経営の健全性・効率性について
経常収支比率は、令和2年度の117.85%から、令和3年度には117.41%と0.44%の微減となったが、平均値と同水準を維持している。また、料金回収率も114.02%であり100%を超えているため、給水収益で経常収益をまかなえているが、将来的には人口減少による給水収益の減少及び耐用年数を迎えた浄水場施設や水道管路の修繕費用が増加することが予想される。今後も経営の健全性・効率性を維持していくためには、水道事業への加入促進を図り給水収益を増加させる必要がある。流動比率については、令和2年度の377.02%から、令和3年度は533.05%と156.03%の増となった。また、企業債残高対給水収益比率においても令和2年度は490.43%に対し令和3年度は512.27%と年々増加傾向にある。耐用年数を迎える施設の更新を進めていくため、企業債残高対給水収益比率は今後も高くなっていくことが予想される。給水原価は平均値に比べ良好な数値を維持している。しかし、施設利用率が高く有収率が低いということは、給水される水量が収益に結びついていない状態であることを示している。これは管路の劣化(特に旧簡易水道事業地区)による漏水が主な原因であるため、今後も漏水調査の徹底及び老朽管の更新に努めていく必要がある。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は、平成29年度に旧簡易水道事業を統合し約42%まで減少していたものがここ数年徐々に増加傾向にあり、法定耐用年数に近づいている資産が多いことが分かる。管路経年化率についても同様で、平成29年度に減少したものがここ数年徐々に増加しており、耐用年数が経過した管路が増えてきていることが分かる。しかし、管路更新率は令和2年度は1.26%だったものが令和3年度は0.51%になり減少した。現在は、重要給水施設の管路更新と浄水場更新に伴う場内整備工事を優先しており、管路及び施設の老朽化の更新への投資が追い付いていない状況を示している。今後も管路及び施設の老朽化の更新を計画的かつ効率的に取り組む必要がある。
全体総括
経営の健全性・効率性について、経常収支比率及び料金回収率はいずれも100%を超え高い水準を維持しており、経営の健全化は保たれている。しかし、施設利用率が高いにもかかわらず他団体と比較して有収率が低い水準となっていることは、給水される水量が収益に結びついていないことを示している。経営の効率性を上げるため、原因を特定し有収率向上のための対策を講じていかなければならない。また、老朽化の状況について、管路経年化率は徐々に上昇している。このままの状況では漏水が多発し有収率の改善が見込めず、水道水の安定供給に支障が生じることが予想されるため、老朽化対策等への投資のあり方について早急に検討する必要がある。