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2011年度
2010年度
指定団体等の指定状況
財政健全化等財源超過首都近畿中部過疎山振低開発指数表選定
人口の推移
産業構造
財政比較分析表(2023年度)
財政力
財政力指数の分析欄
財政力指数は低下傾向である。人口減少と高齢化率の上昇が進み、町税をはじめとする自主財源の増収が実現されていない。地域経済の振興を図る施策として、まちづくりに資する事業を推進しているが、その経済効果は即効性が小さいため、財政運営の財源を交付税に頼る状況が続いている。今後は、先述の事業を財政力の向上に結びつけるとともに、税の徴収を強化し、自主財源の確保に努める。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
平成27年度までは86%台前半で推移していたが、以降は年々上昇しており、類似団体の平均値を上回る状況が続いている。令和3年度も公債費が増加しているが、歳入面では普通交付税が増額したため、一時的に比率が改善した。令和4年度は公債費、人件費が増加するとともに、電気料の高騰等により物件費も増加した。令和5年度は、令和元年度に借り入れた過疎債の元金償還が始まるなどしてさらに公債費が増加し、比率が上昇した。今後も引き続き、歳入面では税徴収率の向上をはじめとする財源の確保、歳出面では事業の精査、効率化により経常経費の抑制に努める。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
令和4年度の可燃物搬送処理委託料の計上、電気料の高騰等により物件費が大きく増加し、新規職員採用により人件費も増加した。令和5年度は物件費に大きな増減はなかったが、太地町多目的センター指定管理委託料が減少した。人口が減少していることを考えあわせると、適正な水準を保っており、今後も適正な定員・事業管理のもと、行政コストの縮減に努める。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
平成23・24年度において、東日本大震災関係の財源確保のため国家公務員給与の減額措置が実施されたことにより、ラスパイレス指数が大きく上昇した。この措置は25年度に元に戻されたため、指数は再び90%台前半に戻り、以降低い値を維持してきた。平成29年度に指数が上昇したのは、職務の級を変更(職務給5級から6級に改正)し、適用する給与月額が上昇したためである。令和2年度は職員の経験年数等の階層分布に変動があり、団体規模が小さいことも影響し指数が1.1上昇し、令和5年度も若干上昇した。
定員管理の状況
人口1,000人当たり職員数の分析欄
平成25年度以降増加傾向にある。人口が減少するとともに、令和5年度は定年退職者の再任用及び職員の新規採用により、指標が上昇した。類似団体平均と比べると7.2人下回っており低い水準である。退職者数とのバランスを考慮して新規職員採用人数を調整してきたが、現時点で職員数に余裕はないため、今後は人口の減少が進むに従い、当該指標はさらに上昇すると思われる。各種業務に必要な人員を見極め、適正な人員確保及び定員管理に努めていく。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
前年度より1.9ポイント上昇し、類似団体平均との差が広がった。平成22年度以降、主に過疎債を活用し、大型公共工事を実施してきた。これらの償還額が年々増加しており、少なくとも令和10年度までこの傾向は続く見込みである。今後は、これまで以上に元金償還額が増加する時期を迎え、実質公債比率が上昇することになる。よって今後の起債を充当する事業については、補助金の活用、実施時期の調整等により、数値の抑制に努める。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
主に過疎対策事業債を財源にした投資的事業の実施等により、さらに指標が上昇した。償還額の増加に伴い、少なくとも令和10年度までは上昇が続く見込みである。将来の償還額を適正に把握し、後世の負担を軽減するよう財源措置のない地方債の発行は抑制していく。また、新規事業の内容ついては精査を行い、実施時期を見極め、財政の健全性を保つ。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2023年度)
人件費
人件費の分析欄
特別職の給与改定、会計年度任用職員制度の導入などにより令和2年度は経常的な人件費が増加したが、令和3年度は前年度の管理職の退職の影響により再び比率が低下し、令和4年度は職員の新規採用(8人)等により増加に転じた。令和5年度は会計年度任用職員の増員及び給与引き上げを行ったが、一方で定年退職者の再任用により人件費は減少した。また、人員の補充が必要であるため今後はやや上昇する見込みである。
物件費
物件費の分析欄
主な物件費は、町内じゅんかんバスの運行経費、電子計算関連経費、施設の管理経費等である。令和2年度は会計年度任用職員制度を導入したため、賃金が人件費として計上される等して物件費が減少し、令和3年度も目立った変化はなかった。令和4年度は、可燃物搬送処理委託料の計上、電気料の高騰等により指標が上昇し、令和5年度は太地町多目的センター指定管理委託料が減少した。類似団体と比べて、従来は人員のうち賃金支弁者の割合が大きかったが、令和2年度に解消され差が縮小している。物件費については、日々の行政運営を行うなかで経費の点検を行い、歳出削減に努める。
扶助費
扶助費の分析欄
令和3年度は引き続き、就学児医療費助成事業を町単独で実施する等しながらも、一方で、前年度より障害福祉サービス費、老人福祉施設入所措置費、児童手当が減少した。令和4年度は障害福祉サービス費が増加し、令和5年度もおおよそ同様の実績となった。扶助費を占める事業の構成は、障害福祉サービス費等、児童手当及び老人福祉施設入所措置費が主なものである。高齢者人口の増加等により今後の扶助費は増加する見込みである。
その他
その他の分析欄
令和2年度は、後期高齢者医療保険事業、介護保険事業への繰出金が増加したが、一方で塵芥処理施設の修理費等が減少し比率が改善した。令和3年度は、介護保険料の改定を行った結果、繰出金を減らすことができ、国民健康保険料も段階的に改定しているため、こちらの繰出金も削減できた。また、塵芥処理施の改修が完了し、ごみの処理方法を変更したことにより経常的にかかっていた維持修繕費を削減している。令和5年度は各保険事業会計に対する繰出金が全体的に減少している。
補助費等
補助費等の分析欄
主な補助費等は、社会福祉協議会への助成金、清掃費における一部事務組合負担金等である。令和元年度は、学校給食を無償化したため、これまであった給食費補助金が無くなる等して減少し、令和2年度は保育の措置費用、し尿処理に係る負担金等が減少した。令和3年度は太地町社会福祉協議会に対する助成金、保育措置委託料等が増額した。令和4年度は水道事業会計負担金の計上、令和5年度は姉妹都市交流に係る旅費助成金の増額等により、さらに指数が上昇した。今後も各種団体への補助金等を毎年見直すなど、その適正化に努める。
公債費
公債費の分析欄
上昇が続いており、類似団体平均を上回り、その差が大きくなった。過疎債を財源とする投資的事業を継続しながら、緊急防災・減災事業債を活用した防災対策事業を実施してきたことが主な要因である。前年度との比較では、利子分が3,154千円増加、各種大型事業に係る元金償還の開始により元金償還が79,005千円増額(前年度は30,260千円の増額)した。地方債の借り入れが集中して財政を窮迫することのないよう、事業の実施時期を調整する等して、慎重に財政運営を行っていく。
公債費以外
公債費以外の分析欄
令和元年度は介護給付費に係る繰出金や、人件費の増額により比率が上昇したが、令和2年度は普通交付税の増額や、固定資産税の滞納整理により比率が下がった。令和3年度はさらに普通交付税が増額したことに加え、介護保険に係る繰出金の削減等により大きく比率が低下した。令和4年度は人件費、物件費が増加し、再び上昇したが、令和5年度は当該費用が若干減少した。類似団体内との比較では、公債費以外では、人件費、物件費等の比率が高くなっている。今後も各費目において数値の変動に注意し、財政の硬直化を抑制していく。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)
議会費
労働費
消防費
諸支出金
総務費
農林水産業費
教育費
前年度繰上充用金
民生費
商工費
災害復旧費
衛生費
土木費
公債費
目的別歳出の分析欄
過去5年間において増減が目立つ費目は、総務費、民生費、衛生費、農林水産業費、土木費、消防費、公債費、積立金である。総務費について、令和4年度に国際鯨類施設整備事業費を約10億円を計上、令和5年度も約8億円を計上した。また、ふるさと納税事業委託料は令和3年度、4年度ともに委託料を増額した(寄附額の増加に委託料を決定する)が令和5年度は減少した。民生費は、住民税非課税世帯への臨時特別給付金の給付等により増加し、また、介護保険、国民健康保険、後期高齢者医療保険事業会計に対する繰出金はすべて減少した。衛生費では、令和元年度から3年度にかけて水道施設の建設改良費のうち一般会計負担分を支出しており、さらに清掃センターの施設改修を行い令和3年度に完成、またワクチン接種に関連した費用がかかったこともあり、平成30年度以前と比べ、近年は臨時的な支出が増加していたが、令和4年度に至り、これらの経費が減少した。令和5年度は塵芥処理用の車両購入、水道事業会計への負担金の増額等により再び衛生費は増加している。農林水産業費では、令和2年度に「太地町冷凍施設」を新規整備したこと、令和元年度以降は漁港の機能保全工事を継続して実施しているため、近年は増加傾向である。令和5年度は船揚場の改良工事を行い支出額が増加した。消防費は、令和元年度の防災行政無線デジタル化事業、令和2年度から3年度にかけての駅舎防災複合施設(防災部分)の建設により大幅に増加していたが、令和4・5年度は元の水準に戻った。公債費のうち、長期債元利償還金が前年度比で82,159千円増額しており、前年度の増加額と合わせると1.1億円超の増加である。公債費の増加は少なくとも令和9年度まで続くため、基金を積み立て、将来の財源を確保する。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)
人件費
補助費等
災害復旧事業費
投資及び出資金
物件費
普通建設事業費
失業対策事業費
貸付金
維持補修費
普通建設事業費(うち新規整備)
公債費
繰出金
普通建設事業費(うち更新整備)
積立金
前年度繰上充用金
性質別歳出の分析欄
歳出合計は令和4年度4,084,455千円に対して、令和5年度は4,085,407千円となり、26,048千円減少した。令和4年度に「国際鯨類施設整備事業」(新規普通建設費)を約10億円を計上、令和5年度も約8億円を計上したことが主な増減要因である。人件費は、令和4年度に職員の新規採用(8人)及び、議員の期末手当の支給開始により増加、令和5年度は会計年度任用職員の増員及び給与の引き上げ等により若干増加した。物件費は、ふるさと納税業務の委託を、令和3年度に本格化させたことにより、令和4年度は委託料が22,947千円増加し、(寄附額の実績に応じて委託料を決定する)令和5年度は寄付金額の減少に伴い委託料も減額となった。補助費等は、住民税非課税世帯等臨時特別給付金を支出したため増加した。投資的経費では、先述の「国際鯨類施設整備事業」により普通建設費(新規整備)の支出額に伴い増減している。公債費における長期債元利償還金が82,159千円の大幅な増額となり、前年度と合わせると、1.1億円超の増加である。積立金については、財政調整基金積立額が12,400千円減少、減債基金積立額が10,000千円増加、塵芥処理場建設資金減債基金30,000千の取り崩し等があり、基金の残高は全体で46,900千円減少した。繰出金は、かつて介護保険会計に対するものが多かったが、令和3年度に保険料を引き上げ、繰出金を抑制することができている。令和5年度は、介護保険、国民健康保険、後期高齢者医療保険事業会計に対するものがすべて減少した。ここ数年にわたる特徴としては、公債費の増額が進んでいる。公債費の増加は令和7年から10年頃まで続く見込みである。
実質収支比率等に係る経年分析(2023年度)
分析欄
財政調整基金の残高は平成28年度末までは6億円を上回っていたが、これ以降は年々減少し、令和5年度末では約4.9億円となった。逆に標準財政規模は、令和3年度以降で特に大きくなり、比率が低下している。近年は投資的事業の財源として基金を取り崩しており、令和5年度も同様の運用を行った。実質収支については、平成30年度に地域福祉センター梛改修事業を実施、令和元年度には、森浦湾整備事業、防災行政無線を実施したこと等により剰余金が減少し、6%台まで低下した。令和2年度以降は投資的事業を行いながらも、普通交付税の増額等の影響で実質収支は改善している。
連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2023年度)
分析欄
一般会計について、令和元年度は防災行政無線デジタル化整備事業、森浦湾整備事業等の投資的事業を実施した。令和2年度以降も、駅舎防災複合施設、国際鯨類施設の建設等の大型事業を実施してきた。以上のように、投資的事業を継続しており、その事業費は年度によって差があるが、年度末に基金を積み立てることにより収支額はほぼ一定になっている。水道事業について、平成26年度の水道料金の値上げにより以降収支が改善している。くじらの博物館事業について、平成29年度には動物の売上収入により10.47%に増加し、30年度においても前年度の事業を継続した結果、黒字を伸ばし、令和元年度も同様の収支状況だったが、令和2年度、3年度は新型コロナウィルス流行の影響を受け、利益が縮小した。令和4年10月以降は、外国からの来館者が、徐々に増加しているが、飼料代や電気料等の高騰が利益を圧迫している。なお、平成29年度には入館料の見直し(値上げ)を行っている。介護保険事業は一般会計からの繰り入れを行っている。平成27年度と令和3年度に保険料を改定し、繰入額を抑制した。国民健康保険事業も一般会計からの繰り入れを行っている。年度ごとに赤字補填を縮小するよう段階的に保険料の改定を行っている。都市計画公共下水道事業については、下水道接続人口が減少しており、一般会計から赤字補填を行っている。人員配置と処理設備の導入などにより、経費の抑制に努めてきたが、今後は老朽化した施設の更新を計画的に進めていく必要がある。
実質公債費比率(分子)の構造(2023年度)
分析欄
平成22年度以降、過疎債を活用した投資的事業を実施するとともに、緊急防災・減災事業債を活用した事業を実施しており、元金償還額が増加している。これらの償還金は交付税算入率が高いため、実質公債費比率の急な上昇は避けられてきた。公営企業債の元利償還金は下水道事業会計分の元利償還金であり、一般会計からの繰出金により償還を行っているが、徐々に償還が終了している。一般会計の地方債償還額は、少なくとも令和10年度まで増加が続くため、今後は実質公債費比率が上昇し過ぎないよう、新規の地方債発行は慎重に行っていく。
分析欄:減債基金
満期一括償還地方債を発行していない。
将来負担比率(分子)の構造(2023年度)
分析欄
将来負担額は、大半を一般会計等に係る地方債の現在高が占めており、次いで退職手当負担見込額となっている。一般会計の地方債現在高は投資的事業の実施に伴い、平成25年度以降上昇が続いている。公営企業債繰入見込は、新規の地方債の発行が少ないため、減少傾向にある。ただし、下水道施設の老朽化が進行しており、今後の財政負担が懸念される。また、平成25年度に新たに計上した組合等負担見込額は、老人福祉施設建設に伴う市町村負担金である。次に、充当可能財源等は、充当可能基金及び基準財政需要額算入見込額によって構成され、令和元年度を境に将来負担額がこれを上回るようになった。今後も投資的事業の財源として地方債の活用を予定しているため、将来負担額における地方債現在高のさらなる増加が見込まれる。過疎債の償還は財政措置されるため、現在高の上昇にあわせて交付税算入され、財政需要額が大きくなるが、残りの負担分については基金を充当することになる。今後は将来負担比率に注意し、慎重に地方債を発行する。
基金残高に係る経年分析(2023年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)基金現在高について、全体額(土地開発基金を除く)で令和4年度1,624,125千円に対して令和5年度1,577,225千円となり46,900千円減少した。内訳は、減債基金が10百万円増額、財政調整基金が12.4百万円減額、特定目的基金のうち、ふるさと創生事業基金が10百万円減額、塵芥処理場建設資金基金が30百万円減額、石垣記念館運営積立基金が4.5百万円減額となった。各分野で投資的事業を積極的に行っており、起債に加え、状況に応じて基金を活用しているため、近年は基金残高の減少が続いている。(今後の方針)基金の積立額について、目標とする対標準財政規模比等はないが、今後まちづくりのために活用していくため、将来的には取り崩していくこととなる。負債(主に地方債)に対応する財源を確保するために基金を積み立てる。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)令和3年度、令和4年度は普通交付税が増額するなどして、基金残高を維持できたが、令和5年度は公債費の大幅な増加等により12.4百万円の減額となった。(今後の方針)今後も、まちづくりに資する事業費を実施するため、この財源として積み立てる。また事業の実施に伴い、地方債の借り入れが増えているため、将来の償還額の増加に備えて、減債基金への振り替えも想定している。決算状況が許す限り積み立てることが望ましいが、少なくとも基金残高が大きく減少することがないように運用していく方針である。
減債基金
減債基金
(増減理由)平成22年度以降、過疎債や緊急防災・減災事業債を活用し、まちづくりに資する事業を実施してきた。これらの地方債償還額が年々増加しており、基本的には減債基金を取り崩すこととなるが、令和3・4年度は普通交付税が増額するなどして積み立てが可能となった。令和5年度は、他の基金は減額したが減債基金のみ10百万円増額した。(今後の方針)現在の地方債残高が約58億円で前年度末から5億円増加した。地方債借入額の約75%については、地方交付税の収入を見込んでおり、残りの一般財源負担が約14.5億円となる。現時点では、この一般財源部分の額を積立額のおおよその目標とする。ただし、現在も地方債を財源にして投資的事業を進めており、目標値は事業の実施状況によって変動する。
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)「塵芥処理場建設資金基金積立金」は新たな塵芥処理場の建設を目的としている。「石垣記念館運営積立金」は太地町石垣記念館の運営費用に充てることを目的としている。太地町ふるさと創生事業積立金は太地町の歴史、伝統、文化、産業等を活かし、独創的、個性的な地域づくりを行うふるさと創生事業の財源を積み立てる。「太地町地域福祉基金積立金」は高齢化社会における高齢者の在宅福祉の向上、健康づくり、ボランティア活動の活発化等図るため民間団体が行う高齢者保健福祉推進事業に、この基金から生ずる運用益金でもって助成することを目的とする。「太地町福祉基金」は高齢化社会における地域福祉活動の促進、生活環境の形成等図ることを目的とする。(増減理由)塵芥処理場建設資金基金積立金を清掃センターの改修工事の財源として30百万円を取り崩した。ふるさと創生事業基金は、森浦湾くじらの海事業等の財源として使用し、残高が10百万円減少した。石垣記念館運営積立金からは当記念館の運営費に充てるため、毎年度約4~5百万円を取り崩している。(今後の方針)その他特定目的基金については今後積立額を増やしてく予定はなく、地域振興及び地域福祉の充実等を実現するため、これらの限られた財源を最大限有効に運用していく。
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2022年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
本庁舎をはじめとして、既に多くの施設が建設から相当の年数が経過している。修繕等による長寿命化を施設管理の基本方針としているため、今後も減価償却率の上昇が見込まれる。ただし、全体的に減価償却率が高い中にあって、防災・消防施設については防災施策を推進してきた結果として減価償却率が低くなっている。その他の施設のうち一部は、津波対策を含む施設移転が必要であり、平成29年度末には幼稚園と保育所を高台に移転させる形で、新たにこども園を建設した。このような方策により、今後の減価償却率の上昇は抑制される見込みである。令和3年度には、「駅舎防災複合施設」が完成したため、施設全体の減価償却率が低下し、令和4年度は「国際鯨類施設」を建設したが完成は翌年度に繰り越している。
(参考)債務償還比率
債務償還比率の分析欄
現在、まちづくりのために投資的事業を積極的に進めており、その財源として地方債を活用している。このため、自治体規模に対して実質債務の額が高く、債務償還比率が類似団体と比較して高くなっている。令和3年度は普通交付税が前年度から207,636千円増加したため一時的に比率が低下したが、令和4年度は地方債残高が509,811千円増額したため、再び比率が上昇している。地方債の借入れについては、基金残高や、実質公債費比率等の指標を参照し、適切な範囲で行っている。
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
将来負担額のうち、大半を「一般会計等に係る地方債の現在高」が占めている。道路新設等の大型事業の実施に伴う起債にはじまり、平成25年度以降、地方債残高の上昇が顕著である。今後数年間はまちづくりのための投資的事業を積極的に行うため、さらなる増額が見込まれる。ただし、起債に際しては財政措置率の高いものを選択しているため、基準財政需要額算入額が増加する。平成30年度までは充当可能財源等が将来負担額を上回っていたが、昨年度において、はじめて将来負担比率が数値化された。今後も、地方債を活用する方針であるため、将来負担比率は更に上昇する。令和3年度は「駅舎防災複合施設」の建設に係る地方債の借入れにより将来負担比率が上昇するとともに、当施設の完成により固定資産減価償却率が低下した。令和4年度は「国際鯨類施設」の建設のため地方債を発行したが、施設の完成は翌年度に繰り越している。新規の投資的事業の実施にあたっては、既存の公共施設の維持コストとのバランスを配慮し推進していく。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
実質公債費比率は近年減少傾向を示していたが、平成22年度以降まちづくりのための投資的事業のため過疎債を中心に多額の借入れを行っており、平成29年度以降の元金償還額が大幅に増加している。今後、実質公債費比率は上昇が続く見込みである。また、「公営企業に要する経費の財源とする地方債の償還に充てたと認められる繰入金」について、国民宿舎事業は会計の廃止により平成26年度で償還が完了しており、下水道事業においては、近年借入れ少ないことから償還額が減少しているが、下水道施設の更新時期を迎えており、建設改良のため令和3年度以降新たな起債を行っている。令和3年度は「駅舎防災複合施設」、令和4年度は「国際鯨類施設」の建設に係る地方債を発行したことにより将来負担比率とともに実質公債費比率が上昇した。将来負担比率については先述のとおり、主に地方債の借入れにより今後の上昇が見込まれるため、新規事業の実施については慎重に判断していく。
施設類型別ストック情報分析表①(2022年度)
道路
橋りょう・トンネル
公営住宅
港湾・漁港
認定こども園・幼稚園・保育所
学校施設
児童館
公民館
施設情報の分析欄
類似団体との比較では、特に公営住宅、港湾・漁港施設、学校施設の減価償却率が高い。公営住宅は町内に2箇所あり、今後も随時補修を行うことにより長寿命化を図る。港湾・漁港施設も建設から年数が経っているが、平成27年度に、太地漁港機能強化策定事業として現状の機能を検査し、平成28年度には漁港施設の老朽箇所を把握するための点検を実施したうえで、「漁港機能保全計画」を策定した。この計画に基づいて、昨年度に引き続き改修及び補強工事を実施した。今後も同様に、順次改修を進めていくことで減価償却率は下がる見込みである。幼稚園、保育所の園舎は老朽化が進み、平成28年度までは減価償却率が高かったが、この2施設を統合する形で平成29年度末に新しいこども園が完成したため、減価償却率は大きく低下した。学校施設については、現在小・中学校が一校ずつある。特に小学校は建設から年数が経過していること等から、今後、既存中学校との統合を検討していく。また、人口に対して各種施設が余っている状況ではないため、今後も施設数は維持しながら長寿命化を図ることを施設管理の基本方針とする。
施設類型別ストック情報分析表②(2022年度)
図書館
体育館・プール
福祉施設
市民会館
一般廃棄物処理施設
保健センター・保健所
消防施設
庁舎
施設情報の分析欄
近年、防災施設の整備を積極的に進めてきたことから、消防施設等の減価償却率はその他の施設と比べて大幅に低く、令和3年度には「駅舎防災複合施設」が完成し、さらに比率が低下した。一方で、庁舎は他のすべての施設の中でも特に建築年が古いことから老朽化が目立つ。また海に隣接して建っていることから、津波対策として移転の検討が必要である。また、一般廃棄物処理施設は、従来、ごみ処理による機械設備類の摩耗が著しく、経常的に機械等の修繕や取替が必要であったため、他の施設と比較し維持コストがかなり高くなっていた。そこで令3年度に施設改修を行い、ごみ処理方法を変更した。この施設改修により減価償却率が低下するとともに、従来の設備に係る修理が不要になったことで維持費が抑制されている。
財務書類に関する情報①(2021年度)
資産合計
負債合計
1.資産・負債の状況
一般会計においては、資産総額のうち有形固定資産の割合が約77%となり前年度と同程度である。有形固定資産が前年度から432百万円増加しており(前年度と同程度の増加)、これの主な要因は、前年度から繰越した駅舎防災複合施設が完成したこと等による。建物の資産額6,755百万円に対し、建物減価償却累計額は△3,452百万円であり、近年新規の施設整備を進めているとはいえ、多くの建物は建設からかなりの年数が経過している。このため、今後は維持管理・更新等の費用の増加が見込まれる。施設管理計画においても、修繕等による長寿命化を図ることを基本方針としているため、今後も減価償却率は上昇していくことが予測される。一方、負債の部については、地方債残高が固定・流動負債あわせて4,740百万円であり、前年度末から382百万円増加した。主な新規地方債の借入れの目的は、「駅舎防災複合施設」の建設等であり、地方債の残高は前年度に引き続き増加している。今後も継続して、施設整備を進める計画があるため、地方債の増加傾向は続くと予想されるが、流動資産と流動負債を比較すると、流動資産の方が多く、現時点で財務の安全性は保たれていると思われる。また、前年度末から純資産の額がやや増加しているが、地方債により負債が増加するとともに、純資産のうち不足分の負の値が大きくなっていることから、より固定資産への投資が進んだことが読み取れる(資産合計のうち固定資産の占める割合は94%と高い)。
純経常行政コスト
純行政コスト
2.行政コストの状況
一般会計について前年度と比較すると、新規取得の固定資産により減価償却費が増加(284百万円から321百万円に増額)し、令和3年度は物件費の増加(前年度比+77百万円)や、減価償却費が増加(前年度比+37百万円)したため、純経常行政コストが増加した(前年度比+78百万円)。経常費用2,183百万円のうち321百万円が減価償却費となっており、過年度に取得した固定資産により、実質的に年間約3.1億円の費用がかかっていることを示している。また、令和3年度の施設整備等への投資額が減価償却費3.2億円を上回っていることから、施設の老朽化以上に設備投資を実施しており、この傾向が継続している。純資産変動計算書によると、純行政コスト△2,148百万円に対し税収・補助金等の財源が2,346百万円であり、収支はプラスで均衡している。
本年度差額
本年度末純資産残高
本年度純資産変動額
3.純資産変動の状況
一般会計の純資産残高は、前年度との比較で4,501百万円から4,707百万円に増加した。純行政コスト△2,148に対し、税収・補助金等の財源は2,346百万円となり、収支はプラスとなった。財源について、前年度は資本形成に係る国庫補助金、並びにコロナ対策に係る国庫補助金が増加したため、令和3年度は前年度比で減少しているが、ふるさと納税の額は増加している。令和3年度中に太地町駅舎防災複合施設が完成したこと等により、純資産のうち固定資産等形成分が9,865百万円に増加し、純資産不足分が△5,157百万円となり、5年続けて不足額が大きくなった。これは地方債の発行による資産形成であり、資金の多くを固定資産へ投資していることが読み取れる。
業務活動収支
投資活動収支
財務活動収支
4.資金収支の状況
令和3年度の一般会計において、業務活動収支は402百万円で、前年度から177百万円増加しており、通常の行政サービスの財源は確保された状況を保っている。投資活動収支は△780百万円で、令和3年度は駅舎防災複合施設の建設等、前年度の金額を上回る投資を行った。年度間で比較すると投資額に増減はあるものの、積極的に施設整備等を進めていることは一貫しており、これに同調するように地方債の発行収入額も推移している。財務活動収支については先述の事業の資金調達のために新規の地方債を発行したため、償還支出の349百万円を上回る732百万円が収入に計上され、382百万円のプラスとなった。以上のように、積極的に施設整備に投資していることを示す結果となりながらも、本年度末の現金預金残高は145百万円となり、前年度末より増額し確保している。
財務書類に関する情報②(2021年度)
①住民一人当たり資産額(万円)
②歳入額対資産比率(年)
③有形固定資産減価償却率(%)
1.資産の状況
令和3年度末時点で、資産総額のうち77%を有形固定資産が占めている。これらの有形固定資産は、本庁舎をはじめ、建設から相当の年数が経過した施設が多いが、近年施設整備を推進しているため、減価償却率は年を追うごとに徐々に低下している。建物全般の減価償却率は類似団体の平均値に近い。また、住民一人あたりの資産額が比較的低いことの一因として、行政面積が小さく、施設配置に無駄ができにくいためと考えられる。令和3度中に駅舎防災複合施設の建設等を行い、前年度より固定資産の額が増加している。
④純資産比率(%)
⑤将来世代負担比率(%)
2.資産と負債の比率
社会資本等形成に係る将来世代の負担の程度を示す将来世代負担比率は、地方債を財源として施設整備を進めた結果、類似団体平均より高い数値を示している。今後も、まちづくりに資する事業(施設整備)を実施するにあたり、地方債の活用を続けていく方針であるため、地方債発行残高は更に増加する見込みである。新規の投資的事業の実施にあたっては、既存の公共施設の維持管理にかかる財政負担とのバランスに配慮し、将来世代に負担が偏ることのないよう計画する。
⑥住民一人当たり行政コスト(万円)
3.行政コストの状況
当町は面積が狭く、このため効率良く行政サービスの運用ができていることが、行政コストが比較的低いことの一因であると考えられる。減価償却費が増加傾向にあるが、人件費や他会計への繰出金が増加するなどして、純行政コストは増加しているが、類似団体平均との比較においては、住民一人当たりの行政コストはかなり低い水準を保っている。なお、令和2年度は特別定額給付金の事業費を計上したこと等により純行政コストが増額している。
⑦住民一人当たり負債額(万円)
⑧基礎的財政収支(百万円)
4.負債の状況
負債のうち地方債については、平成25年度の過疎債借入れ以降、増加傾向が継続しており、今後も地方債を活用し、まちづくりに資する事業(施設整備)を積極的に実施していくため、更なる負債の増加が予測される。令和3年度においては駅舎防災複合施設等の資産形成のために新たに地方債を発行している。住民一人あたりの負債額は、類似団体平均値が減少傾向であるのに対し、当町は増加しており、令和3年度に平均値を上回った。新規の投資的事業の実施にあたっては、将来世代に負担が偏ることのないよう計画する必要がある。
⑨受益者負担比率(%)
5.受益者負担の状況
受益者負担比率は類似団体平均を下回る。経常収益のうち使用料・手数料については、増収がほとんど望めない状況であるため、歳出の面から、老朽化した施設の維持管理を適正な方法で行い、可能であれば減少した人口に見合った規模の施設へと集約・縮小するなどして維持費等の経常費用の削減に努める。
類似団体【304221_17_1_000】