地域において担っている役割
魚沼基幹病院は救急・小児・周産期・災害・精神などの不採算医療を担うとともに、高度急性期医療などの地域の中核的医療も担う。また、医師不足の地域において地域医療を志す若手医師を確保するため新潟大学地域医療教育センターを併設し、多くの医師を集積し、周辺病院に派遣する仕組みなどを構築して、地域全体の医療水準の向上、持続可能な医療提供体制の構築を目指すこととしている。
経営の健全性・効率性について
新型コロナウイルス感染拡大が長期化する中、新たな施設基準の獲得により入院・外来1人当たり診療収益が増加、救急車搬送件数の増や病棟診療科の再編による効率的な病棟運営により医業収益が増え、医業収支比率が改善した。さらに、新型コロナ患者の積極的な受入れや病床確保に伴う国交付金により、経常収支比率も改善した。単年度収支が大きく改善した結果、累積欠損金比率も大幅に改善した一方、コロナ専用病床化に伴う一般病床の受入れ制限により、病床利用率は低下した。職員給与費対医業収益比率は、依然高い水準で推移している。
老朽化の状況について
魚沼基幹病院は平成27年6月に新設された病院であり、建物については老朽化の程度が比較的低い水準にある。一方、器械備品については、減価償却率が高い水準にあるが、これは開院時に整備した器械備品の更新投資の時期を迎えていることが要因である。令和4年度以降、計画的に器械備品の更新を進めることとしている。
全体総括
魚沼基幹病院は、地域医療構想に沿って、高度急性期・急性期機能の集約や周辺医療機関との役割分担・機能分化を進めながら、持続的・安定的な経営の実現(黒字体質への転換)を目指し、更なる収益確保、費用の適正化を推進していく。