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財政健全化等財源超過首都近畿中部過疎山振低開発指数表選定
本市の財政力指数は、類似団体平均、全国平均、県平均よりもやや上回っており、前年度との比較では、横ばいとなった。類似団体平均との比較では、平成26は下回っていたものの、平成27以降は類似団体の財政力指数が低下傾向にある中で、本市は、雇用・所得環境の改善等による給与所得の増に伴う個人市民税の増収等により財政力指数の水準を維持し、類似団体平均を上回った。
歳入においては、市税(固定資産税:家屋)が評価替えの経年減価により減となったことや、普通交付税が平成28からの合併算定替特例措置の段階的な縮減等により減となったことに加え、歳出においては、平成30に開館した市民交流センターの施設維持管理費や臨時・嘱託職員の新たな任用等により物件費が増となったこと等により、前年度から3.6ポイント増加し、類似団体平均を3.3ポイント上回った。今後、経常一般財源の大幅な収入増が見込めないため、経常経費の一層の効率化に努める。
人件費、物件費及び維持補修費の合計額の人口1人当たりの金額が、類似団体平均を上回ったのは、主に物件費が要因となっている。これは主に東京電力㈱福島第一原発事故の影響により実施した住宅等除染に伴う廃棄物(除去土壌等)の中間貯蔵施設への搬出経費が増加したことや、平成30に開館した市民交流センターの施設維持管理等が新たに発生したこと等によるものである。なお、平成27までは住宅等除染作業により高い数値で推移し、平成28及び平成29は住宅等除染廃棄物の搬出量等の影響で減少傾向にあった。今後も、住宅除染等の物件費で実施する震災関連事業が継続し、その進捗により増減する見込みである。
本市においては、福島県人事委員会勧告の内容を基に給料表の改定を行っているため、国を上回る改定となっていること、また、職員の年代ごとの給与バランスを図るため、給料表の号給を増設していることから、ラスパイレス指数の上昇要因となっている。
職員の定員管理については、平成17から平成26までの10年間で90人を削減する職員定員適正化計画に基づき、平成22までの6年間で72人を削減した。しかし、東日本大震災による復興業務が増加したこと、平成25以降に定年退職する職員について、年金の支給開始年齢に達するまでの間、再任用を希望する者については再任用するとの方針を決定し、平成25と平成26の退職者のうち20人を再任用したことから、最終的な削減人数は65人となった。現在は、平成28年3月に策定した平成27からの10年間を計画期間とした職員定員適正化計画に基づき、計画期間内に定年前職員12人の削減を目標とし、引き続き職員定員の適正化に取り組んでいる。
実質公債費比率は、前年度から0.4ポイント減少し、類似団体平均を1.9ポイント下回った。その要因は、基準財政需要額に算入された公債費の控除額の増加等によるものである。今後は、復興関連の大型事業や義務教育施設等の耐震化などで、これまでに借入れを行った地方債の元金償還が順次開始されることにより、指標が徐々に上昇する見込みであるが、これからの地方債の借入れにあたっては、交付税措置が手厚い地方債を厳選することで、実質的な公債費負担を極力抑制し、健全な指標の維持に努める。
将来負担比率は、前年度から5.5ポイント増加し、類似団体平均を15.4ポイント上回った。その要因は、市民交流センターや義務教育施設の整備に伴い地方債現在高が増加したことや、須賀川地方保健環境組合のごみ処理施設更新に伴う組合等負担等見込額が増加したこと、さらに、施設整備や公債費償還のために基金の取崩しを行ったこと等によるものである。今後も、文化センターの耐震補強等による地方債現在高の増加により、指標が上昇する見込みであるが、交付税措置の手厚い地方債を厳選するなどで実質的な将来負担を抑制することで、健全な指標を維持できるものと見込んでいる。
人件費に係る経常収支比率は、前年度から0.8ポイント増加したが、類似団体平均を2.3ポイント下回り、全国平均より低い水準である。これは、平成17年4月の市町村合併を機に、簡素で効率的な組織を構築するため、平成26までの10年間を計画期間とする職員定員適正化計画を策定し、90人の削減目標を立て、最終的に65人の削減を行ったためである。現在は、平成27からの10年間を計画期間とする新たな職員定員適正化計画に基づき、計画期間内に定年前職員12人の削減を目標とするとともに、ワークライフバランスを保つための職場環境改善に努めている。
物件費に係る経常収支比率は、前年度から1.8ポイント増加し、類似団体平均を4.8ポイント上回り、全国平均より高い水準である。これは、平成30に開館した市民交流センターの施設維持管理費や臨時・嘱託職員の新たな任用等により、経常的な物件費が増加したことなどによるものである。今後、、風流のはじめ館やアーカイブセンターなどの新たな公共施設の供用開始により、経常的な物件費の上昇が見込まれることから、一層の施設の維持管理経費などの効率化に努める。
扶助費に係る経常収支比率は、前年度から0.1ポイント増加し、類似団体及び全国平均より低い水準である。扶助費に係る経常経費は、保育所等の施設型給付事業の増加等の影響で前年度より上昇した。国の制度設計や社会保障財源の状況に大きく左右されるが、今後は増加傾向が見込まれるため、市単独扶助費については、継続して効率化に努める。
その他の経常収支比率は、前年度から、0.8ポイント増加し、類似団体平均を2.3ポイント上回り、全国平均より高い水準である。これは、介護保険や農業集落排水事業に係る経常的な繰出金が増加したこと等によるものである。今後は、下水道事業などの地方公営企業法適用化が予定されており、公営企業としての独立採算制を重視し、繰出金の抑制に努める。
補助費等に係る経常収支比率は、前年度から0.5ポイント減少したが、類似団体平均及び全国平均より高い水準である。補助費等は、一部事務組合に対する分担金等が大きな割合を占めるため、その事業進捗を注視するとともに、その他の各種団体への補助金については、費用対効果を見極め、目的を達成した補助金の廃止や終期設定などの検討を進めていく。
公債費に係る経常収支比率は、前年度から0.3ポイント増加し、類似団体平均を3.4ポイント下回り、全国平均よりも低い水準にある。今後は、復興関連の大型事業や義務教育施設等の耐震化などで、これまでに借入れを行った地方債の元金償還が順次開始されることにより、指標が徐々に上昇する見込みであるが、これからの地方債の借入れにあたっては、交付税措置が手厚い地方債を厳選することで、実質的な公債費負担の抑制に努める。
公債費以外の経常収支比率は、前年度から3.3ポイント増加し、類似団体平均を6.7ポイント、全国平均を4.2ポイント上回る数値となった。今後、経常経費の抑制にあたり、費用対効果を見極め、より一層の効率化を図る。また、市公共施設等総合管理計画に基づき、計画的な公共施設の維持や施設の全体最適化に努める。
(増減理由)決算剰余や収支の年度間調整等のため、財政調整基金は取り崩すことなく積立てを行うことができたが、公債費負担の平準化と普通交付税の段階的縮減に伴う激変緩和のため、減債基金を取り崩すとともに、東日本大震災からの復旧・復興事業の進捗により、その財源として多額の特定目的基金を取り崩したため、基金全体としては、前年度と比較して、1,774百万円減少した。(今後の方針)今後は、年々増加していくことが見込まれる公債費の償還や、公共施設等総合管理計画に基づく施設等の全体最適化に要する財政負担に対応するため、計画的な基金の繰入れと積立てを実施していく。
(増減理由)基金の取崩しを行わなかったことと、茶畑地区産業拠点について平成30に収入した土地売払代1,320百万円を翌年度の郡山地方土地開発公社への償還に充てるため、年度間調整等として一時的に積み立てたことにより増加した。(今後の方針)東日本大震災からの復旧・復興事業の総仕上げに伴い、予算規模の増加が見込まれる中、歳入一般財源の不足額を補っていくことで徐々に減少していく見込みであるが、標準財政規模の10%程度の基金残高を維持することを目標とする。
(増減理由)公債費負担の平準化と普通交付税の段階的縮減に伴う激変緩和に対応するため、平成28まで積立てを行ってきたが、平成29に引き続き平成30も計画的に1,060百万円取り崩したことにより減少した。(今後の方針)小中学校の建設事業等による地方債の借入れの公債費償還が随時開始となること、また、普通交付税の段階的縮減の激変緩和に対応するため、今後も計画的に繰入れを行っていくことで基金残高は減少が見込まれる。
(基金の使途)・庁舎等整備基金:施設の整備に活用する基金・東日本大震災復興交付金基金:東日本大震災からの復旧・復興に活用する基金・農業水利施設等保全再生事業基金:東京電力㈱福島第一原発事故の影響により実施する農業用ため池放射性物質対策に活用する基金等(増減理由)農業水利施設等保全再生事業基金については、事業進捗により969百万を積み立てるとともに568百万円を取り崩して事業を実施したため差額分が増加したが、庁舎等整備基金及び東日本大震災復興交付金基金については、市民交流センターの整備に充てる財源としてそれぞれ588百万円及び910百万円を取り崩したこと等により、その他の特定目的基金全体で前年度と比較して2,141百万円減少した。(今後の方針)各種基金の設置目的の達成度を踏まえ、平成30年度末に各種基金を整理統合し、特に、令和2以降の公共施設等総合管理計画に基づく公共施設等の再編に要する財政負担に対応するための基金として、公共施設等整備基金を創設しました。今後、中長期的に続く施設更新等の財源確保として、決算剰余金を活用した計画的な積み増しに努めます。
平成30年度の有形固定資産減価償却率は、類似団体平均と比べると下回っており、昨年度からほぼ横ばいであるが、今後、償却期間を経過しても使用する施設が増加すると見込まれる。公共施設等総合管理計画において、施設の老朽化への対応などを定めているところであるが、令和2年度には公共施設等個別施設計画も策定予定であり、当該計画に基づいた施設の維持管理を適切に進めていくことで総量の適正化などを図っていく。
債務償還比率は、類似団体平均を上回っている。比率の算出に用いる将来負担額が前年度から2.1%増加しており、平成31年1月に開館した市民交流センターなどの震災復興関連建設事業による市債残高の増加や、須賀川地方保健環境組合の新ごみ焼却施設による組合負担等見込額の増加などが主な要因と考えられる。今後も引き続き、歳入の確保や歳出の抑制により業務活動収支の更なる改善を図り、債務償還比率の低減に取り組んでいく。
有形固定資産減価償却率は類似団体と比べて低い水準で推移しているものの、今後は施設の老朽化が進んでいくことにより、施設の維持管理に要する経費が増加した場合は、指標の上昇が見込まれる。また、将来負担比率は、平成29年度に設定した債務負担行為の支出予定額(茶畑地区産業拠点整備事業※日本たばこ産業(株)工場跡地87,686.26㎡買戻し)など一時的な上昇要因があるものの、各施設の更新に伴い市債の現在高は年々増加傾向にあり、将来負担比率への影響が考えられることから、公共施設等総合管理計画や今後策定予定の公共施設等個別施設計画に基づき、計画的な公共施設の管理に取り組んでいく。
実質公債比率は、類似団体と比べると低い水準にあるが、将来負担比率は上昇傾向にある。将来負担比率が上昇している要因については、上記「将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析」の分析欄に記述のとおり一時的な上昇要因が含まれているものの、復興関連の大型事業や学校施設耐震化などによる市債残高の増加や充当可能財源である基金残高の減少なども考えられる。これまでに借入れを行った市債の元金償還が順次開始されることで、今後は実質公債比率が上昇する見込みで、市債の借入にあたっては交付税措置が手厚い地方債を厳選することで、実質的な公債費負担を極力抑制し、健全な指標の維持に努める。
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