西ノ島町
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西ノ島町
地方公営企業の一覧
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2015年度
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2013年度
2012年度
2011年度
2010年度
指定団体等の指定状況
財政健全化等財源超過首都近畿中部過疎山振低開発指数表選定
人口の推移
産業構造
財政比較分析表(2023年度)
財政力
財政力指数の分析欄
本土から約65㎞離れた離島にある本町は、漁業、畜産、観光等が基幹産業だが、地理的要件等から大きな企業がなく、また、人口の減少や、少子高齢化の進展により、自主財源が乏しく財政基盤が弱い。そのため、財政力指数は、類似団体平均値を下回り0.10となっています。漁業や畜産をはじめとした産業振興に対する支援制度の拡充や、航路運賃の助成・イベント等による交流の促進、子育て環境の充実等により、人口増加・地域活性化を図り、自主財源の確保に取り組んでいます。自主財源が乏しい財政構造が大きく変わることは見込めないことから、歳出の削減に努め、財政の健全化を図っています。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
歳入では、前年度と比較し地方税等は増加しましたが普通交付税、臨時財政対策債の減少が大きく全体では減少しました。歳出では、公債費は減少したが、補助費等(隠岐町村会の隠岐汽船連絡バス)が皆増となり、各施設の管理費や路線バス運行委託料など物件費が増加したため増加となりました。歳入が減少した一方、歳出が増加がしたため、比率は前年度から2.0ポイント悪化しました。類似団体平均値を6.4ポイント上回っており、大型事業の元金償還が終わる令和14年度まで数値が高いままであることが見込まれているため、繰上償還などにより引き続き改善に向け取り組みます。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
離島という地理的条件から、社会福祉施設・環境衛生施設等の広域的な取り組みが難しく管理運営にかかるコストが高くなります。人手不足や物価高の影響もあり令和5年度は人件費、物件費、維持補修費がいずれも増加し、給与改定による人件費、委託料が伸びたことなどにより物件費が大きく増加しました。また、人口も58人減少したことにより、人口1人当たり人件費・物件費決算額は増加しました。類似団体平均値を47,153円上回っており、引き続き改善を行っていく必要があると言えます。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
平成24年度に国家公務員が給与削減措置を行っていた際は、指数が100を超えていましたが、その措置が終了したことにより数値は100を下回る状況が続いています。引き続き職員給与の適正化に努めてまいります。
定員管理の状況
人口1,000人当たり職員数の分析欄
前年度と比較し0.63人増加となり、類似団体の平均値と比較し1.72人多い数値となりました。離島である本町の特性から、診療所や保育所をはじめ幅広い公共サービスを行政が行う必要があります。今後も指定管理者制度等の活用により定員管理の適正化を図ります。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
類似団体と比較し依然として高い水準にあります。単年ベースで比率が令和2年度分より令和5年度分が悪化したため3年平均での比率は前年度比0.5ポイント悪化しました。以前より学校建設事業やごみ処理施設等の元金償還により悪化することを見込んでいたため、繰上償還による比率抑制の対応を行っていいます。交付税算入の有利な地方債の活用、適切な事業執行に引き続き努めてまいります。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
近年の大型事業の実施に伴い地方債残高が急激に上昇しており平成29年度まで悪化し続けていたため、令和元年度に過疎債の繰上償還を行い一時的に改善しました。令和2年度には庁舎建設事業の地方債借入を行ったため20.0ポイント悪化しましたが、令和3年度、令和4年度は特筆すべき大型事業がないため減少していました。さらに令和5年度に辺地債の繰上償還を行ったため11.3ポイントと大きく数値が改善しました。類似団体内順位でも非常に高い水準となっているため、繰上償還などにより引き続き改善に向け取り組みます。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2023年度)
人件費
人件費の分析欄
退職よりも採用の方が多かったことにより職員数が増となったため、令和4年度と比較し、比率は0.8ポイント増加しました。行財政改革により施設等の外部委託(ごみ処理施設・し尿処理施設等)を進めたことによる職員数の減、また、職員構成の若返りにより、依然として人件費は抑制されており、類似団体平均値を大きく下回っております。
物件費
物件費の分析欄
物件費は概ね類似団体平均値と近い値で推移しており前年度比で1.5ポイント増となりました。分子となる物件費の額は増加し、分母では普通交付税、臨時財政対策債のいずれも減少したため比率は悪化しています。今後も引き続き歳出削減に努めてまいります。
扶助費
扶助費の分析欄
自立支援給付や生活保護費が微増となり、前年度から0.1ポイント増となりました。扶助費は、義務的経費であるため歳出の抑制は難しいですが、対象世帯への健康指導等により扶助の軽減を図り、適切な支給に取組みます。
その他
その他の分析欄
類似団体平均値を下回っているものの、簡易水道及び下水道の管路更新等に伴う繰出金が今後増加することが予想されるため、維持管理費の低減や下水道への加入を促進し、繰出金の抑制に努めてまいります。
補助費等
補助費等の分析欄
離島航路・消防・病院業務等を行う一部事務組合への負担金の割合が多く、当該業務は、離島である本町において、行政が行わざるを得ない公共サービスであり、類似団体平均値を上回る要因となっています。平成28年度から、単独事業として開始した離島航路運賃低廉化事業等により大きく伸び、平成29年度からは特定有人国境離島地域社会維持推進交付金関連事業により上記に加え、輸送コスト支援、雇用拡充、滞在型観光促進などが追加されています。令和5年度からは民間バス事業者が撤退したため隠岐町村会が委託事業敏て隠岐汽船連絡路線バス事業を開始し、その負担金が増加しました。補助費等の額が増加し、普通交付税、臨時財政対策債のいずれも減少したため比率は悪化しています。
公債費
公債費の分析欄
繰上償還等により公債費の改善に取組んでいますが、依然として類似団体平均値を上回っています。令和元年度に過疎債の繰上償還を行ったことにより2.0ポイント減少しましたが、学校建設事業やごみ処理施設整備事業といった大型事業の元金償還により公債費が増加しているため、繰上償還や計画的な事業実施、交付税算入に有利な地方債の活用に努めてまいります。令和5年度は辺地債の繰上償還を行ったためその効果が令和6年度以降に表れると考えています。
公債費以外
公債費以外の分析欄
公債費以外は類似団体平均値を大きく下回る数値となっていますが、大型建設事業の完了に伴う公債費の高止まりが見込まれます。公債費以外についても、物件費等をはじめ、更なる歳出削減に努めてまいります。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)
議会費
労働費
消防費
諸支出金
総務費
農林水産業費
教育費
前年度繰上充用金
民生費
商工費
災害復旧費
衛生費
土木費
公債費
目的別歳出の分析欄
議会費、農林水産業費、商工費、土木費、消防費、教育費は、概ね類似団平均値と近い値か下回った数値で推移しています。類似団体平均値と比較し特に高いものは、総務費、民生費、衛生費、災害復旧費、公債費となっています。総務費では、地域おこし協力隊費(島留学生)が増となったことによります。民生費では、物価高騰対応重点支援地方創生臨時給付金や養護老人ホームの改修事業、地域福祉計画・総合福祉施設体制整備基本構想の策定により増となっています。衛生費では、ごみ処理施設、し尿処理施設の維持管理費が増となったことによります。災害復旧費は令和3年8月豪雨災害の復旧事業を引き続き行っているため高い状況が続いています。公債費については、普通建設事業実施にあたり起債を活用しているため、類似団体に比べ高い水準となっています。特に令和元年度は過疎債、令和5年度は辺地債の繰上償還を行ったため急激に増加し、令和3年度以降はごみ処理施設や家畜市場など大型事業の元金償還開始により大きく増加しています。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)
人件費
補助費等
災害復旧事業費
投資及び出資金
物件費
普通建設事業費
失業対策事業費
貸付金
維持補修費
普通建設事業費(うち新規整備)
公債費
繰出金
普通建設事業費(うち更新整備)
積立金
前年度繰上充用金
性質別歳出の分析欄
人件費については、職員の退職よりも採用が多かったこと、給与改定による影響が大きかったことにより増加しています。物件費については、路線バス運行業務情報通信施設維持管理、テレワークオフィス管理の増加や地域おこし協力隊(島留学生)の受入などにより、類似団体平均値と比較して127%と高い状況となっています。維持補修費については、平成30年度に新ごみ処理施設が稼働開始したため、旧施設にかかっていた維持補修費が減少したことなどにより類似団体平均値と比較し55.4%と低い数値となっていますが、徐々に増加してきています。補助費等については、離島航路・消防・病院業務等を行う一部事務組合への負担金の割合が多く、当該業務は、離島である本町において、行政が行わざるを得ない公共サービスであり、類似団体平均値を上回る値で推移しています。また平成29年度から特定有人国境離島地域社会維持推進交付金関係事業が増加したため大きく伸びています。令和4年度と比較し減少しておりますが、令和4年度は新型コロナウイルスワクチン接種事業の負担金補助金の返還金が多かったことによるものです。普通建設事業は、令和2年度には庁舎建設や新型コロナウイルス感染症対応に係る各施設の更新等があり大きく増加しました。大型事業の完了により令和3年度以降は大きく減少しております。公債費については、令和元年度に過疎債、令和5年度に辺地債の繰上償還を行ったため非常に大きい数値となっており、令和3年度以降はごみ処理施設や家畜市場など大型事業の元金償還開始により大きく増加し、類似団体平均値を大きく上回る値で推移しています。繰出金については、下水道事業会計繰出金が大きく伸びており類似団体平均とほぼ同じ数値となっています。
実質収支比率等に係る経年分析(2023年度)
分析欄
歳出面では行財政改革で徹底した歳出抑制を行ったこと、歳入面では地方交付税が比較的堅調に推移していることや徴収強化による地方税の確保や財政措置の有利な交付金等の活用により収支の改善が図られています。実質単年度収支の比率が令和元年度、令和5年度が非常に良い数値となっているのは、繰上償還の財源として減債基金をそれぞれ5億円、4億24百万円取り崩していますが、マイナス要因である減債基金の取崩が反映されないためです。今後も、引き続き計画的な財政運営に取り組んでまいりますが、大型事業の元金償還による公債費の増加に伴い、令和6年度以降は財政調整基金の取崩しを予定しているため、実質単年度収支はマイナスとなることが予想されます。
連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2023年度)
分析欄
平成22年度からは一般会計、特別会計ともに赤字はなく、収支は均衡した状態にあります。全会計とも黒字を確保し、健全な財政運営を行っています。今後は大型施設の元金償還が始まることにより公債費の増加が見込まれるため、繰上償還や交付税算入上有利な地方債の活用、計画的な事業実施を行うとともに更なる歳出削減に努めてまいります。
実質公債費比率(分子)の構造(2023年度)
分析欄
実質公債費比率は、前年度に比べ分子が-9百万円減少し、分母は7百万円増加しました。前年度と比較し令和5年度単年ベースの比率は約0.4ポイント改善しましたが、3年間平均では単年ベースで比率の良かった令和2年度の数値を使用しなくなったため11.9%から12.4%に悪化しています。分子が減少した要因は、辺地債で大型事業の一つであった平成23年度繰越の情報通信利用環境整備推進事業の償還が終わり-92百万円元利償還金が減少したためです。大型事業の元金償還が続き公債費が増加しているため、繰上償還や有利な地方債の活用、事業費の圧縮等に努めてまいります。
分析欄:減債基金
減債基金残高のうち満期一括償還地方債の財源として積み立てたものがないため、該当なしとなっています。
将来負担比率(分子)の構造(2023年度)
分析欄
将来負担比率は、学校建設事業やごみ処理施設整備事業、庁舎建設事業といった大型事業を行ったことにより年々悪化していましたが、令和5年度は59.0%となり、令和4年度の70.3%と比較し大きく改善しました。令和5年度は、過疎債、辺地債等の定期償還や辺地債、臨時財政対策債の繰上償還により地方債の現在高が大きく減少したため、令和4年度と比較して分子は2億32百万円減少しました。今後、庁舎建設事業と同程度の規模となる大型事業を単年度で行う予定はありませんが、複数年度に渡って行う事業があるため将来負担額は徐々に増加していくものと考えられます。繰上償還や有利な地方債の活用、事業費の圧縮に努めてまいります。
基金残高に係る経年分析(2023年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)財政調整基金は27百万円の増、減債基金は-3億17百万円の減となっています。特定目的基金は定住支援体制整備推進基金が1百万円の増となりましたが、ふるさと西ノ島基金わがとこ-36百万円、家畜市場整備基金-6百万円、ジオパーク拠点施設整備基金-1百万円、隠岐島前病院整備基金-1百万円の減などにより、全体では-44百万円の減となっています。(今後の方針)近年の大型事業に係る元金償還開始に伴って公債費が増加しているため、毎年度繰上償還を行う予定としており減債基金の取り崩しを予定しています。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)令和5年度は取崩しはなく、令和4年度繰越額の1/10以上及び利子分の合計27百万円を積立てています。(今後の方針)近年の大型事業に係る元金償還開始に伴って公債費が増加しているため、備えとして可能な限り積立てを行いますが、取崩しによって基金残高は減少していくと見込んでいます。
減債基金
減債基金
(増減理由)令和5年度は繰上償還の財源として4億24百万円を取崩し、令和4年度繰越額の1/2以上から財政調整基金積立分を除いたもの及び利子分の合計1億7百万円を積立てています。差引し3億17百万円の減となっています。(今後の方針)近年の大型事業に係る元金償還開始に伴って公債費が増加しているため、毎年度繰上償還を行う予定としており減債基金の取り崩しを予定しています。
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)ふるさと西ノ島基金わがとこは、ふるさと納税を原資に積立て、寄付者の指定した使途にあわせ取崩しを行っています。家畜市場整備基金は、JAからの負担金を原資として積立て、該当事業の元利償還にあわせ取崩しを行っています。ジオパーク拠点施設整備基金、隠岐島前病院整備基金、定住支援体制整備推進基金は県補助を原資に積立てを行い、該当事業の元利償還にあわせ取崩しを行っています。(増減理由)全体では、-44百万円の減となっています。内訳は次のとおりです。ふるさと西ノ島基金わがとこは、-87百万円を取崩し、51百万円を積立て、差引-36百万円の減。家畜市場整備基金は、元利償還にあわせ-7百万円取崩し。ジオパーク拠点施設整備基金は、元利償還にあわせ-1百万円取崩し。隠岐島前病院整備基金は、元利償還にあわせ-1百万円取崩し。定住支援体制整備推進基金は、令和5年度に県補助交付のため1百万円積立し皆増。(今後の方針)ふるさと西ノ島基金わがとこは、寄付額に応じ積立て、取崩しを行う予定としています。家畜市場整備基金、ジオパーク拠点施設整備基金、隠岐島前病院整備基金、定住支援体制整備推進基金は元利償還にあわせ全額を取崩す予定としています。
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2022年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
令和4年度決算では、類似団体内平均値より1.4%低い状況となっています。道路や建物などの施設別の数値については、施設類型別ストック情報分析表で見ていきますが、平成28年度までは他団体と比較し固定資産の老朽化がやや進んだ状態にあったものが、近年積極的に施設整備・更新を行ったことにより有形固定資産減価償却率は改善しました。一方で今後単年度10億円を超える大規模な施設整備など予定していないため減価償却率は徐々に悪化していくと考えられます。財政状況を見ながら住民のニーズに応じて必要な施設整備・更新を行っていきます。
(参考)債務償還比率
債務償還比率の分析欄
令和4年度決算では、類似団体平均と比べ債務償還比率が399.7%多く、非常に高い数値となっています。財政基盤の弱い西ノ島町では、施設整備を行う際にその財源を地方債に頼る必要があるため、施設整備を多く行った年度の後は高くなると言えます。令和4年度は施設整備に伴う地方債借入よりも、これまで行った施設整備の地方債償還が多く地方債残高が減少しましたが、経常経費一般財源が増えたことなどにより3.9%悪化しました。令和5年度に多額の繰上償還を行うため大きく改善し、その後は徐々に改善していくものと考えられます。
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
他団体と比較し有形固定資産減価償却率は低く、将来負担比率は皆増となっています。平成29年度まで積極的に施設整備・更新を行ったことにより、有形固定資産減価償却率は改善しましたが、それに伴う地方債の借入を行ったため将来負担比率は増加していました。令和3年度決算と令和4年度決算を比較すると、大規模な施設整備を行っていないため有形固定資産減価償却率は悪化しましたが、地方債残高が減少したことなどにより将来負担比率は改善しました。今後、庁舎、学校、ごみ処理施設と同規模となる大型建設事業は予定されていないため、将来負担比率は改善していくものと考えられます。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
将来負担比率、実質公債費比率ともに類似団体と比較して高い水準にあります。将来負担比率は、令和2年度の新庁舎竣工に伴う地方債借入が多くなったため大きく悪化していましたが、地方債残高の減少、減債基金積立金の増により改善しました。実質公債費比率は令和3年度と比較して0.8%改善しましたが、依然として高い水準となっているため、引き続き悪化を抑制するために積極的な繰上償還を行います。
施設類型別ストック情報分析表①(2022年度)
道路
橋りょう・トンネル
公営住宅
港湾・漁港
認定こども園・幼稚園・保育所
学校施設
児童館
公民館
施設情報の分析欄
離島という特性上、道路、橋りょう・トンネルの一人あたり有形固定資産(延長)が低く減価償却率も低い状況となっていますが、一方で港湾・漁港は一人あたり資産が非常に多い状況と言えます。港湾・漁港の減価償却率が非常に高い状況であったので令和2年度から更新整備を行いました。また、令和4年度から新規護岸の整備工事を行っています。公営住宅については、民間の賃貸住宅が少ない事情もあり人口に比べ一人当たり面積が多く、また老朽化が進んでいるため毎年度改善事業を行っており、平成29年度からは減価償却率が改善されています。保育所については、平成27年度からの改修・増築工事が完了したため減価償却率、一人当たり面積が大きく改善されその後悪化しています。また、学校については平成27年度に新校舎が完成したため、類似団体平均と比較し減価償却率が大きく下回っています。児童館については、減価償却率が非常に高かったため、令和元年度から改修を行い、減価償却率が下がっています。公民館も同様に減価償却率が高かったため平成30年度に改修を行いましたが、その後は特に行っていないため悪化しています。
施設類型別ストック情報分析表②(2022年度)
図書館
体育館・プール
福祉施設
市民会館
一般廃棄物処理施設
保健センター・保健所
消防施設
庁舎
施設情報の分析欄
図書館は、平成29年度に新設図書館が竣工したことにより、減価償却率は非常に低い数値となっています。一般廃棄物処理施設も、平成29年度に新焼却施設が完成したことにより、減価償却率が非常に低くなっています。福祉施設については、他団体と比較し高齢化率が従前より高いこともあり、一人当たり面積も多く充実していると言えます。庁舎については、令和2年度に新庁舎が竣工したことにより、減価償却率は非常に低い数値となり、一人当たり面積が改善しています。
財務書類に関する情報①(2021年度)
資産合計
負債合計
1.資産・負債の状況
一般会計等では資産合計が212億59百万円で前年度から57百万円の増額となっています。増額となった要因は流動資産が4億47百万円の増となったためで特に減債基金が4億52百万円と大きく増えています。一方で、固定資産は△3億89百万円の減額となっています。庁舎、学校、ごみ処理施設などの大型建設事業が令和2年度までに完了し令和3年度は大型建設事業を行っていないため減価償却が資産の増加を上回り事業用資産は△1億35百万円、インフラ資産は△85百万円の減額となっています。また、投資その他の資産の基金で令和3年度に新庁舎移転時の備品整備を行ったため庁舎建設基金を全額取り崩し△1億81百万円の減額となっています。負債では、負債額が△5億71百万円の減額となっています。固定負債は地方債で前述の大型建設事業の地方債償還を行っているため、その他事業の地方債借入額を上回り△6億28百万円の減額となりました。流動負債は単年度の地方債償還額が増えているため1年以内償還予定地方債の増を主要因に57百万円の増額となっています。全体会計では資産合計が245億29百万円で前年度から57百万円の増額となっています。
純経常行政コスト
純行政コスト
2.行政コストの状況
一般会計等では経常費用44億63百万円に対し経常収益3億4百万円で純経常行政コストは41億59百万円(前年度から3億41百万円の増)となっています。前年度と比較し、経常費用は3億4百万円(業務費用2億34百万円、移転費用70百万円)となり、経常収益は△37百万円の減額となっています。業務費用については、物件費等が2億46百万円と大きく伸びており、特に物件費で新庁舎関連備品整備などで1億47百万円の増額となりました。移転費用については、補助金等で住民税非課世帯、子育て世帯への給付金、わがとこ応援商品券・飲食券の発行額を増やしたことなどにより85百万円の増となりました。経常収益は、使用料及び手数料が1百万円の増額、その他は隠岐広域連合負担金の精算還付金の減少により△38百万円の減額となっています。新設した施設の備品整備などで一時的に経常費用が大きく伸びているとも考えられますが、引き続き行政コストの削減を行っていく必要があると言えます。全体会計では経常費用51億47百万円に対し、経常収益4億75百万円で純経常行政コストは46億72百万円となっています。
本年度差額
本年度末純資産残高
本年度純資産変動額
3.純資産変動の状況
一般会計等では、税収等の財源が48億52百万円となり純行政コスト△42億12百万円を上回り、純資産残高は90億44百万円となり、前年度末純資産残高より6億28百万円の増額となりました。このうち、税収等が4億91百万円の増額となっており、これまで行った大型事業の地方債償還に伴う過疎債、辺地債の交付税措置分の増などを要因とした地方交付税の増額が大きく影響して純資産が増加していると考えられます。全体会計では、税収等の財源が53億99百万円となり純行政コスト△47億25百万円を上回り、純資産残高は103億36百万円となり、前年度末純資産残高より6億51百万円の増額となりました。連結会計では、税収等の財源が67億25百万円となり純行政コスト△61億18百万円を上回り、純資産残高は116億46百万円となり、前年度末残高より6億31百万円の増額となりました。
業務活動収支
投資活動収支
財務活動収支
4.資金収支の状況
一般会計等では、業務活動収支が13億60百万円で、投資活動収支は△8億49百万円となっています。財務活動収支は、地方債等発行収入が地方債等償還支出を下回ったことから△5億34百万円となりました。近年行った庁舎、学校、ごみ処理施設などの大型建設事業が完了したため、地方債償還が本格化する一方で大型建設事業実施に伴う借入がなくなったため財務活動収支もマイナスとなりました。今後も大型建設事業の地方債償還が続くため業務活動収支の黒字により投資活動収支、財務活動収支の赤字を補う状況が続くと考えています。全体会計では、業務活動収支が14億47百万円で、投資活動収支は上記に加え水道、下水道の施設や設備更新を行っていることから△9億14百万円となっています。
財務書類に関する情報②(2021年度)
①住民一人当たり資産額(万円)
②歳入額対資産比率(年)
③有形固定資産減価償却率(%)
1.資産の状況
住民一人あたりの資産額は類似団体と比較し低くなりました。固定資産では減価償却が進んだことなどにより△3億8,937万円の減となり、流動資産は減債基金が増加したことなどにより4億4,618万円の増となり、資産合計は前年度より5,681万円(一人当たり24万円)増加しています。歳入額対資産比率は類似団体と比較し低くなっています。令和3年度は分母となる歳入総額が令和2年度に行った新庁舎建設に伴う地方債借入がなくなったため△3億76百万円減少した一方で、分子となる資産合計は57百万円増加したため、前年度より0.19年増加しています。なお、平成29年度はごみ処理施設整備、令和2年度は庁舎建設などの大型建設事業の地方債借入があったため歳入総額が大きく一時的に低い値になっていたとも言えます。有形固定資産減価償却率はこれまでに施設整備を行った結果、類似団体を少し下回る結果となりました。今後は、インフラ資産である道路や水道管などの更新を進めていきますが大型建設事業がないため徐々に悪化すると考えています。
④純資産比率(%)
⑤将来世代負担比率(%)
2.資産と負債の比率
純資産比率は類似団体と比較し大幅に低く、将来世代負担比率は大幅に高い状況となっています。自主財源に乏しい西ノ島町では普通建設事業を行う場合、国県等補助金、地方債の発行が必須となるためです。このため交付税措置率の高い過疎債、辺地債を中心に有利な条件の地方債の借入を行っています。令和3年度は、庁舎、学校、ごみ処理施設などの大型建設事業の地方債償還が、その他事業の地方債借入より多かったことが影響して、純資産比率は2.8%の増となり、将来世代負担比率は2%の減となりました。
⑥住民一人当たり行政コスト(万円)
3.行政コストの状況
住民一人当たり行政コストは、類似団体平均値を上回っています。引き続き、新型コロナウイルス感染症対策に係るコストが発生していることや、新庁舎関連備品の整備、維持補修費の増加、各施設の減価償却が進んだことにより純経常行政コストは悪化しましたが臨時損失の減少により純行政コストは改善しました。しかし住民人口が減少したことにより住民一人当たり行政コストは悪化しました。今後、大型建設事業で整備した施設等の減価償却が進むにつれさらに悪化することが予想されます。なお、西ノ島町は離島という特性上、航路維持に対する補助金等や海上輸送にかかる経費が様々なことに上乗せされることにより他団体より行政コストが高くなる傾向があると考えらます。
⑦住民一人当たり負債額(万円)
⑧基礎的財政収支(百万円)
4.負債の状況
住民一人当たり負債額は、類似団体と比較して大きく上回っています。庁舎、学校、ごみ処理施設などの大型建設事業の地方債借入残高があります。一方で、過疎債、辺地債は償還期間が12年、10年と短いため、令和12年度頃まで急激に減少すると考えています。基礎的財政収支は、業務活動収支の黒字分が投資活動収支の赤字分を上回っているため8億22百万円となり、類似団体平均値を上回っています。令和2年度以前と比較し令和3年度より大型建設事業に係る地方債償還が増えたため、それに伴い交付税収入も増え業務活動収支の黒字分が伸び基礎的財政収支については改善し、今後も黒字が続く見込みとなっています。
⑨受益者負担比率(%)
5.受益者負担の状況
受益者負担比率は、類似団体平均値を上回っていますが、前年度と比較して△1.4%減少しました。令和3年度は、経常費用は物件費等が2億46百万円、移転費用が70百万円など3億4百万円の増となった一方で、経常収益は△37百万円の減となったため、受益者負担比率は減少しました。
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