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令和5-令和4の単年度で比較すると、基準財政需要額、基準財政収入額ともに増となっているが、財政力指数(単年度)0.577ポイントと同値で推移。3か年平均でみると、0.01ポイント低下した。高萩市の令和5年度の市税徴収率は、99.2%と高い徴収率を維持しているが、人口減少の影響により市税をはじめとした自主財源の減少が見込まれる一方で、高齢化のさらなる進行により社会保障費が増加していくことなどにより、財政力指数の低下傾向も続くものと見込まれることから、転入者支援補助など子育て世帯を中心とした定住人口の増に必要な施策を行い、引き続き税収の確保による財政基盤の強化に努める。
令和5年度は、歳出において北茨城市との広域で進めてきたごみ処理施設事業である高北清掃センターの運営開始に伴い高萩・北茨城広域事務組合負担金292百万円の増等により経常経費充当一財等が47百万円増となったこと、また、歳入において市税が44百万円の減等により経常一般財源等が41百万円減となったことから、経常収支比率は前年度比1.2ポイント増となる93.9ポイントとなった。類似団体内平均値との比較においても1.9ポイント上回る結果となった。今後も、高萩・北茨城広域事務組合に多額の負担金を要することや、公共施設の更新等に伴い新たな地方債発行が想定されることなどから、数値の上昇も見込まれるため、限られた財源の中で施策を重点化し、効率的・効果的な事業執行に努めていく。
人件費は、会計年度任用職員報酬や特別退職手当負担金等の減により16百万円の減となった。物件費は、ごみ処理施設広域化に伴う可燃不燃ごみ処理委託関連経費が241百万円の減等により347百万円の減となった。人口1人当たり決算額は前年度と比較して9,319円減の162,579円となった。本市においては、平成20年度から行財政健全化を進め、令和3年度からは第4次行財政健全化計画に基づき、人件費の適正化や施設管理の見直しによる経費削減に取り組んでいるところである。今後も、公共施設等総合管理計画でも掲げているとおり施設総量の圧縮による管理経費の削減に取り組むとともに、事務事業の見直しによる経費削減に努めていく。
令和5年度のラスパイレス指数は、類似団体より1.0高く、全国市平均より0.1低い水準となっている。高齢層職員の昇給停止をしていないことや、経験年数階層の変動などが、指数上昇の要因として考えられる。今後も定年延長の影響や市の財政状況、社会情勢の変化や国・他自治体の動向を考慮し、引き続き給与の適正化に努めていく。
想定外退職者や採用辞退の影響により、定員適正化計画の目標値を下回っている。類似団体平均より、1.4多く、全国平均より2.09多い水準となっている要因の一つとして、消防職員が市職員に含まれることが考えられる。令和3年度に策定した行財政健全化計画(第4次)の中で、職員人件費の削減を目指しているため、さらに既存事務事業の効率化、民間委託等を検討しながら職員数の削減に対応する。また、今後は定年延長の影響が想定されるため、職員の年齢構成バランスも考慮の上、適正な定員管理に努める。
元利償還金の増や高萩・北茨城広域事務組合に対する負担金等の増により令和5単年度の実質公債費比率は8.76%(令和4単年度比+1.19%)となったことで実質公債費比率は前年度比0.6ポイント増加した。北茨城市と広域で行うごみ処理施設整備に伴う高萩・北茨城広域事務組合に対する公債費負担金の増や認定こども園整備に係る地方債の償還、さらに今後も施設の更新等の財源として地方債発行が見込まれることなどから、元利償還金等が増加すると考えられるため、全ての事業において、緊急性や必要性を検証し、「事業の見直し」と「事業の再構築」の徹底のもと事業費の圧縮を図るとともに、地方債の借入抑制に努めることで比率の上昇を抑えていく。
将来負担額は、償還元金1,419百万円に対して発行額978百万円により地方債の現在高が前年度より441百万円減少した要因が大きく、組合等負担等見込額は増となったが、全体では減少となった。充当可能財源等は、下水道費の減等により基準財政需要額算入見込額が減少したため、全体で減少となった。将来負担額の減が充当可能財源等の減を上回ったため、将来負担比率は3.9ポイント改善した。今後も、老朽化した公共施設の更新等のための新たな地方債発行が想定されることから、比率の再上昇も懸念されるため、償還に必要な財源確保に努めるとともに、将来世代の負担が過大にならないよう慎重に資金調達を行っていく必要がある。
人件費に係る経常収支比率は、会計年度任用職員人件費等が減少したことで前年度と比較すると0.1ポイントの減となっている。類似団体内平均値との比較では4.9ポイント上回っており、依然として高い状況が続いている。本市では、行財政健全化の一環として平成30年度までに平成19年度比-60人の職員数削減を進め経費削減を図ってきた。今後も、業務の更なる効率化を図るとともに、会計年度任用職員が行う業務について、民間委託等を進めることで人件費の適正化を図る。
物件費に係る経常収支比率は、前年度と比較して1.1ポイント減少した。ごみ処理施設広域化に伴うごみ処理委託関連経費の減等により物件費92百万円減が要因である。今後は、人件費抑制のための民間委託推進により委託料の増加が見込まれることに加え、小中学校ICT教育関連経費の増加も見込まれることから、公共施設等総合管理計画をもとにアセットマネジメントを推進し、施設の統廃合により固定費圧縮に努めるなど、引き続き経費削減を進めていく。
扶助費に係る経常収支比率は、令和1-令和4まで類似団体内平均値を上回る推移となっていたが、令和5年度は、児童手当経費の減等により、0.1ポイント下回っており、本市の前年度と比較すると1.2ポイントの減となった。少子高齢化に伴い、高齢者に係る医療費・介護費用の増が見込まれる。今後も国・県の動向を注視し、適切なサービスの提供に努める。
その他に係る経常収支比率は、令和5年度においては、日立・高萩広域下水道組合出資金のうち繰出基準内部分の減により、前年度に比べ1.1ポイント減少した。その他の経費の大部分を占めている繰出金においては、令和5年度は後期高齢者医療事業特別会計に対する繰出金が増加した。今後は、高齢化の進行による介護サービス等の利用者増や後期高齢者に係る医療費の増加などから、繰出金の増加が懸念されるため、疾病の早期発見・治療や介護予防などに努め、普通会計の負担軽減を図っていく。
補助費等に係る経常収支比率は、これまでの行財政健全化の取り組みにより補助金等を抑制してきたことなどから低い水準で推移してきたが、令和5年度においては、高萩・北茨城広域事務組合負担金292百万円の増等により前年度比4.5ポイント増となった。類似団体と比較して低い数値ではあるが、事務費等の上昇による高萩・北茨城広域事務組合への負担金の増も想定されることから、引き続き補助金等の必要性と効果を検証し増加抑制に努めていく。
公債費に係る経常収支比率は、本市の長年の課題である旧高萩市住宅公社改革推進債(三セク債)について、令和2年度に利率見直しを行い、償還額が大きく減少したが、前年度と比較すると0.2ポイント増となった。認定こども園整備の償還に加え、今後、公共施設の更新等のための地方債発行も想定されることから、比率の再上昇も懸念されるため、将来世代負担が過大とならないよう地方債の発行を可能な限り抑制していく。
公債費以外の経常収支比率は、歳出において、補助費等の一般財源が増加したことに加え、市税や臨時財政対策債等の経常一般財源等が減少したこと等により、前年度と比較して1.0ポイント増加した。公債費以外の経費のうち、特に人件費に係る経常収支比率が類似団体内平均値を依然として上回っていることが課題であるため、今後も人件費の適正化に努めるとともに、すべての事業において緊急性や必要性を検証し、「事業の見直し」と「事業の再構築」の徹底により業務の更なる効率化を図り、さらなる経費削減を進めていく。
(増減理由)財政調整基金は、取り崩しを行わなかったこと、財政調整による積み立て80百万円や土地売払収入の積み立て9百万円により、基金残高は前年度と比較して89百万円増加した。また、減債基金の基金残高は前年度と比較して37百万円増加、地域振興基金の基金残高は前年度と比較して28百万円増加したことなどにより、基金全体の残高は前年度と比較して136百万円の増となった。(今後の方針)令和元年度までは減少傾向にあった基金残高は、令和2年度から増加してきている。しかしながら、人口減少に伴う市税収入の減が見込まれる厳しい財政状況が今後も続くことから、後年度の財源不足や災害等に対応できるよう、基金の設置目的を考慮しながら積み立てを行うことで基金残高を確保していく。
(増減理由)取り崩しを行わなかったこと、財政調整による積み立て80百万円や土地売払収入の積み立て9百万円により、基金残高は前年度と比較して89百万円増加した。(今後の方針)令和2年度に、高萩市土地開発公社において工業団地を売却したことから同公社に対して貸し付けていた経営健全化長期貸付金589百万円を回収し、財政調整基金に積み立てたことに伴い基金残高は一時増加したものの、財源不足に対応するための取り崩しを継続的に行っている状況である。経済情勢の変動や大規模災害に対応するための財源が枯渇することのないよう、未利用地などの普通財産の売り払いに努め、歳出の精査により取り崩しを抑制していくことで、適正な規模の残高を確保していく。
(増減理由)取り崩しを行わなかったこと、普通交付税再算定分の臨財債償還積立37百万円を積み立てたことで、基金残高は前年度と比較して37百万円増加した。(今後の方針)人口減少により市税の減収が見込まれるなかで、公共施設の更新や災害の発生等に伴う新たな地方債発行が想定されることから、地方債の償還に備える財源として、必要に応じて積み立てを行っていく。
(基金の使途)学校施設建設基金:本市の学校施設の建設及び周辺環境の整備(学校施設建設事業)の円滑な財政運営を図る。地域振興基金:地域における福祉活動の推進、快適な生活環境の形成に資する。森林環境譲与税基金:森林の整備や整備促進に関する施策に必要な財源を確保する。(増減理由)学校施設建設基金:ICT関連等の財源として17百万円を取り崩したこと等により前年度と比較して15百万円減少した。地域振興基金:ふるさと納税による収入30百万円や地域振興のための寄附金7百万円等を積み立てたことにより前年度よりも28百万円増加した。森林環境譲与税基金:森林経営管理経費や林道改良事業の財源として25百万円取り崩したのに対し、当年度の森林環境譲与税36百万円が上回ったことから、前年度より11百万円増加した。(今後の方針)学校施設建設基金:より良い教育環境確保のための学校の統廃合を見据え、必要な財源を確保していくため、計画的に積み立てを行うとともに、小規模事業に充てるための取り崩しを可能な限り抑制する。地域振興基金:ふるさと納税の積極的なPRを図るとともにガバメントクラウドファンディングなどの新たな収入の確保に努め、地域振興に資する事業の財源として活用していく。森林環境譲与税基金:毎年度の森林環境譲与税を積み立て、基金の設置目的に沿った施策の財源として計画的に活用していく。
有形固定資産減価償却率は、平成29年度において、東日本大震災で被災した本庁舎再建が完了したことに伴う有形固定資産(償却資産)額の増により減少に転じて以降、類似団体内平均値を下回っているものの、各施設において、有形固定資産減価償却率が年々上昇の傾向にあり、前年度と比較すると1.7ポイントの増となっている。本市では、公共施設等管理計画において、令和2年度からの40年間で公共施設の面積を約60%削減するという目標を掲げ、学校施設の集約化や、老朽化した市営住宅の解体等を計画的に進めており、今後も施設の総量圧縮に努めることで、有形固定資産減価償却率の伸びを抑えていく。
債務償還比率は、平成22年度発行の住宅公社改革推進債(令和4年度末残高1,395百万円)等により地方債現在高が多いことから高い水準で推移していたが、地方債の償還が進み、将来負担額が減少傾向にきている。令和4年度においては、地方債の残高が前年度比645百万円減少したこと等による将来負担額の減少や、減債基金への積立て等により充当可能財源が増加した一方で、臨時財政対策債発行可能額の減少による経常一般財源等の減少が大きく、前年度と比較して65.8ポイントの増となった。これにより、前年度は、類似団体内平均値を下回っていたが、32.5ポイント上回る結果となった。今後は、施設の更新等のための地方債発行により将来負担額の増加も想定されるため、将来世代への負担の先送りが顕著にならないよう、安定的な財政運営を継続していく。
将来負担比率は低下した一方で、有形固定資産減価償却率は上昇傾向にある。将来負担比率低下の要因としては、地方債の残高が前年度比645百万円減少したことや、減債基金への積立て等により充当可能財源が増加したことが挙げられ、前年度と比較して13.1ポイント改善した。有形固定資産減価償却率は、各施設等での老朽化の進行により数値は上昇傾向にあるため、公共施設等管理計画等に基づき計画的に施設の更新等を進めていく。また、施設の更新等に伴う地方債の発行により将来負担比率についても今後上昇が懸念されるため、充当可能基金などの必要な財源の確保に努めていく。
将来負担比率は、類似団体内平均値よりも高い水準にあるが、改善傾向にある。地方債の残高が減少したことや、充当可能財源が増加したことで前年度よりも改善したが、充当可能財源については、年度による変動が大きいため、安定的な財源の確保に努めていく必要がある。実質公債費比率は、元利償還金の増加や、普通交付税及び臨時財政対策債発行可能額の減少等により、令和4年度単年でみると増加となったが、3か年平均では、令和元年度単年(9.03421%)が算定対象外となったことで前年度比0.5ポイント減の6.9ポイントとなった。認定こども園建設に伴う地方債償還や学校統廃合に伴う新たな地方債発行により、各比率の再上昇も見込まれることから、今後も必要な投資を計画的に進めつつ、公債費の適正化に取り組んでいく。