経営の健全性・効率性について
①経常収支比率については、近年、給水人口の減少や節水機器の普及などに伴い給水収益が減少していること等により前年度より4.11ポイント減少しましたが、類似団体平均値と比較すると高い比率となっています。②累積欠損金比率については、未処分欠損金が発生していないことから、0%を維持しています。③流動比率については、依然として類似団体平均値と比較すると高い数値を維持しているため、短期安全性は高い状況です。④企業債残高対給水収益比率については、老朽管更新工事や高石配水場長寿命化工事に伴う企業債の増加により上昇傾向にありますが、類似団体平均値と比較すると低い水準で推移しています。⑤料金回収率については、令和2年度より予算組みを変更したことに伴う経常費用の大幅減少等により、前年度に引き続き類似団体平均値と比較すると高い比率となっています。⑥給水原価については、老朽管更新工事の進捗による減価償却費の増加等により、前年度に比べ6.73円増加していますが、類似団体平均値と比較すると低い数値となっています。⑦施設利用率については、給水人口の減少により減少傾向にあります。⑧有収率については、老朽管更新工事を進めていることにより増加傾向にあります。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率については、「高石配水場長寿命化計画」に基づき老朽化等の対策を進めているため、前年度比較で1.51ポイント減となり、減少傾向にあります。②管路経年化率については、経済の高度成長期に建設した水道管の老朽化が進み、類似団体平均値との比較においても老朽化が進んでいることが伺えます。老朽管更新計画に基づき平成26年度より工事を進めておりますが、短期スパンでは微増傾向にあります。③管路更新率については、老朽管更新事業を60年周期で計画的に実施しているため、類似団体平均値と比較すると高い水準を維持しています。
全体総括
令和3年度におきましても引き続き黒字を計上しており、安定した経営を維持していますが、今後、給水人口減少による料金収益の減少や、「老朽管更新計画」や「高石配水場長寿命化計画」に基づく施設の老朽化対策や耐震化に向けた改築・更新などによる多額の費用発生が見込まれます。また、「経営戦略」では令和10年度までは健全な経営が維持できることが見込まれておりますが、その先の10年については経営状況は厳しくなる見込みであるため、令和6年4月からの大阪広域水道企業団との事業統合の検討を進めております。安全安心な水を安定的に給水できるような体制づくりをめざし、広域化のメリットを享受して経営基盤及び技術基盤の強化に引き続き努めて参ります。