経営の健全性・効率性について
①は、前年度と比較し、新型コロナウイルス感染症による外出自粛要請が緩和し、自宅での活動時間が減少したことなどから、総有収水量が減少したことに伴い、給水収益が減額したため、3.04ポイントの減となったものの、比率は100%を超えており、安定的な経営を継続できている。②は、健全経営の維持により、累積欠損金は発生していない。③は、施設更新事業の推進による建設改良費の増額に伴って流動負債が増えたため、前年度に比べ20.57ポイントの減となっているが、負債に対する十分な支払能力を有した財務状況である。④は、給水収益が減収したものの、企業債の計画的な返済により企業債残高が減少したことから、前年度に比べ2ポイントの減となった。⑤は、給水収益が減収したことにより供給単価が減額するとともに、経常費用が増額したことに伴い給水原価が増額したことから、前年度に比べ3.47ポイントの減となっているものの、類似団体の平均値よりも上回っており、適切な料金収入が確保されている。⑥は、修繕費、固定資産除却費等の増により経常費用が増額したことから、前年度と比較し3.79ポイントの増となったが、類似団体平均値に比べ安価に給水ができている運営状況である。⑦は、一日平均配水量が減少したことから、前年度と比較し、若干数値が下がったものの大きな変動はなく、類似団体平均値に比べて数値が高いことから、能率的な稼働ができている。⑧は、計画的な管路更新や速やかな漏水修繕の実施等により、類似団体平均値を上回っている。
老朽化の状況について
①は、平成30年度に策定した「アセットマネジメント計画」等による検討の結果、施設の更新を法定耐用年数に基づき実施すると財政運営への影響が極めて大きくなることから、更新時期を平準化し、更新費用の抑制を図るため、法定耐用年数ではなく、実使用年数に基づき施設更新を行っている。そのため、法定耐用年数に近い資産が増えており、当該数値は年々増加傾向にあるが、類似団体平均値を下回っている。②は、平成25年度に策定した「老朽管更新(耐震化)第2次計画」に基づく基幹管路の耐震化工事をはじめ、各計画に沿った事業を進めているが、上記のとおり、実使用年数に基づき管路更新を行っているため、前年度と比較し2.65ポイントの増となったものの、類似団体平均値よりも下回っている。③は、前年度と比較し、建設改良費を増額して、管路更新(耐震化)事業を推進することで、0.21ポイントの増となり、類似団体平均値よりも上回っている。
全体総括
将来的な水需要の減少による料金収入の減収や、老朽化に伴う施設更新や災害に備えた整備費用の増額を見据え、今年度からの料金改定を予定していたが、新型コロナウイルス感染症の流行に伴う経済等への影響を踏まえ、改定を見送ったことなどにより、経常収支比率が類似団体の平均値よりも下回ったが、比率は100%を超え効率的な運営が行われており、さらに次年度からの料金改定実施に伴い、経営の改善が見込まれる。一方で、管路の更新延長について、着実に延伸しているが、資材単価や人件費の高騰により、計画進捗への影響が懸念されている状況であるため、現在の社会情勢に応じた計画の見直しを検討していく必要性が生じている。今後も、適正な料金改定を行うことで安定的な収入を堅持し、事業費の財源確保を図りながら、料金の収入率向上や経費削減等にも努めることで健全経営を持続するとともに、更新事業をより一層推し進めることで、安全安心な水を提供する体制を維持していく。