経営の健全性・効率性について
【①経常収支比率】経常収支比率は前年度と比較して0.35%の減となったものの100%を上回り、また全国平均や類似団体平均も上回っているため、現時点での経営状態は概ね健全であるといえる。【②累積欠損金比率】累積欠損金は発生していない。【③流動比率】100%を超えており、全国平均を上回る水準であることから概ね健全であるといえる。【④企業債残高対給水収益比率】全国平均や類似団体平均と比較して財政的には健全であるものの、施設管路更新のための企業債発行が増加していく状況に備え、経営戦略等に基づいた計画的な事業運営に努める必要がある。【⑤料金回収率】前年度より0.94%の減となったものの、事業に必要な費用を給水収益で賄えている状況にある。【⑥給水原価】受水費の引下げ改定等により改善に努めているが、前年度より3.69%の増となった。全国平均や類似団体平均と比較すると高い水準であり、また今後も電気料金等燃料価格高騰の影響もあることから、さらなる経費削減や経営の効率化に努めていく必要がある。【⑦施設利用率】市内の水需要を受水と自己水源(両者の割合は概ね6対4)で賄っており、受水量は宮城県及び受水市町との覚書で定めているため、自己水源を優先させて施設利用率を向上させることが難しい状況であるが、受水量の見直しを今後も行っていくこととしている。【⑧有収率】全国平均を下回る主な要因は、配水池工事における洗浄水等の無収水量の増加である。類似団体平均と比較すると高い水準でもあるため、今後も継続した漏水調査により、有収率の維持・向上を図っていく。
老朽化の状況について
【①有形固定資産減価償却率】全国平均や類似団体平均と同程度であり、有形固定資産の減価償却が進んでいることを示している。【②管路経年化率】直近年度で法定耐用年数を経過した管路の割合が増加しており、今後修繕や更新投資の必要性が本格的に高まる時期に差し掛かっていることを示している。【③管路更新率】配水池工事を中心に実施したため、前年度より0.47%の減となったが、前年度までは全国平均や類似団体平均と比較すると高い水準となっており、引き続き計画的な管路の更新を実施する必要がある。
全体総括
経営の健全性は維持しているものの、給水人口の減少等に伴う給水収益の減少を見込む一方で、水道施設の老朽化に伴う更新等に多額の費用を見込んでいる。将来にわたり安全安心な水道水を安定して供給するため、経営戦略やアセットマネジメント等に基づき計画的な事業を推進するとともに、適切な料金設定についても検討を進め、中長期的に安定した事業運営に努めていく必要がある。