経営の健全性・効率性について
①【経常収支比率】これまでは100%以上を維持しながらも減少傾向であったが、支払利息の減少等により今年度は上昇に転じた。効果的な維持管理と併せ経営基盤強化のため料金改定に取り組んでいる。②【累積欠損金】累積欠損金は発生していない。③【流動比率】100%を超えてはいるが、類似団体の平均値を下回っている。前年度より27.89ポイント減少した。市独自に定めた250%を下回らぬよう経営改善に取り組む。④【企業債残高対給水収益比率】建設改良事業の実施にあたっては、企業債の縮減と合わせ補助金などの有効活用に取り組む。⑤【料金回収率】類似団体の平均値を下回っている。4年連続で100%を割り込み、料金収入以外の収入で賄われているため、今後適正な料金収入の確保が必要とされる。また、水需要の減少による給水原価の上昇も予想されるため、料金改定の検討を進めている。⑥【給水原価】類似団体の平均を上回り、前年度よりも約3円/㎥の増額となった。引き続き、安定した経営基盤の構築を図るため、水需要に見合った施設のダウンサイジングや維持管理の効率化に取り組んでいく。⑦【施設利用率】類似団体平均よりも高い水準で推移しているが、今後水需要の減少が見込まれることから安定的な供給と適切な施設の統廃合を進める。⑧【有収率】類似団体の平均値を下回っている。令和4年3月の地震による漏水で配水量が増加し、有収水量が減少したため前年度より約1.86ポイント下がった。今後も老朽管の更新、漏水調査などを積極的に実施し、有収率の向上に取り組んでいく。
老朽化の状況について
①【有形固定資産減価償却率】類似団体平均値よりも低い値が続いているが増加傾向にある。今後も施設更新計画に基づき、老朽化施設の更新等に取り組んでいく。②【管路経年化率】類似団体より法定耐用年数を経過した管路を保有している。今後も40年を超える管路が増加するが、国の交付金事業を活用しながら30%以下に抑えるよう管路の更新に取り組んでいく。③【管路更新率】全国平均や類似団体の数値を上回った。今後も経営戦略及び施設更新計画に基づき、積極的に老朽管の更新を行っていく。
全体総括
前年度は新型コロナウイルス感染症による生活様式の変化などにより給水収益が増加したものの、今後、人口減少等による影響により減少する見通しである。一方で施設の耐震化及び老朽施設の更新などが控え、近年には純損失の計上も見込まれる厳しい経営状況である。経営戦略や施設更新計画に基づき、施設の統廃合やダウンサイジングと併せて、有利な財源の活用や費用の圧縮を図り、更に水道料金の見直しについても検討を行い経営基盤の強化を図っていく。