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平成29年度は単年度で0.23となり、前年度の0.24を下回った。依然として類似団体の平均値を大きく下回っている。その要因として本市は、一島一市であるため行政需要が多岐にわたり基準財政需要額が大きいが、人口減少(毎年約1,000人)や全国平均を上回る高齢化率(41.2%)等から税収増加が見込めず、歳入に占める自主財源の割合が低いことなどが挙げられる。そのため、財源の確保が課題となっている。今後は平成27年3月に策定された第3次佐渡市集中改革プランに基づき行政改革を着実に進め、歳出の抑制及び歳入の確保に取り組み、財政の健全化と持続可能な財政運営に努めていく。
92.1%となり、前年度の89.7%から2.4ポイント増加し、類似団体平均値を上回った。これは経常一般財源である普通交付税の減(前年度比4.1%の減)、臨時財政対策債の減(前年度比1.0%の減)が主な要因となっている。今後も定員適正化計画に基づく職員数の削減等、行財政改革への取組を通じて経常経費の削減に努めていく。
人件費・物件費等の人口1人あたりの決算額は前年度から10,366円増加し、類似団体の平均を大きく上回っている。その理由として、主に人件費が要因となっているが、これは平成16年3月に10市町村が合併し、それぞれの職員や一部事務組合等の職員を引き継いだためである。また、保育所や文化会館、博物館等の施設を直営で運営していることも挙げられる。今後も、定員適正化計画に基づく職員数の削減や公共施設の管理運営の見直しを実施し、コストの低減を図っていく。
ラスパイレス指数は92.1%で、類似団体平均を大きく下回っている。国との高齢層職員の昇給制度の違いによるものである。財政状況の厳しい中、今後もより一層の給与の適正化に努める。※ラスパイレス指数は、地方公務員給与実態調査に基づくものであるが、当該資料作成時点(平成31年1月末時点)において、平成30年調査結果が未公表のため、前年度の数値を引用している。
前年度から0.27人増加し、類似団体平均を大きく上回っている。要因として、10市町村が合併しそれぞれの職員や一部事務組合等の職員を引き継いだこと、市の面積が広大で支所等を多く配置しなければならないことのほか、人口が毎年約1,000人減少することが挙げられる。また、消防業務・保育所・老人ホーム等を直営で運営しているという行政サービスの提供方法の差異も要因の一つである。
実質公債比率は13.6%で、前年度から0.2ポイント増加した。普通交付税額や標準税収入額等が減少したことにより、標準財政規模が減少した影響などによるものである。起債償還は依然として重い負担となっており、類似団体平均を上回っている。今後も適正な事業実施を図り、実質的な公債費(地方債の元利償還金)が財政に及ぼす負担の軽減に努めていく。
前年度から10.9ポイント増加した。その要因としては、分母である標準財政規模が減少したことと、財政調整基金を取り崩したことにより充当可能財源が減少し、分子全体の値が増加したことが挙げられる。また、類似団体平均を上回っている要因としては、合併前の10市町村の地方債残高を引き継いだことが挙げられる。今後も後世への負担を少しでも軽減するよう適正な事業実施を図り、財政の健全化に努めていく。
人件費に係る経常収支比率は25.0%で前年度から0.7ポイント上昇し、類似団体平均をやや上回った。平成27年3月に策定された第3次佐渡市集中改革プランでは平成25年度の職員数1,279人を基準として平成31年度にかけて103人(-8.1%)の削減を目標としている。進捗率は平成29年4月1日現在で8.7%減で、削減数は111人となっている。今後も更なる行政改革を推進し、人件費の削減に努めていく。
物件費に係る経常収支比率は類似団体平均よりやや低い12.9%であるが、前年度から0.4ポイント上昇している。物件費の内訳では、委託料と需用費が大きな割合を占めている。今後は学校や保育所等の施設統廃合により、公共施設の適正配置を行い、施設の管理委託料や修繕費等の削減に努める。
扶助費に係る経常収支比率は6.5%で前年度から0.2ポイント上昇しているが、類似団体では低い比率となっている。しかしながら、障がい者福祉等に係る扶助費が増加していることから決算額では年々増加する傾向にあり、義務的経費の性質のため抑制には困難な面もある。扶助費の性質を考慮しながらも、歳出の適正化により今後の上昇傾向に歯止めをかけるよう努めていく。
その他に係る経常収支比率は18.9%となり、前年度の17.9%から1.0ポイント上昇した。要因としては、特別会計への繰出金の増加や水道事業会計に対する補助金の増加が挙げられる。今後は事業の見直しを行うことにより、繰出金の圧縮に努めていく。
補助費等に係る経常収支比率は、類似団体平均を下回る4.3%となっている。補助費等については、「行政改革大綱」等に基づき、類似事業及び同一・同種団体に対する補助金等の整理統合を行い、第三者機関による補助金の目的、妥当性、効果を検証し、補助金の見直しと終期の設定を推進していきたい。そのうえで目的を達成した補助金等を廃止するなどして今後も一層の見直しを図っていく。
公債費に係る経常収支比率は24.5%で前年度から0.3ポイント上昇した。依然として非常に重い負担となっており、類似団体平均18.4%を大きく上回っている。今後も事業を計画的かつ適正に実施することにより、財政の健全化に努めていく。
公債費以外に係る経常収支比率は67.6%となり、前年度から2.1ポイント上昇した。その要因としては、経常一般財源である普通交付税の減、臨時財政対策債の減などが挙げられる。
(増減理由)財政調整基金に前年度繰越金や預金等の利子5億円、過疎地域自立促進特別事業基金に過疎対策事業債の基金造成分3億円、行政庁舎建設基金に1億円を積み立てた一方で、財政調整基金から豪雨災害復旧事業や除雪事業等の財源として28億円を取り崩したこと等により、基金全体として29億円の減少となった。(今後の方針)各基金の設置目的と事業内容に基づき、計画的に積み立てと取り崩しを行う。
(増減理由)合併特例措置により普通交付税が段階的に縮減する中で、豪雨災害の復旧や大雪に伴う除雪経費等の財源として28億円を取り崩したことにより減少した。(今後の方針)残高の目標値を標準財政規模の10%~20%とし、前年度繰越金の1/2以上の額及び預金等の利子を積み立て、近年多発する自然災害の備えとして可能な範囲で積み増しを行う。平成31年度末の残高を66億円程度と見込む。
(増減理由)市債償還のために3.9億円を取り崩したことによる減少。(今後の方針)市債現在高の状況や公債費負担の今後の見通しに応じて積み立てを行い、財源対策債等のほか、繰上償還を行う市債、他年度に比べて償還額が著しく多額となる市債の元利償還金の財源として取崩しを行うことで、平成31年度末残高を16億円程度と見込んでいる。
(基金の使途)地域振興基金:市民の連携強化及び地域振興のための事業に充てるため。過疎地域自立促進特別事業基金:地域医療の確保、住民の日常的な移動のための交通手段の確保、集落の維持及び活性化その他の住民が将来にわたり安全に安心して暮らすことのできる地域社会の実現を図るための事業の財源に充てるため。(増減理由)過疎地域自立促進特別事業基金:過疎対策事業債の基金造成分3億円を積み立てた一方で、産業振興や医療確保等の事業費の財源として4.5億円を取り崩したことによる減少。教育文化振興基金:預金利子等を積み立てた一方で、小中学校施設整備事業等の財源として1.3億円を取り崩したことによる減少。(今後の方針)過疎地域自立促進特別事業基金:過疎対策事業債の基金造成分3億円を積み立て、過疎地域自立促進計画に沿って計画的に繰入れを行う。
平成29年度の有形固定資産減価償却率は40.8%となり、類似団体の平均(57.6%)を下回っている。今後は平成28年7月策定の佐渡市公共施設等総合管理計画に基づき、公共施設等の適正な管理や有効活用を図っていく。
将来負担比率は類似団体と比較して高い水準にあり、前年度から10.9ポイント増加した。有形固定資産減価償却率は類似団体の平均を下回っている。
実質公債比率は類似団体と比較して高い水準にあり、前年度から0.2ポイント増加した。普通交付税額や標準税収入額等が減少したことにより標準財政規模が減少した影響などによるものである。将来負担比率は類似団体と比較して高い水準にあり、前年度から10.9ポイント増加した。財政調整基金の取崩等により充当可能基金が減少したことなどの影響によるものである。今後も公債費負担の適正化に取り組んでいく。
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