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財政健全化等財源超過首都近畿中部過疎山振低開発指数表選定
基準財政収入額の算定に用いる市町村民税のうち個人・法人市民税は、増加したものの固定資産税、地方消費税交付金及び健康志向の高まりから市町村たばこ税が平成27年度と比較して減少したことにより基準財政収入額は減少した。また、消防費、社会福祉費、高齢者福祉費及び公債費は増加傾向にあり、道路橋りょう費、下水道費、地域振興費等は減少したものの基準財需要額は若干増加した。この結果、平成28年度算定では、基準財政収入額は減少し、基準財政需要額は増加したため、単年度の財政力指数は前年度を下回り、3ヶ年の平均(平成26~平成28)である財政力指数も前年度(平成25~平成27)より下回った。なお、全国平均、石川県平均及び類似団体平均は上回った。今後も行政の効率化に努めるとともに、企業誘致、移住・定住及び人口減少・少子化対策を推進し、自主財源の確保に努める。
歳入においては、市税は増加したものの、地方消費税交付金、地方譲与税・交付金の減少により、前年を下回り、合併算定替え特例の終了により地方交付税及び臨時財政対策債も減少したことから経常一般財源等総額(分母)が前年度より減少した。歳出においては、人件費、物件費、扶助費及び補助費等の充当分が増加したものの、合併特例債の一部償還終了により公債費充当分が、約3億円減少したことにより、経常経費充当一般財源(分子)も前年度より減少した。その結果、経常一般財源等総額(分母)の減少幅が大きかったことから前年度より弾力性が悪化した。類似団体平均、全国、県内平均よりも高い比率となっており、業務の効率化及び事業の選択と集中等により財政構造の改善を図っていく必要がある。
人件費が、前年度を下回り、物件費・維持補修費は、前年度を若干上回る決算額であったことから、人口1人当たり人件費・物件費等決算額は前年度より下回った。しかし、今後公共施設の老朽化により維持補修費の増加が見込まれる。このことから平成27年10月に施設の長寿命化や統廃合を図るなど、維持補修コストの平準化を図る必要があることから、保有する公共施設等の総合的かつ計画的な管理を目的として公共施設等総合管理計画を策定した。また、平成28年3月には、建設計画等促進基金を改修及び修繕にも活用できるよう能美市基金条例の一部改正を行った。
平成17年の合併時から緩やかに上昇しており、国の給与減額措置により大きく上昇したものの、まだ全国市町村平均よりかなり低い水準にある。今後も職員手当等の抑制は継続しつつ、住民の理解が得られる範囲で適正なラスパイレス指数を目指す。
定員適正化計画に基づく新規採用の抑制及び早期退職者により、定員適正化の目標値は達成していた。しかし、平成29年3月31日をもって能美広域事務組合が解散し、消防、美化の職員が100名余を能美市として受け入れた結果、類似団体平均、全国平均、石川県平均より大幅に増加した。これからも、業務量に対する適正な定員数を見極め、無理な削減が行政サービスの低下を招かないよう、退職と採用のバランス調整に努めていく。
実質公債費比率の分母を構成する標準財政規模は、標準税収入額等は若干増加したものの交付税算入額が減少したことから減額となった。また、公営企業元利償還一般財源が増加したもの交付税算入額の減少から分子を構成する普通会計実質公債費の減少が大きく、分子も減少した。この結果、単年度での実質公債費比率を比較すると前年度より減少するとともに、3カ年平均でも減少となった。類似団体平均及び石川県平均を若干上回っている。引き続き公営企業会計の公債費の状況にも留意し、交付税措置率の高い有利な起債を活用することにより、実質公債費比率の改善に努める。
将来負担比率の分子を構成する「将来負担額」においては、地方債の現在高が増加したことで増加した。また、「充当可能財源等」においては、基準財政需要額算入見込額に算入される地方債は増加したが、充当可能基金が減少したことにより、分子総額は増加した。分母を構成する標準財政規模及び算入公債費等の額が減少し分母は減少した。その結果分子総額の増加の影響が大きく、将来負担比率はやや増加した。しかし、類似団体平均、全国平均、石川県平均を大きく下回っている。今後も事業の「選択と集中」を徹底し、行財政改革を推進することで財政の健全化を維持する。
平成28年度においては、人事院勧告に伴う給与改定により、人件費が増加したものの、定員適正化計画等により職員数の削減に努めてきた結果、類似団体平均、全国平均、石川県平均を大きく下回っている。今後は適正な定員・人員配置で行政サービスが行われるよう注視する必要がある。
扶助費に係る経常収支比率が類似団体平均を上回り、かつ上昇傾向にある要因として、18歳までの医療費を無料化するなどの市独自の福祉施策や、障害者福祉の充実に伴う支出の増加によるものである。住民福祉の向上に努めることは必要ではあるが、財政運営に過度な負担とならないよう、注視していく必要がある。
その他に係る経常収支比率が類似団体平均、全国平均及び石川県平均を大きく下回っているが、今後は、公共施設の老朽化により維持補修費の増加が見込まれことから施設の統廃合に合わせて長寿命化を図るなど、維持補修コストの平準化及び削減を図る必要がある。
補助費等その他に係る経常収支比率が類似団体平均、全国平均、石川県平均を上回っているのは、公共下水道事業会計や病院事業会計などへの繰出金が依然として大きく、さらに一部事務組合への負担金も増加しているためである。今後は、市の出資する法人等各種の団体への補助金について、必要性の低い補助金は見直しや廃止を行い、補助金の整理縮減に努めたい。
一般会計等に係る公債費の経常収支比率は、低下傾向にあるものの、未だに類似団体平均を上回っている。今後は、平成25年度から平成28年度までに発行した合併特例債などの元利償還金の増加が見込まれている。さらに、合併直前に整備した既存公共施設の大規模修繕、大型の新規整備事業が予定されることから、事業の優先順位を付けるとともに、計画的な地方債発行に努める必要がある。
人件費、物件費、扶助費及び補助費がいずれも増大していることから、公債費以外の経常収支比率は悪化傾向にある。今後は、事業の見直しを進め、財政を圧迫する上昇傾向に歯止めをかけるよう努める。
将来負担比率及び実質公債費比率の分母となる標準財政規模については、交付税算入額は減少したものの地方消費税交付金の増額等による標準税収入額等の増加により増額となった。しかし、充当可能基金の積立や普通交付税措置のある有利な起債の発行に努めたものの、分子を構成し将来負担額に影響を及ぼす地方債現在高や実質公債費比率の増加要因である普通会計実質公債費及び公営企業元利償還一般財源額の増加により、それぞれの単年度での比率は増加した。このことから、今後も引き続き事業の「選択」と「集中」を徹底し、公営企業会計の公債費発行状況に注視しながら、各比率の改善に努める。
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