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基準財政需要額(分母)は国調人口の減により減少した。基準財政収入額(分子)ではたばこ税は減少したが、地方消費税交付金が多く算定されてしまったことにより微増となっている。増減額が同規模であったため、財政力指数は前年度から変わっていない。類似団体平均を大きく上回っている現状ではあるが、歳入面では少子高齢化による個人市民税の減収、歳出面では社会保障関係経費の増加が予想されることから、市税等の徴収強化等による行財政改革の取り組みを行い、財政基盤の強化を図る。
歳入経常一財の大幅減と歳出経常一財の大幅増が重なり、経常収支比率は5ポイント悪化し、類似団体内で最下位となっている。歳入では、地方消費税交付金・たばこ税・臨時財政対策債が大きく減少し、歳出では、退職手当債が発行できなくなったことにより人件費に係る一般財源が増加した。財政構造の弾力性がないため、基金取崩し等の臨時的収入に頼って財政運営を行っており、また経常収支比率が高い要因が人件費と扶助費にあることから、早急な改善が難しい状況にある。持続可能な財政運営を実現するためには、経常・臨時の区別なく歳出改善を行いつつも、税源涵養施策の積極的な展開や税外収入確保等の歳入増加策を図る行財政運営を推進していく必要がある。
人件費は、職員の若返り及び退職手当の減により総額としては減額となった。しかし、人件費に係る一般財源充当は増加している状況である。物件費は、プレミアム商品券の減等の臨時的経費が減額となったことにより減少している。本項目における順位は決して悪くはないが、経常収支比率に占める人件費の割合は類似団体内で最下位であり、歳出総額の減や歳入改善を図る必要がある。
人事院勧告による国家公務員の給与制度の見直しに準じた職員給与の改正を実施しており、国基準とほとんど変わらない指数となっている。今後も給与の適正化に努めていく。
職員数が最も多かった平成11年の715人から、平成28年4月1日には職員数を595人とし、120人の削減となっている。今後、統廃合を含めた就学前施設の在り方について検討を行うとともに、ごみ収集業務の民間委託化などの検討を行い、集中改革プランの数値目標であった599人を上限とする中で、職員の年齢構成にも配慮しながら職員数の適正管理を行っていく。
他市と比べ、下水道事業の経営が健全であり、交付税算入を加味した場合の公営企業繰出金が少ないため、実質公債費比率が低くなっているのが、本市の大きな特徴である。今後、退職手当債及び平成24年度からの大型公共事業に伴う地方債の元金償還が本格化するため、実質公債費比率が悪化していくと考えられる。健全な数値を維持していくために、退職手当債の繰上償還や、資金手当地方債の抑制による残高抑制を図り、ストックの改善を図ることで、将来の実質公債費比率の悪化を抑えていく必要がある。
退職手当債の発行及び平成24年度から続く大型公共事業実施による地方債残高の増加及び基金取崩しにより、将来負担が発生している状況である。増加傾向にある中でも、平成28年度は退職手当債の繰上償還を行うことで、将来負担比率の悪化は最小限に抑えている。今後、庁舎整備事業を予定していることから、さらなる地方債残高の増加及び基金取崩しが見込まれ、持続可能な財政運営を実現するためには、引き続き退職手当債の繰上償還や、資金手当地方債の抑制による残高抑制を図り、将来負担比率の悪化を最小限にとどめていく必要がある。
退職手当債が発行できなくなったことにより、人件費に係る一般財源が大きく増加することとなり、人件費割合は類似団体内で最下位の数値となっている。大量退職と、若年職員の採用により人件費の総額は年々改善されつつあるが、今後、退職人数が減少していくことから、若返り効果もなくなり、退職手当以外の人件費は増嵩傾向が見込まれる。
物件費は総額が減となっているが、プレミアム商品券等の臨時経費が要因であり、経常一般財源にはほとんど増減がない状況である。今後も、行財政改革の実施により事務事業の廃止、縮小、統廃合や行政事務の効率化を図る。
障害者福祉単独施策の増及び民間認定こども園の増による運営費扶助費増が要因となり、数値が悪化している。生活保護率も平成28年度で23.25‰と高く、扶助費の割合は年々増加しており、義務的経費の増加を抑制することが喫緊の課題となっている。
高齢化の進展等により国保、介護及び後期高齢者医療特別会計への繰出金が増加傾向にあるため、その割合が高まりつつある。下水道事業が法適用であり、当該事業への繰出金は補助費等での算定となるため、類似団体平均と比べて低い水準となっている。
水道事業会計への補助が増加したため、数値は悪化している。今後も、市の助成対象事業が公共性・公益性を有しているかなど、市が定めた基準に基づき、適正に執行されているか検討を行い、改善を図る。
退職手当債及び平成24年度からの大型公共事業に伴う地方債の元金償還が本格化しているため、公債費が悪化している。今後も公債費は増加傾向にあり、退職手当債の繰上償還や、資金手当地方債の抑制による残高抑制を図り、ストックの質の改善を図る必要がある。
人件費及び扶助費が主因となって類似団体平均と比べて数値が高くなっている。今後、生産年齢人口の減少に伴う税等の経常一般財源の減少が予想され、少子高齢化の進展に伴う社会保障関係経費等の増加も必至となる中、事務事業の見直しや統廃合を含めた施設の有効活用等による歳出の抑制、財政構造の弾力化の推進を図らなければいけない。
将来負担比率は類似団体平均と比較して低い水準であり、主な要因は本市の下水道事業が健全であり公営企業負担金が少ないことや大量退職に伴う職員の若返りによる退職手当負担見込額の減少が考えられる。実質公債費比率については地方交付税に算入される有利な地方債を活用し、財政構造の弾力化に向けた取組を積極的に行ってきた結果、低い水準となっている。しかし、大量退職時に発行した退職手当債の元金償還が順次始まり、実質公債費比率は上昇傾向となっており、さらに今後、老朽化した庁舎や公共施設の更新経費の増加に伴う地方債の発行により将来負担比率、実質公債費比率はともに上昇傾向が予想されるため、基金積立等による財政基盤強化や有利な地方債を活用しながら計画的な発行を行い、将来負担額等の抑制を図る。
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