経営の健全性・効率性について
①…100%未満は赤字、100%以上は黒字であることを示している。→給水収益は若干増加したが、雑収益の減少等により経常収益は前年を下回ったり、費用は、電気代や減価償却費が増加したため、赤字となった。②…営業収益に対する過年度からの累積欠損金の状況を示しており、0%であることが求められる。→昨年度に比べて営業収益は増加したが、営業費用がそれ以上に増加したため、昨年度より多い欠損金が発生することとなった。③…短期的な債務(1年以内に支払うべき債務)に対して支払うことができる現金等がある状況を示す100%以上であることが必要。→令和元年度から右肩下がりに推移しているものの、高い水準を維持しており、支払能力が高いことを示している。④…料金収入に対する企業債残高の割合を示しており、企業債残高の規模を表している。→建設改良事業の実施により新規借入額が多く、企業債を償還する額を上回り、企業債残高の比率が上昇している。⑤…給水収益で回収すべき経費をすべて給水収益で賄えている状況を示す100%以上であることが必要。→電気代や減価償却費の増加などにより事業に必要な費用が給水収益を上回っている。⑥…有収水量1㎥あたりについて、どれだけの費用がかかっているかを表したものである。→R3供給単価236.31円(給水収益÷有収水量)がR3給水原価265.55円を下回っており、費用が給水収益で賄いきれていない状況にある。⑦…数値が高いほど施設を無駄なく効率的に使用しているといえるが、数値が高すぎると施設に過大な負荷がかかっていることになる。→R3最大稼働率は39.14%(日最大配水量÷日配水能力×100)、R3負荷率は85.58%(日平均配水量÷日最大配水量×100)となり、施設使用率も類似団体と比較すると数値が低く、施設規模の見直しを行う必要がある。⑧…100%に近いほど施設の稼働状況が収益に反映されている。→有収率を下げる要因である漏水への対策に継続して取り組むとともに、漏水を早期に発見する対策も必要である。
老朽化の状況について
①…施設など償却対象資産の老朽化の度合いを表したもの。100%に近いほど耐用年数に近づいていることを示している。→類似団体と比較すると老朽化の度合いは若干高く、ゆるやかに進行しているため、計画的に更新していく必要がある。②…耐用年数を超えた管路延長の割合を表したもの。管路の老朽化の度合いを示している。→類似団体と比較すると耐用年数を超えた管路は少ないことがわかる。③…当該年度に更新した管路延長の割合を表しており、管路の更新ペースや状況を把握することができる。→昨年度よりも更新ペースが遅くなっているが、計画的に更新は行っている。※正しい数値は0.12%
全体総括
流動比率、企業債残高対給水収益比率については、健全な運用ができているが、経常収支比率や累積欠損金比率については、前年度同様赤字となり、より悪化した値となっている。料金回収率については、依然として100%を下回っており、年々減少傾向にある。施設利用率は、類似団体と比べて依然低い状態であり、施設の計画的な更新や施設規模の見直し等を検討する必要がある。管路経年化は低いものの、今後急激に上昇することが予想される。今後は、既に策定された水道ビジョンや経営戦略に沿って計画的に事業を進め、広域化についても検討を行うとともに、必要に応じて経営戦略の見直しを行う。