経営の健全性・効率性について
経常収支比率について、平成24年度以降は100%を超えて黒字化している。累積欠損金比率は0%となっている。流動比率は類似団体平均値を大きく上回り、短期的な支払能力を十分に備えていることを示している。企業債残高対給水収益比率は類似団体平均値を大きき下回り、安易に企業債に依存せず施設整備を行ってきた成果が顕著となっている。料金回収率は100%を下回り、給水原価が類似団体平均値より高いが、学研都市開発に伴う施設整備を先行して行ってきたこと、及び府営水道からの受水費負担が大きいことなどによるもので、今後の人口増加、企業立地などにより、改善する見込みである。施設利用率は類似団体平均値を上回り、適正な施設規模であると考えられる。有収率は概ね90%となっていて、配水量に対する有収水量の割合が高く収益に繋がっている。平成26年度は都市再生機構による城山台の換地処分が行われたことに伴い86.97%とやや悪化しているが、一過性のものである。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率及び管路経年化率は、いずれも類似団体平均値を下回っており、施設の老朽化度合が低いことを示している。この要因としては学研開発に伴い整備してきた施設の割合が比較的多いためである。管路更新率は1%を下回っているが、老朽化した資産が比較的少ないことなどに起因している。また、平成26年度から生活基盤施設耐震化等国庫交付金及び一般会計からの出資金を活用して、山城高区配水池更新事業、石綿セメント管更新事業に着手した。今後も財政状況を勘案しながら、水道施設の耐震化という課題への対処と併せて、効果的な施設更新に取り組む方針である。
全体総括
人口増加が続く木津川市の発展に伴って、水道事業の経営は、より一層安定化に向かうと考えられる。現在のところ水道事業の財政状況は、債務残高が少なく柔軟性があり、類似団体と比較しても直ちに悪いというような状況ではないが、楽観視できるような状況でもない。節水器具の普及や節水意識の高まりにより、給水人口1人当たりの有収水量が減少する傾向にあること、及び学研都市開発に伴い整備してきた施設の老朽化などが今後の課題となってくるため、行財政改革を図り、経常費用の削減に努める方針である。