経営の健全性・効率性について
経常収支比率は平均値を上回り、給水原価についても平均値を下回っている。また、新型コロナウイルス対策として、令和3年4・5月の水道基本料金を軽減したため、料金回収率は前年度を下回っているが、軽減分を一般会計から補填しているため、その分を考慮すると、いずれの数値も概ね対前年同水準となり、安定した経営状況にある。平成30年度に企業債の繰上償還を行ったため、流動負債の企業債の減少に伴い流動比率が増加しており、その後も平均値を上回り高い数値を維持している。企業債残高対給水収益比率については、平成14年度以降新規の借入を行っていないため、平均値を下回り、減少傾向にある。令和2年度は、新型コロナウイルスによる生活様式の変化等により、配水量が増加し施設利用率は上昇したが、令和3年度は通常生活に戻ってきたため、以前の数値に戻ってきたが、依然として平均値を下回っている。人口減少や節水機器の普及により配水量は引き続き減少傾向にあり、施設利用率も下降傾向にあることから、今後の施設整備において、災害等の緊急時への備えとして一定の施設能力を保持しつつ、更新時にスペックダウンを検討するなど施設・設備の適正化を図っていく。有収率については、漏水が主な要因となり平均値を下回っている。平成30年度から有収率の低い水系の管路更新を集中的に行っており、当該区域の有収率は上がっているものの、全体では令和元年度以降再び低下したため、更なる調査及び対策が必要である。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率については、平均値を上回り、かつ、前年度からの増加率も大きく、施設の老朽化が進んでいる。今後は、令和元年度に策定した経営戦略に基づき施設更新を行い、改善を図っていく。管路経年化率は、平成27年度に行ったアセットマネジメント(資産調査)に基づいた更新計画の推進により、平均値及び全国平均を大きく下回っている。令和3年度の管路更新率は前年度より大幅に減少しているが、これは、今後到来する更新需要の増大に向けて、更新の平準化及び資金財源等の確保の必要性から、令和7年度に管路更新計画を策定し計画的な管路更新を行うこととしたため、それまでは必要最低限の更新を実施することとしたからであり、今後数年は低い数値が続く見込である。
全体総括
平成26年度に実施した料金改定による給水収益が増収及び施設の統廃合などに伴う経費削減による費用の減少から経営面が改善されている。また、老朽化した施設の更新も概ね計画通り実行され、安定した経営状況といえる。しかし、水道事業を取り巻く環境は全国的にも厳しい状況にあり、健全な状況が将来にわたり続く保証はない。当事業においても有収水量が減少傾向にあること、施設・管路が更新時期を迎えていることなどから、将来にわたり健全経営及び安定供給を継続するために、更なる財政面の強化や費用削減などの経営努力、老朽化した施設・管路の更新、有収率の向上などの課題を計画的かつ効率的に解決していく必要がある。※平成30年度より、給水人口が5万人未満となったため、類似団体区分がA4からA5になっている。