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財政健全化等財源超過首都近畿中部過疎山振低開発指数表選定
平成20年度から財源不足団体となっており、平成28年度の財政力指数は前年度に比べ0.01ポイント悪化した。主な原因として法人市民税で中国経済の減速や為替レートの変動等により市内大手企業の業績が悪化し大幅な減収となったものと分析している。
平成28年度の経常収支比率は91.7%と前年度より3.4ポイント悪化した。歳入面では、法人市民税で大幅な減収がみられ、歳出面では、平成25年度のごみ処理施設建設事業において発行した地方債の元金償還が始まり公債費が増加したためと分析している。人件費においては、類似団体中の順位が極めて悪いことから、業務の抜本的見直しの下、改善が必要と考える。また、平成28年度以降、合併算定替段階的縮減期間に入っていることから、経常一般財源収入の先行きに不安要素も多く行財政改革による経常経費の削減と自主財源の更なる確保に努めなければならない。
人件費、物件費及び維持補修費の人口1人あたり決算額は、前年度より1,329円増となり、全国、県平均と比べ高くなっており、類似団体内の順位も極めて悪い。主な要因として、人件費でごみ収集業務を直営で行っているほか、保育所や学校給食等の民間委託が進んでいないためである。また、合併後の課題でもある類似公共施設の統廃合等が進んでおらず、老朽化による維持管理コストが増加する見通しである。今後は、公共施設等総合管理計画に基づき、全庁的に統廃合議論を活発化させるとともに、トップランナー方式で示された民間委託・指定管理者制度導入を検討し、管理コストの削減を図り、効率的な行財政運営に努める必要がある。
行財政改革の進捗により、定員管理計画を上回る職員数の減員が進んでいるが、市町合併により、広大な行政面積を有し、保育所や学校教育施設等も多いことから、住民サービスの維持に配慮しつつ、事務事業の変化を見通しながら適切な定員管理を行っていくことが重要である。
新市まちづくり計画期間中であり、大型事業の進行中であるが、事業採択過程における厳しい事業費の精査や合併特例債の活用を優先するなど、交付税措置率の高い市債発行を実行してきたことなどから全国平均を下回る5.1%となり、類似団体平均を3.1ポイント下回った。今後は、合併特例債の発行枠も減少していくため、不要不急の事業を精査するとともに政策効果の高いものを採択し、市債発行を抑制するとともに発行に当たっては、交付税措置の手厚いものを取捨選択し、実質的な負担が増加しないよう努める必要がある。
充当可能財源等が将来負担額を上回っているため将来負担比率の値は生じていない。主な要因としては、財政調整基金をはじめとする充当可能基金が約209億円にのぼるほか、交付税措置の高い合併特例債を最優先に発行していることなどから、将来負担額が抑えられていると分析している。分母となる市税収入等では、立地企業の業績に大きな影響を受ける税収構造であることから、財源不足を安易に基金からの繰入金で賄うことのないよう日頃より徴収強化を図り、慎重な基金運用に努めるとともに将来負担の増加の原因となる、市債発行を財源とする投資事業については、採択過程において厳しく精査するなど堅実な財政運営に努めることが必要である。
人件費に係る経常収支比率は、定員管理目標を上回るペースで職員数の減員が進んでいるものの、1.1ポイント悪化し、かつ全国・県平均を上回っている。市民ニーズの多様化や地方分権に伴う権限移譲の進展等により、業務量の増加が見込まれることなどから、今後は事務の効率化と簡素化を多面的に検討しながら人件費の抑制に努める必要がある。
物件費に係る経常収支比率は15.8%と類似団体平均より1.9ポイント上回り、県平均に比べると3.7ポイント上回っている。主な理由として、ごみ収集業務や学校給食業務等を直営で行っていることなどから、臨時職員賃金等が多額となっているほか、公共施設の統廃合が進んでいないことで施設管理に要する物件費が大きい。早急にトップランナー方式で示されている民間委託等を検討し、公共施設等の管理経費の縮減に努める必要がある。
扶助費に係る経常収支比率は、7.9%と全国、県平均を下回っており、類似団体平均より2.2ポイント下回っているが、安心して子育てができるまちづくりを目指すため18歳までの医療費の無料化を行っていることや、障がい者福祉サービス関連経費、少子高齢化の進展による社会保障関連経費の増加が見込まれることから、各事業における受給権資格審査等において、更なる適正化を図る必要がある。
その他に係る経常収支比率は、類似団体平均を0.1ポイント上回っており対前年度でも0.4ポイント悪化した。主な要因として、歳入において法人市民税等の経常的収入が減少したことであるが、歳出でも繰出金で国民健康保険及び後期高齢者医療特別会計等において、高齢化等を背景に給付額は増加傾向となっているほか、下水道事業等に対する赤字補てん的繰出金が増加する傾向にある。今後は、独立採算性の原則に鑑み、受益者負担の適正化や基準外繰出金の見直しに努める必要がある。
当市は、旧那賀川町及び旧羽ノ浦町と市町合併し、旧1市2町からの負担金で運営していた一部事務組合(消防・衛生)の業務を承継したため、類似団体平均より6.2ポイント下回っている一方、人件費や物件費の割合が高くなっている。市単独補助金等については、各団体の収支状況等を精査した上で決定するほか、団体の統合、再編や補助の終期を設定するなど見直しを行う必要がある。
市債発行事業の厳しい精査を行うとともに、高利残債の利率見直し交渉による利子負担の軽減を図っていることなどから公債費に係る経常収支比率は15.7%と類似団体平均より2.6ポイント下回った。しかし、公債費は約32億円となっており、公債費負担は依然として高い。今後は、合併特例債から本債の発行へシフトしていくことや一般財源確保のために臨時財政対策債発行額の増加が見込まれることから、健全化判断比率の悪化に注意を払いながら、慎重な市債発行により堅実な財政運営に努める必要がある。
公債費以外の経常収支比率は、類似団体平均より3.8ポイント上回り、前年度と比較すると2.6ポイント悪化した。主な要因として、人件費の経常収支比率で1.1ポイント悪化し、類似団体平均を大きく上回っているほか、物件費で臨時職員賃金や施設ランニングコストなどで0.7ポイント悪化、その他性質において0.4ポイントの悪化が見られた。今後も市税の徴収強化等により一般財源の安定的な確保に努める必要があり、特に人件費では、適正管理を徹底するほか、施設管理において、指定管理者制度の導入等による管理コストの軽減に努めることが重要である。
実質公債費比率は類似団体と比較して低い水準にあり、将来負担比率は比率なしの水準を保っている。しかし、市町合併後の大規模な普通建設事業等に伴い発行した地方債の償還が始まることや、市税収入の減などにより財政調整基金等の取り崩しにより収支バランスを保持している状況であることから、今後は2指標の悪化が懸念されるため、自主財源の更なる確保に努めるとともに適正適量な市債発行に努める必要がある。
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