常一般財源総額も減少したことにより、比率は1.7ポイントの増となりました。今後とも、事務の効率化、職員の適正配置の推進による職員数の減や組織・機構の見直し等により、人件費の縮減を図ってまいります。
経常収支比率に占める物件費の比率は、平成23年度以降、ほぼ横ばいで推移しています。令和2年度は、埋蔵文化財発掘調査費等の減により、比前年度から0.4ポイントの減少。令和3年度は、新型コロナウイルス感染症への対応として、宿泊療養体制の整備や大規模ワクチン接種会場の設置などにより増加しましたが、分母である経常一般財源総額が増加し、前年度横ばいの2.7%となりました。令和4年度においても、新型コロナウイルス感染症への対応として、宿泊療養体制の整備等により分子が増加するとともに、分母である経常一般財源総額が減少したことにより、前年度比0.2ポイント増の2.9%となりました。今後とも、事業の「選択と集中」を徹底していくことにより、内部管理経費の縮減に努めてまいります。
経常収支比率に占める扶助費の比率は、近年横ばいで推移しています。平成30年度は、特定難病扶助費の政令市への事務移譲により、前値度比で0.1ポイント減。令和元年度及び令和2年度は、児童保護措置費の増等があった一方、指定難病扶助費の減等により、比率は前年度横ばいとなっています。令和3年度は、感染症予防費負担金等が増加しましたが、分母である経常一般財源総額も増加したため、前年度と同じく0.8%となりました。令和4年度は、感染症予防費負担金等が増加したものの分子の総額は概ね横ばいで推移したことなどから、比率は前年度と同じく0.8%となりました。
維持補修費における道路除雪費の増減に毎年の動向が左右されています。平成30年度は、維持補修費については約33億円減額となった一方、国民健康保険特別会計設置に伴なう繰出金の増等により、前年度比1.3ポイント増。令和元年度は、記録的な少雪による道路除雪費の減により前年度1.2ポイント減。令和2年度は、少雪だった前年度からの反動による道路除雪費の増により前年度0.2ポイント増。令和3年度は道路除雪費が4億25百万円の増となりましたが、分母である経常一般財源総額が増加したこと等により比率は前年度比0.2ポイント減となりました。令和4年度は道路除雪費が15億円程度減少したものの、分母である経常一般財源総額の減少が比率の減要素となり、比率は前年度横ばいとなりました。今後とも、公共施設等総合管理計画に基づき、維持補修費を含む内部管理経費の縮減を図ることで、中長期的な財政構造の改善に努めてまいります。
経常収支比率に占める補助費等の比率については、平成30年度は国民健康保険財政調整交付金の減等により、1.3ポイント減。令和元年度は、分母である経常一般財源総額が増加したこと等により比率は0.3ポイント増。令和2年度は、新型コロナウイルス感染症対応経費等の増により前年度比0.5ポイント増となっています。令和3年度も新型コロナウイルス感染症対応経費(入院病床確保料や時短要請への協力金)等により増加しましたが、分母である経常一般財源総額が増加したため、前年度比1.0ポイント減の21.6%となっています。令和4年度においても、新型コロナウイルス感染症対応経費(全国旅行支援等)により分子が増加したため、前年度比1.4ポイント増の23.0%となっています。
公債費の比率は、経済対策・災害復旧等に係る県債の元利償還の本格化に伴い、平成25年度に一時、ピークに達しました。その後、平成30年度は0.3ポイント減、令和元年度は0.2ポイント増、令和2年度は0.1ポイントの減、令和3年度は1.9ポイントの減となっています。令和4年度は、公債費充当経常一般財源が減少したものの、分母である経常一般財源総額の減少が比率の減要素となり、前年度比0.6ポイントの増となりました。今後も、公債費負担適正化計画を着実に実行し、公債費負担の抑制に取り組んでまいります。
30年度は地方交付税の減等により経常一般財源総額が減少したため前年度比で増。令和元年度は、地方交付税の減等により経常一般財源総額が減少したものの、人件費や維持補修費の減少により比率の減要素として働いたため、前年度比1.0ポイント減。令和2年度は、税率引上げの影響等による県税収入の増加により経常一般財源総額が増加し、人件費の減少も比率の減要素として働いたため、前年度比1.1ポイント減となっています。令和3年度は人件費の減少に加え、県税収入の増や普通交付税の追加配分などにより経常一般財源総額が増加したことにより、前年度比3.5ポイント減となりました。令和4年度は地方交付税の減等により経常一般財源総額が減少したため前年度比で3.3ポイント増の64.2%となりました。今後とも、歳入確保策を講じるとともに、事務効率化、職員の適正配置推進による人件費の歳出抑制に努めるなど、財政の健全性の確保に努めてまいります。
(増減理由)本県における基金全体の残高は、新型コロナウイルス感染症による経費の増加や少子化対策を含む社会保障関係経費の増加等に対応するための財政調整基金の取崩しなどにより減少傾向にありましたが、令和3年度末は前年度比31,512百万円増の109,866百万円、令和4年度末は2,571百万円増の112,437百万円となりました。これは財政調整基金において、今後見込まれる地方交付税の減少に備えて積立てを行ったこと、また、減債基金において、今後の公債費の実負担の増加に備えて積立てを行ったことが主な要因となっています。(今後の方針)基金については、条例等の法令に基づき、それぞれの目的に応じて積立・取崩を行っていることから、今後も、適切に管理してまいります。また、令和5年度に策定した新潟県行財政基本方針に基づいて安定した財政運営に取り組み、将来の災害等の不足の事態や公債費の実負担増加に備えた残高を確保してまいります。
(増減理由)令和2年度末は32,269百万円(対前年度比-5,805百万円)となっており、これは新型コロナウイルス感染症による経費の増加や少子化対策を含む社会保障関係経費の増加等に対応するために取崩しを行ったことによるものです。令和3年度末は51,611百万円(対前年度比+19,342百万円)となっており、これは地方交付税の精算など制度上の要因により令和4年度以降に見込まれる地方交付税の減少に備え、財政調整基金に積立てを行ったことによるものです。令和4年度末は48,818百万円(対前年度比-2,793百万円)となっており、これは新型コロナウイルス感染症による経費の増加や少子化対策を含む社会保障関係経費の増加等に対応するために取崩しを行ったことによるものです。(今後の方針)令和5年度に策定した新潟県行財政基本方針に基づいて安定した財政運営に取り組み、過去の大規模災害等を踏まえ、23,000百万円の残高を確保してまいります。
(増減理由)令和2年度は、収支不足に対応するための財源対策として取崩しを行った後、歳入の上振れ分や決算上生じた余剰金、特別交付税の増分について積戻しを行ったことにより増となっています。令和3年度及び令和4年度は、普通交付税の追加配分や、除雪経費に対する国庫補助及び特別交付税の当初予算からの増分を基金に積み戻すことで増となりました。(今後の方針)令和5年度に策定した新潟県行財政基本方針に基づいて安定した財政運営に取り組み、公債費の実負担増加に備えた残高を確保してまいります。加えて、金利負担の軽減を図るため、今後、基金残高や金利の動向等を見極めながら、公債費の償還の前倒しを行ってまいります。
(基金の使途)本県では、令和4年度末において、財政調整基金及び減債管理基金のほか、21の特定目的基金を設置しています。基金の使途としては、地域医療介護総合確保基金や介護保険財政安定化基金などの国の施策による基金のほか、地域振興基金や小児医療機能強化基金などの県の独自の施策のために設置した基金があります。(増減理由)本県におけるその他特定目的基金の残高は、地域医療介護総合確保基金などの国の施策による基金の取崩しを行ったことで減少しているものの、総額としては概ね横ばいで推移しています。(今後の方針)特定目的基金については、条例等の法令に基づき、それぞれの目的に応じて積立・取崩を行っていることから、今後も、適切に管理してまいります。
有形固定資産減価償却率は、本県が保有する公共施設等が高度経済成長期を中心に多数整備されたことなどから老朽化が進んでおり、類似団体と比較して高い水準にあります。本県では、平成26年10月に策定した公共施設等総合管理計画に基づき、施設の状況を的確に把握しながら、適切な維持管理、補修及び更新を計画的に実施することにより、施設の長寿命化を進めていきます。
分子を構成する将来負担額が高い値となっているとともに、分母を構成する経常一般財源等(歳入)等について、平成28年度以降、自主財源の要である県税収入の伸び悩みや、県税と並んで一般財源歳入の柱である地方交付税等の減少などにより、類似団体と比較して高い水準にあります。今後とも、公債費負担適正化計画に基づき、公債費の適正な管理に向けた取組を進めていきます。
将来負担比率は、他県に比べて広い県土と長大な河川や海岸線などの地理的な特徴を有しており、投資事業の必要性が高いことや相次ぐ大規模災害により防災・減災対策に取り組む必要があったことに加え、公債費に対する地方交付税措置率の見直しの影響等により、類似団体と比較して高い水準にあります。また、有形固定資産減価償却率も、県有施設の老朽化が進んでいることから、類似団体と比較して高い水準にあります。平成26年10月に策定した公共施設等総合管理計画に基づき、施設の状況を的確に把握しながら、適切な維持管理、補修及び更新を計画的に実施することにより、施設の長寿命化を進めていきます。
将来負担比率は、他県に比べて広い県土と長大な河川や海岸線などの地理的な特徴を有しており、投資事業の必要性が高いことや相次ぐ大規模災害により防災・減災対策に取り組む必要があったことに加え、公債費に対する地方交付税措置率の見直しの影響等により、類似団体と比較して高い水準にあります。実質公債費比率は、毎年増加する傾向にあり、令和4年度には18%以上となりその後も逓増する見込みであるため、令和元年度に策定した「公債費負担適正化計画」において、令和20年度に18%未満とする目標を設定し、公債費の適正な管理に向けた取組を進めていきます。