地域において担っている役割
「重度かつ慢性期」「児童・思春期」「依存症」に対する精神科医療の提供を中心に行いながら、精神科救急入院患者の受入の拡充を図る。精神科医療機関、障害福祉サービス事業者との連携、訪問看護等の患者の地域生活支援等により、長期入院患者の地域移行を促進する。精神疾患への早期介入により、精神障害発症の予防に対する役割を担う。災害派遣精神医療チーム(DPAT)に参加し、被災地域での精神科医療及び精神保健活動を支援する。
経営の健全性・効率性について
精神科専門病院であり、一般会計繰入金を受けて、経常収支比率が概ね100%を上回っている状況であるが、医業収支比率の類似病院平均との大きな乖離が続いている。また、令和2年度以降、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、従前よりも病床利用率が低くなっている。稼働病床削減による規模適正化を図っているが、一般会計負担縮減の観点から、一層効率的な運営が求められる状況にある。(各指標の類似病院平均との比較等)①経常収支比率:数値が低い②医業収支比率:数値が低い④病床利用率:数値が低い⑤入院患者1人1日当たり収益:数値が低い⑥外来患者1人1日当たり収益:同水準⑦職員給与費対医業収益比率:数値が高い⑧材料費対医業収益比率:数値が高い
老朽化の状況について
建物の老朽化度合いは中程度だが、器械備品については、令和元年度に高額の器械備品を更新したため、償却率が低くなっている。(各指標の類似病院平均との比較等)①有形固定資産減価償却率:数値が高い②器械備品減価償却率:数値が低い③1床当たり有形固定資産:同水準
全体総括
患者数の減少や医師の不足・偏在など厳しい医療環境が続く中、県立病院が今後も果たすべき役割を担っていくために、経営改善により経営基盤の安定を図るとともに、県立病院の具体的な役割・あり方や機能・規模について検討していく。