経営の健全性・効率性について
(1)健全性について経常収支比率は前年度より減少したものの100%を超えており、累積欠損金比率についても0%を維持していることから、健全な運営がされていると考えます。今期は料金回収率が前期より減少し、100%を下回っていますが、これは給水収益の減少と減価償却費の増加を主因とした費用合計の増加によるものです。(2)効率性について効率性の指標の一つである施設利用率は、恵庭市にある2つの配水池の稼働率を表すものであり、70%を超える稼働率(日平均給水量/配水池給水能力)で運転されています。施設の設計の際には一年間を通して処理能力が不足しないように稼働率を70%から80%程度としていることを踏まえると現在の稼働率は適正と考えています。
老朽化の状況について
管路経年化率については、現段階では類似団体平均を下回って推移しています。しかし当市は昭和50年代以降急速に市街地が発展したため、指標値にも表れているように次々と管路が更新時期を迎え、今後も経年化率は上昇していくと考えられます。そのため、令和2年3月に改定した「恵庭市水道事業ビジョン・経営戦略」を基本として、耐震性の低い既設管路や重要管路など優先順位をつけて更新を行い、事業費の平準化を図りながら計画的に整備を実施していきます。
全体総括
現状としては、経常収支比率が100%を上回っていることから、現在の経営状況は良好と判断できます。今後の水道事業経営の見通しとしては、新たに誘致した企業の本格稼働などにより給水増が期待される一方、予想される人口減少から大幅な給水収益の増加は困難な状況にあることに加え、管路の耐震化や老朽化対策、災害時の応急給水体制の推進などにより多額の事業費が必要となり、効率的な企業運営が求められる状況であります。令和2年3月に改定した「恵庭市水道事業ビジョン・経営戦略」を随時フォローすることにより、投資・財政状況や経営についての見通しを明らかにし、引き続き収支状況の改善に努め、健全かつ効率的な経営ができるよう努めてまいります。