経営の健全性・効率性について
『累積欠損金比率』は0%、『経常収支比率』『料金回収率』が100%以上であることから給水に必要な費用を給水収益で賄えている状況です。企業債の新規発行抑制による支払利息の軽減など、経営の効率化に努めており『給水原価』は全国平均、類似団体平均値を下回っています。『企業債残高対給水収益比率』は年々減少しており、類似団体平均値を下回っていることから、企業債残高は健全な水準と言えます。『流動比率』は類似団体平均値を上回り、また100%を超えていることから翌年度の企業債償還金などの短期債務に対する支払能力は十分に確保されています。耐震性能の低い石綿セメント管の更新を優先的に実施していることから、近年改善傾向にある『有収率』は全国平均と同水準であり、類似団体平均値を上回りました。人口減少等の影響で配水量は年々減少傾向にあり、『施設利用率』は50%以下と全国平均、類似団体平均値を下回っており、水需要に対し浄水場施設の規模が過大な状況にあります。
老朽化の状況について
『有形固定資産減価償却率』は年々増加しており、浄水場や配水管などの施設・設備の老朽化が進んでいることが分かります。特に、浄水場施設は建設から40年から50年以上経過しており耐震性能にも懸念がある状態で、早期に将来の水需要に見合った適切な施設規模で更新する必要があります。『管路経年化率』は全国平均、類似団体平均値を上回り、『管路更新率』は全国平均、類似団体平均値を上回るものの、本市は水道の拡張期に布設した管路が多くあるため、今後も多くの管路が更新時期を迎えることから、更新財源を踏まえた計画的な更新が必要です。※『管路経年化率』について数値に誤りがあり、正しくはH26:12.59%になります。
全体総括
浄水場施設については老朽化が進むとともに、水需要に対し施設能力が過剰な状況となりつつあります。既存施設の現状・課題を踏まえ、将来の水需要に見合った適切な施設規模で更新する必要があり、共通課題を抱える弥彦村との間で、水道事業の経営基盤強化を図ることを目的とし平成31年4月から水道事業の経営に関する事務を統合し、両市村で組織する燕・弥彦総合事務組合で行うとともに、両市村の間で策定した「燕市・弥彦村水道事業広域化基本計画」に基づき、既存4浄水場を廃止し共同で統合浄水場を建設する浄水場施設再構築事業と老朽管路更新を令和8年度まで集中的に行う予定です。また、経営面では総じて良好な状況を維持できていますが、大規模な更新事業に取り組んでいくことから、統合浄水場にかかる事業費がおおむね確定する令和元年度から令和2年度にかけて財政計画の検証に取り組みます。