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財政健全化等財源超過首都近畿中部過疎山振低開発指数表選定
本市の財政力指数は、類似団体平均、全国平均、県平均よりもやや上回っており、前年度との比較では、ほぼ横ばいとなった。類似団体平均との比較では、平成25及び平成26は下回っていたものの、平成27以降は類似団体の財政力指数が低下する中で、本市は財政力指数の水準を維持し、類似団体平均を上回った。
歳入においては個人市民税や地方消費税交付金等の伸びにより経常的収入が増となったものの、歳出においては、平成29に開庁した新庁舎の窓口包括業務委託の開始、保育所等の施設型給付事業等による扶助費の増加、さらには、公立岩瀬病院の不採算医療に対する補填拡大等の影響により、前年度から2.1ポイント上昇して90%を超え、類似団体平均と同程度となった。今後、経常一般財源の大幅な収入増が見込めない中、経常経費の一層の効率化に努める。
物件費については、東京電力㈱福島第一原発事故の影響による住宅等除染対策事業を委託料で実施したことから、平成25以降、類似団体と比較し、高い数値で推移したが、除染作業が終了したことで、平成29は類似団体、全国平均、県平均よりも下回った。今後は、平成30に開館となった市民交流センターの施設維持管理経費などにより、物件費の上昇が見込まれる。
本市においては、福島県人事委員会勧告の内容を基に給料表の改定を行っているため、国を上回る改定となっていること、また、職員の年代ごとの給与バランスを図るため、給料表の号給を増設していることから、ラスパイレス指数の上昇要因となっている。※ラスパイレス指数の数値は、地方公務員給与実態調査に基づくものであるが、本資料作成時点(平成31年1月末時点)において、平成30年調査結果が未公表であるため、平成29の数値については、前年度の数値を引用している。
職員の定員管理については、平成17から平成26までの10年間で90人を削減する職員定員適正化計画に基づき、平成22までの6年間で72人を削減した。しかし、東日本大震災による復興業務が増加したこと、平成25以降に定年退職する職員について、年金の支給開始年齢に達するまでの間、再任用を希望する者については再任用するとの方針を決定し、平成25と平成26の退職者のうち20人を再任用したことから、最終的な削減人数は65人となった。現在は、平成28年3月に策定した平成27からの10年間を計画期間とした職員定員適正化計画に基づき、計画期間内に定年前職員12人の削減を目標とし、引き続き職員定員の適正化に取り組んでいる。
実質公債費比率は、前年度から0.7ポイント改善し、類似団体平均を1.7ポイント下回った。その要因は、基準財政需要額に算入された公債費の控除額の増加などによるものである。今後は、復興関連の大型事業や学校施設耐震化など、これまでに借入れを行った市債の元金償還が順次開始されることにより、指標が徐々に上昇する見込みであるが、市債の借入れにあたっては、交付税措置が手厚い地方債を厳選することで、実質的な公債費負担を極力抑制し、健全な指標の維持に努める。
将来負担比率は、前年度から22.5ポイント上昇し、類似団体平均を5.1ポイント上回った。その要因は、土地開発公社による日本たばこ産業㈱工場跡地の取得に対する買戻しの債務負担行為を新たに設定したこと、また、新庁舎整備や公債費の償還のため、基金の取崩しを行ったことなどによるものである。今後は、復興関連の大型事業を実施したことによる地方債現在高の増加や、充当可能基金残高の減少等により、指標が上昇する見込みであるが、健全な指標を維持できるものと見込んでいる。
人件費に係る経常収支比率は、前年度から0.4ポイント改善するとともに、類似団体平均を2.9ポイント下回り、全国平均より低い水準である。これは、平成17年4月の市町村合併を機に、簡素で効率的な組織を構築するため、平成26までの10年間を計画期間とする職員定員適正化計画を策定し、90人の削減目標を立て、最終的に65人の削減を行ったためである。現在は、平成27からの10年間を計画期間とする新たな職員定員適正化計画に基づき、計画期間内に定年前職員12人の削減を目標とするとともに、ワークライフバランスを保つための職場環境改善に努めている。
物件費に係る経常収支比率は、前年度から1.0ポイント上昇し、類似団体平均を3.3ポイント上回り、全国平均より高い水準である。これは、平成29に開庁した新庁舎の窓口包括業務委託により、経常的な物件費が増加したことなどによるものである。今後、平成30に開館となった市民交流センターの施設維持管理経費などにより、経常的な物件費の上昇が見込まれることから、一層の施設の維持管理経費などの効率化に努める。
扶助費に係る経常収支比率は、前年度から1.0ポイント上昇し、類似団体平均とは同水準にあるが、全国平均より低い水準である。扶助費に係る経常経費は、保育所等の施設型給付事業の増加等の影響で前年度より上昇した。国の制度設計や社会保障財源の状況に大きく左右されるが、今後は増加傾向が見込まれるため、市単独扶助費については、継続して効率化に努める。
その他の経常収支比率は、前年度から、0.4ポイント上昇し、類似団体平均を1.5ポイント上回り、全国平均より高い水準である。これは、介護保険や下水道事業に係る経常的な繰出金が増加したことなどによるものである。今後は、下水道事業などの地方公営企業法適用化を見据え、使用料の見直しや維持管理経費の節減など、公営企業としての独立採算制を重視し、繰出金の抑制に努める。維持補修費については、市公共施設等総合管理計画に基づき、計画的な公共施設の維持に努める。
補助費等に係る経常収支比率は、前年度から0.4ポイント上昇し、類似団体平均、全国平均、県平均より高い水準である。補助費等は、一部事務組合に対する分担金等が大きな割合を占めるため、その事業進捗を注視するとともに、その他の各種団体への補助金については、費用対効果を見極め、目的を達成した補助金の廃止や終期設定などの検討を進めていく。
公債費に係る経常収支比率は、前年度から0.3ポイント改善し、類似団体平均を3.8ポイント下回り、全国平均、県平均よりも低い水準にある。今後は、復興関連の大型事業や学校施設耐震化など、これまでに借入れを行った市債の元金償還が順次開始されることにより、公債費が徐々に上昇する見込みであるが、市債の借入れにあたっては、交付税措置が手厚い地方債を厳選することで、実質的な公債費負担の抑制に努める。
公債費以外の経常収支比率は、前年度から2.4ポイント上昇し、類似団体平均を4.2ポイント、全国平均を1.4ポイント上回る数値となった。今後、経常経費の抑制にあたり、費用対効果を見極め、より一層の効率化を図る。また、市公共施設等総合管理計画に基づき、計画的な公共施設の維持や施設の全体最適化に努める。
(増減理由)東日本大震災復興交付金基金について、復旧・復興関連事業の財源としたことで、前年度と比較し、1,344百万円の減額、また、庁舎等整備基金について、新庁舎建設や市民交流センター整備の財源としたことで、前年度と比較し、1,022百万円減額となった。これらにより、基金全体としては、前年度と比較し、2,871百万円減少した。(今後の方針)今後は公債費の償還や、市民交流センターの整備などに対する繰入れに加え、公共施設等総合管理計画に基づく施設等の全体最適化に要する財政負担の平準化のため、基金からの繰入れと積立てを計画的に実施していく。
(増減理由)基金からの繰入れを行わなかったことから、前年度とほぼ同額となっている。(今後の方針)東日本大震災からの復旧・復興事業の総仕上げに伴い、予算規模の増加が見込まれる中、歳入一般財源の不足額を補っていくことで徐々に減少していく見込みであるが、標準財政規模の10%程度の基金残高を維持することを目標とする。
(増減理由)公債費負担の平準化と普通交付税の段階的縮減に伴う激変緩和に対応するため、これまで積立てを行ってきたが、平成29において計画的に569百万円取り崩したことにより減少した。(今後の方針)小中学校の建設事業等による地方債の借入れの公債費償還が随時開始となること、また、普通交付税の段階的縮減の激変緩和に対応するため、今後も計画的に繰入れを行っていくことで基金残高は減少が見込まれる。
(基金の使途)・東日本大震災復興交付金基金:東日本大震災からの復旧・復興に活用する基金・庁舎等整備基金:施設の整備に活用する基金等(増減理由)庁舎等整備基金や東日本大震災復興交付金基金については、復旧・復興事業の負担を平準化するため、重点的に積み立ててきたが、新庁舎建設や市民交流センター整備等の財源としたことにより、その他の特定目的基金全体で前年度と比較し、2,327百万円減少した。(今後の方針)東日本大震災復興交付金基金については、復旧・復興関連事業の進捗に応じ重点的に繰入れを行う見込みである。また、庁舎等整備基金については、市民交流センター整備事業に対して繰入れを行う見込みであることから、基金残高は減少するが、公共施設等総合管理計画に基づく施設等の全体最適化に向け、今後も計画的に基金への積立てと繰入れを行っていく。
平成29年度の有形固定資産減価償却率は、類似団体平均と比べると下回っており、昨年度比べると微増している。しかし、本市は、今後、償却期間を経過しても使用する施設が増加することが見込まれるが、平成29年度に策定した公共施設等総合管理計画において、公共施設等の総量の適正化や機能の複合化による効率的な施設の配置を基本方針として公共施設等の総合的かつ計画的な管理を推進し、令和2年度策定予定の公共施設等個別施設計画に基づき、計画的な予防保全による施設の長寿命化に努める。
平成29年度の将来負担比率を除き、将来負担比率及び有形固定資産減価償却率は、類似団体と比べて低い水準で推移している。復興関連の庁舎や市民交流センター等の大型施設の建設や学校施設の増改築等により、一定程度の施設更新が行われているが、平成29年度の有形固定資産減価償却率が52.6%と、50%を超えており、今後、施設の老朽化が進んでいくことから、維持管理に要する経費の増加が見込まれる。また、施設更新に伴い、市債の現在高は年々増加傾向にあり、将来負担比率への影響が考えられることから、公共施設等総合管理計画や今後策定予定の公共施設等個別施設計画に基づき、計画的な公共施設の管理に取り組んでいく。
実質公債費比率及び将来負担比率は、類似団体と比較して低い水準で推移しているが、平成29年度に将来負担比率が高い水準になっている。将来負担率が上昇した主な要因としては、市内中心部における民間事業者の大規模な工場跡地を土地開発公社が約13億円で取得し、本市がその買戻しを行うための債務負担行為を新たに設定したことによるものである。当該買戻し用地は、新たな産業拠点創出に向け、公募型プロポーザル競技により民間事業者への売却を予定しており、将来負担比率の上昇は一時的なものである。また、実質公債費比率は、基準財政需要額に算入された公債費の控除額の増加などにより低下しているが、今後、復興関連の大型事業や学校施設耐震化など、これまでに借入れを行った市債の元金償還が順次開始されることにより、指標が徐々に上昇する見込みである。そのため、市債の借入れにあたっては、交付税措置が手厚い地方債を厳選することで、実質的な公債費負担を極力抑制し、健全な指標の維持に努める。
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