経営の健全性・効率性について
経常収支比率については、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けた令和2年度に比べれば、大幅に改善した。給水収益については、前年度比微増にとどまったが、コロナ禍による経営難を見据え、支出の徹底した見直しを実施したことにより、決算時の純利益は100,778千円を計上することができた。流動比率については、当該指標が100%以上であることが必要とされており、当市の指標は例年100%を上回っている。また、本年については全国平均も上回っている。一時借入なども行っておらず、流動負債についても大幅な増加は見られないことから、当面の経営を続けていくうえでは、問題がないものと思料する。良質な水源を確保していることによる低水準な浄水費の実現並びに過年度における建設投資の抑制に伴う企業債利息及び減価償却費の低減等は、低水準な給水原価や良好な料金回収率をもたらしているが、近年は固定資産の更新を経営戦略に基づき実施しており策定以前に増して積極的かつ計画的に行うこととなることから、中長期的に給水原価は上昇傾向にある。また、施設利用率が減少傾向にあるが、今後の経営も見据え、今後数年かけて小配水池等のあり方についても検討していきたい。有収率については、全国平均及び類似団体の平均値を下回る結果となっているが、積極的な管路更新が功を奏し、近年は上昇している年が多い。老朽化対策を積極的に進めているので、今後も当該比率は向上していく見込みである。
老朽化の状況について
老朽化を示す各指標をみると、従前より全国平均及び類似団体に比して老朽化が進んでおり更新が遅れている状況を鑑み、当市の経営戦略では、年間約5億円の改良工事を行いながら老朽化対策を進めていくこととしている。令和2年度からの改良事業は、管路の更新工事を主に行ったことから、管路更新率は上昇したものの有形固定資産原価償却率及び管路経年化率は依然として高い水準となっている。当市の水道施設は、管路のみならず、機械装置の老朽化も著しい状況である。各年度の当初予算編成時には延命化が可能かなどの改良の必要性を今まで以上に吟味し、計画にとらわれすぎず、優先度の高い施設の更新と安定した水道水の供給を行えるよう引続き努めていきたい。
全体総括
諏訪市水道事業の「安全」「強靭」「持続」を実現するため、H30年10月に水道料金の引上げ改定を行った。これに加えて、経営戦略に基づく事業経営がスタートし、経営戦略策定以前に比して多額の建設改良費を要することとなった。一方で、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で料金収入の減少、昨今においては、エネルギー価格の高騰により支出の増額など、経営戦略に基づく財政予測とは大きな乖離が出始めてきている。管路経年化率が全国平均及び類似団体に比して高い傾向にあるなど課題を認識しながら、更なる経営努力を重ね、特に事務費を中心とした支出の抑制に努めながら、財務状況と安定して水道水を供給できる施設の維持とのバランスを図りながら引き続き健全な経営を行っていきたい。