経営の健全性・効率性について
平成31年4月の水道料金等の増額改定以降は、経費の見直しなどを含め、経常収支比率、流動比率、給水原価については、改定前に比べ改善しました。しかし、計画的な水道管路の耐震化や鳴門市・北島町共同浄水場整備事業の開始に伴い、多額の財源が必要となることから、令和3年度は悪化しています。そのほか、令和2年度の5月分及び6月分の水道料金を減免し、一般会計からの補助金により減収分を補填したため、令和2年度に一時的に悪化していた企業債残高対給水収益比率及び料金回収率は令和2年度と比べ改善しています。今後も人口減少等による料金収入の減少及び鳴門市・北島町共同浄水場整備事業等による企業債残高及び支払利息の増加が見込まれることから、収入の増加だけに頼らず、経費削減に向けた取り組みも続けてまいります。また、施設利用率が類似団体よりも低くなっていますが、浄水場の更新時には、ダウンサイジングを進める予定としています。有収率については、平成30年度から漏水調査の頻度を増加させたことにより改善し、類似団体平均を上回っています。
老朽化の状況について
管路更新率は類似団体の平均よりも高い値となっていますが、減少傾向です。これは口径の大きな送水管などを優先的に更新していることによるものです。有形固定資産減価償却率及び管路経年化率は増加傾向にあり、施設の老朽化が進んでいます。今後も施設の老朽化に対応するため、料金改定後の収益を原資の一部とし、国庫補助金などを十分に活用しながら、送配水施設耐震化計画等に基づき、計画的な施設更新を進めてまいります。
全体総括
料金改定により経営に係る指標は改善しましたが、依然として施設の老朽化が進んでおり、これらの更新を着実に進める必要があります。この財源を確保するため、水道使用者の負担となる料金改定に頼るだけではなく、効率化・経営健全化等、鳴門市水道事業ビジョンに掲げる施策を継続して実施するなど、一層の経営努力を推進してまいります。