経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は、令和2年度に比べ2.41ポイント減少したものの100%以上であり、類似団体平均値を上回っている。②累積欠損金比率は、0%である。③流動比率は、100%以上であるが、類似団体平均値を下回っている。④企業債残高対給水収益比率は、類似団体平均値を下回っている。⑤料金回収率は、令和2年度に比べ2.50ポイント減少したものの100%以上であることから、給水に係る費用は給水収益で賄われている。⑥給水原価は、類似団体を上回っている。⑦施設利用率は、使用水量の減少に伴い年々低下し、類似団体平均値を下回っている。⑧有収率は、類似団体平均値を上回っている。以上の結果から、①②より単年度収支は黒字を維持しており、累積欠損金も発生していない。また、③より短期的な債務に対する支払能力があり、④より企業債残高が低いことから経営の健全性は保たれていると考える。さらに、⑦より施設の利用状況は良いとは言えないが、⑤⑧より供給した配水が効率良く収益につながっている。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は、類似団体平均値を上回っている。②管路経年化率は、類似団体平均値を上回っている。③管路更新率は、類似団体平均値より低い傾向にある。以上の結果から資産の更新を上回るペースで管路等の資産の老朽化が進んでいる。今後も計画的に更新工事を進めていく必要がある。
全体総括
令和3年度において概ね健全な経営ができているが、給水収益が減少傾向にあるため、今後の経営は厳しくなると予測される。安全な水道水の供給を安定的に継続していくために、これまで経費削減に取り組んできたが、必要な施設の維持管理費や更新費用を削減することは難しい。そのため、更新投資に必要な財源の確保を行いつつ、維持管理方法の工夫やダウンサイジング等を考慮した水道施設全体の中長期的な更新計画に基づき、計画的な更新を継続して実施していく。