経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は105%から110%の間で推移しているものの、類似団体平均値を若干下回っている。この比率が100%を下回らないよう、経営の効率化などを図っていく必要がある。②毎年黒字を計上していることで、累積欠損金は発生していないが、今後も安定経営に努める必要がある。③流動比率は317%ではあるが年々減少傾向であり現金を始めとする流動資産の確保に努める必要がある。➃単年度における水道料金収益に対し5倍を超える企業債残高が発生している。企業努力を続けることで類似団体と同水準まで比率を落としていきたい。⑤料金回収率は、⑥給水原価の低さにより100%以上を維持している。⑦施設利用率は、類似団体平均値を下回る水準で微減しており、今後の給水人口等の将来推移を分析のうえ、投資のあり方を見直す必要がある。⑧有収率は類似団体平均値を上回るも、全国平均値を下回っている。低料金にて水道水を給水できてはいるが、更なる有収率の向上を図る必要がある。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率、②管路経年化率のどちらも類似団体平均値を上回っており、老朽化が顕著となっており、将来も安定した水供給を実現させる為、更新速度の向上を目指しているが、いかに効率の良い計画性を発揮するかが課題となっている。
全体総括
収支関係の指標においては、経常利益は黒字で累積欠損金はなく、安定の水準で推移しており、健全且つ効率的な経営であるといえる。今後の課題としては、人口減少に伴い給水収益の増加は見込めないところ、管路等を含めた固定資産の老朽化に対し、更新の投資額を確保のうえ計画的に促進する必要があり、アセットマネジメントの視点で、更新費用以外の費用の削減、施設の効率性の向上、水道料金設定の適正化等を総合的に検討し、事業の方向性を定めて行く必要がある。