経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は、前年度比0.7ポイント改善し105.95%となりました。これは、給水人口が減少しているものの料金収入が増に転じたほか、引当金戻入などの収益増が要因となっています。概ね健全な経営状況といえますが、平成26年度の簡易水道事業統合に伴う財政悪化等の影響が続いていることもあり類似団体平均より低く推移しています。今後は、人口減少などにより給水収益の減少が続くと見込まれるため、維持管理費の圧縮や老朽管路更新等による有収率の向上など経営努力を続け、経常収支比率の維持・改善に努めていかなければなりません。②これまでに累積欠損金はありません。③流動比率は、企業債残高の減少等により、前年度比で約186.7ポイント改善したものの、今後見込まれる老朽管更新など建設改良事業費の増大に伴う企業債の新規発行等による低下が見込まれます。④企業債残高対給水収益比率は、給水収益を維持できた一方、企業債残高が減少したことにより前年度比18.2ポイント改善し220.23ポイントで、類似団体・全国平均ともに下回り概ね健全です。⑤料金回収率は、類似団体平均を上回り概ね健全ですが、低下傾向にあるため今後は改善が必要です。⑥給水原価は、類似団体・全国平均より高く、主な要因には有収率の低下があげられます。⑦施設利用率は、類似団体・全国平均より高いものの、今後は給水量の減に伴う低下が予想されます。⑧有収率は、類似団体・全国平均と比較しても大幅に低い状態が続いているため、老朽管更新を行いながら有収率の向上に努めていく必要があります。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率については、前年度比で約2.0ポイント上昇し51.10ポイントとなり、毎年の急速な上昇によって類似団体・全国平均を上回ったことからも、施設の老朽化が進んできており、今後も上昇が続いていくことが予想されます。②管路経年化率については、類似団体・全国平均と比較して僅かに低いものの、毎年上昇し続けているため、今後も計画に基づき確実に老朽管更新を行っていく必要があります。③管路更新率については、類似団体・全国平均と比較して低い状態が続いているものの、計画に基づいた老朽管更新の実施により確実に上昇しているほか、現在の入田付地区拡張事業の令和4年度での事業完了に合わせ令和5年度以降は更なる老朽管更新事業を加速度的に推進していくことにより、管路更新率の改善及び有収率の改善にも繋がることが期待できます。
全体総括
平成26年度に簡易水道事業を統合したことにより経常収支比率が悪化し、財政的な影響が続いているほか、今後も人口減少や節水などにより水需要の更なる減少が進んでいくことが予想されます。このような水需要予測と併せ、既存管路及び水道施設の多くが法定耐用年数を超過し更新時期を迎えることや管路更新率が極めて低い水準にある現状が有収率の低下と給水原価の上昇など財政への影響を招いている大きな要因であること、また、生活基盤の根幹をなす重要な水道施設の耐震化、事故・災害対策などが急務であることなど様々な課題解決のため、更なる基盤強化を進めていく必要があります。また、基盤強化と併せ水需要の減少を見込んだ経常収支の改善と経営安定化に向け、投資・財政及び経営計画並びに水道料金適正化計画に基づく料金見直しの検討も併せて進めながら安全で安心な水道水を持続的に供給していきます。