北海道青森県岩手県宮城県秋田県山形県福島県茨城県栃木県群馬県埼玉県千葉県東京都神奈川県新潟県富山県石川県福井県山梨県長野県岐阜県静岡県愛知県三重県滋賀県京都府大阪府兵庫県奈良県和歌山県鳥取県島根県岡山県広島県山口県徳島県香川県愛媛県高知県福岡県佐賀県長崎県熊本県大分県宮崎県鹿児島県沖縄県

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地方財政ダッシュボード

和歌山県太地町の財政状況(2017年度)

🏠太地町

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2017年度)

財政力指数の分析欄

平成25年度から29年度まで0.20ポイントで変動なしで推移している。和歌山県平均と比較すると0.15ポイント、全国平均とでは0.31ポイント低く、当町の財政力の乏しさを示している。近年の人口減少や高齢化率の上昇などの自治体運営にとって厳しい状況のなか、町税をはじめとする自主財源の増収が実現されていないのが現状である。現在、地域経済の振興を図る施策として、まちづくりに資する事業を総合的に推進しているが、その経済効果については即効性を望めるものではなく、財政運営の財源を交付税に頼る傾向が続いている。今後は、これまで主に過疎対策事業債を活用し実施してきた先述の事業を財政力の向上に確実に結びつけるとともに、税の徴収強化を推進し自主財源の確保に努める。

経常収支比率の分析欄

平成25年度から27年度までは86%台前半で推移していたが、28年度は90.6%と27年度より4.3ポイント増加、29年度においても27年度以前より上昇傾向を示す結果となっている。類似団と比較すると、平均値を上回る状況が続いている。特に近年は、経常費用の増加に対し相対的に地方交付税額の割合小さくなっていること等により、比率が高くなる傾向がある。平成25年度は、人件費の減少、地方税及び交付税の増額等により24年度より0.2ポイント減となった。平成26年度は、物件費、補助費等の上昇によりし0.4%増となる。平成27年度は、地方消費税交付金及び交付税の伸びにより0.1%減少となる。28年度については、人件費が減少したが一方で、物件費、公債費、補助費等の増加が影響し、経常費用が大きく伸びた。29年度はこれと似た傾向が続いており、経常収支比率の改善は特に見られなかった。今後も引き続き、歳入面では税徴収率の向上をはじめとする財源の確保、歳出面においては実施する事業の精査、廃止及び見直しにより経常経費の抑制に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

平成25年度から27年度まで上昇傾向にあったが28年度は減少に転じている。これは類似団体と同様の傾向を示している。平成29年度と28年度を比較した場合、人件費は退職者1人に対して新たに3人を採用したこと等により8,456千円増額となっている。物件費は、昨年度からほぼ増減はなく同様の決算状況である。類似団体平均との比較では210,678円下回っているが、和歌山県平均とでは151,953千円上回る。今後においても、適正な定員管理による人件費の抑制と物件費等の上昇を抑え一層の行政コスト縮減に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

平成23・24年度において、東日本大震災関係の財源確保のため国家公務員給与の減額措置を実施したことにより、指数が大きく上昇した。この措置は、25年度において元に戻されたためラスパイレス指数は、再び90%台前半に戻り、26年度90.0%、27年度91.4%、28・29年度91.8%と低い状態を維持している。また、類似団体平均と比較した場合でも2.2ポイント、全国町村平均より4.6ポイント下回っており、他団体に比べても比較的低い数値で推移している。当町は、職務級が5級であることから給与水準が抑えられている。今後も現状を踏まえ、給与の適性化に努めるとともに、引き続き縮減に努めていく。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

平成25年度以降、人口千人あたり15人前後の値で徐々に増加傾向にあるが、特に職員を増員しているわけではなく、これは主に人口減少の影響である。類似団体平均との比較においては9.18人下回っており、比較的低い水準である。本町では近年、退職者数に対して新規職員採用人数を抑制したり、賃金支弁による雇用を推進していること等により、類似団体と比較して職員数は比較的抑制されている。ただし、現時点の職員数においてすでに行政運営上に最低限必要な水準に達していると考えられるため、今後人口の減少が進むに従い当該指数の上昇は避けがたいと思われる。退職等による職員の入れ替わりの時期を見据えたうえで、各種業務に必要な人員を見極め、適正な人員確保及び定員管理に努めていく。

実質公債費比率の分析欄

昨年度より0.2ポイント上昇しているが、類似団体平均を3.5ポイントを下回っており比較的良好な数値を示している。平成22年度以降、過疎債を活用し大型公共工事等を実施するとともに、緊急防災・減災事業債を活用する消防救急デジタル無線の整備等の事業を行ってきた。これらの大型事業に係る地方債借入れの元金償還が徐々に始まってきているため、当指数は減少傾向から転じて今年度僅かに上昇し、今後もこの傾向が続くと考えられる。今後は、大型事業の元金償還の重複時期を迎え、交付税に算入される公債費の上昇とともに実質公債比率が上昇することとなる。そのため、起債を充当する事業にあっては、補助金の有無、実施時期の調整、精査や見直しにより数値の抑制に努める。

将来負担比率の分析欄

昨年度同様、将来負担比率については、これまで数値として現れていない状況が続いているが、現在まちづくりに資する事業として過疎対策事業債を活用し、大型事業を実施している。そのため、今後は償還額の上昇に伴い上昇傾向を示すものと考えている。今後も将来推計等状況を把握しつつ、後世への負担を少しでも軽減するよう財源措置のない地方債の発行を抑制し、公営企業への繰出金の縮減に努めるとともに、新規採用者を計画的に採用することにより将来の退職手当支給額等を抑えていく。また、新規事業の実施についても慎重な精査を行うとともに、実施時期と財政バランスを考慮し、財政健全化を推進する。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2017年度)

人件費の分析欄

平成29年度は昨年度から1.6ポイント減少し、25年度から漸次減少している。類似団体平均比較では、3.8ポイント、和歌山県平均より4.8ポイント上回っている。平成26年度は退職者5人に対して採用4人、27年度は退職者3人に対して採用1人、28年度は退職者8人に対して採用5人とするなど人件費の抑制に努めてきた。平成29年度においては退職者1人に対し3人を新規採用したため人件費は若干増加している。また、人件費の占める割合は財政規模の小さい団体ほど高くなる傾向にありが、類似団体内順位では、64団体中昨年度の50位から40位に上昇しており、人件費抑制施策の効果が表れていると考えられる。当町は、これまで徹底した財政改善策を実施、特別職の給料削減及び期末手当廃止、職員の調整手当廃止、町議会議員期末手当の廃止、管理職手当の削減、職員給料改定による削減等を実施してきたが、今後も引き続き人件費の抑制に取り組んでいく。

物件費の分析欄

近年上昇傾向を示しているが、平成29年度は昨年度より0.6ポイント減少して19.6%となる。昨年度は、フリー乗降バスの運行経費、電算システム、インターネット等運用経費、施設の管理を始め行政運営経費等により物件費の上昇が大きかった。当町では職員の雇用抑制として賃金支弁による臨時職員の雇用を行っているため人件費の抑制と引き替えに物件費が上昇している。これが要因となり、類似団体平均より4.5ポイント、和歌山県平均より6.3ポイント高い数値になっていると考えられる。物件費については、日々の行政運営を行うなかで経常費用の点検を行い、歳出削減に努める。

扶助費の分析欄

各年度ごとに多少の増減があるがほぼ一定の値である。類似団体平均と比較した場合1.3ポイント上回っており、和歌山県平均に対しては5.8ポイント下回る。年度間の推移状況は、類似団体においても似た傾向を示している。扶助費は決算額で28年度との比較で19,298千円減額といるが、障害福祉関係事業費(通所サービス費等)の増加は依然として続いている。また町単独で実施する就学児医療費助成事業等も類似団体内での順位を落としている要因となっていると考えられる。当町の事業等の数値構成をみると、障害福祉サービス費等及び老人福祉施設入所措置費が大半を占めている。今後も高齢者人口の増加等により上昇傾向が続く見込みである。

その他の分析欄

平成26年度に減少がみられたが、近年は上昇傾向にあったが、平成29年度は28年度より1.3ポイント減少した。また、類似団体平均より1.5ポイント上回っているが、その差は縮まった。平成29年度の繰出金は、介護保険、後期高齢者医療で増加したが一方で、下水道、くじらの博物館への繰出金が減少し差引きで減少となった。物件費についても昨年度に実施した水産関係の計画策定、道路橋りょう点検等の費用が29年度においては減少している。今後は、国民健康保険料の値上げを視野に入れ、特別会計への繰出の抑制に努めていく。また、下水道事業においては、経費節減を推し進めるとともに料金の見直し等を検討する。

補助費等の分析欄

近年は上昇傾向を示しており、昨年度とほぼ同水準となった。平成29年度において類似団体平均比較では5.9ポイント、和歌山県平均比較では2.0ポイント下回っている。平成27年度に26年度と比べて1.0ポイント上昇したことについては、社会福祉協議会への助成及び清掃費における一部事務組合への補助金によるもので、28年度は、国民宿舎事業への補助が皆減する中にあって、社会福祉協議会への助成が更に伸びるなどしたため上昇を示している。29年度はほぼ同様の決算状況である。類似団体内順位では、昨年度・本年度ともには64団体中10位と比較的上位である。今後も各種団体への補助金等については、毎年見直しを行うなど補助金の適性化を推し進め、経費の削減に努める。

公債費の分析欄

2年連続で上昇するも、類似団体より3.9ポイント、和歌山県平均より4.8ポイント下回っているがその差は徐々に縮まっている。要因は平成22年度から起すことができるようになった過疎債を活用し大型公共工事等を実施する一方で、緊急防災・減災事業債を活用した各防災対策事業等に係る元金償還が徐々に始まってきていることにあるが、まだ本格的には償還の重複する時期にさしかかっておらず、またこの間に元利償還が終了する事業があったため上昇は緩やかなものに留まっている。今後は、大型事業の元金償還が始まってくるため公債費が大きく上昇していくこととなる。そのため、事業実施の年度間調整を始め、過度な依存により財政を窮迫することのないよう、慎重な財政運営を行っていく。

公債費以外の分析欄

近年は上昇傾向を示している。平成29年度においては、昨年度より4.1ポイント減少となっている。類似団体平均を5.2ポイント上回っている。当町における数値の推移は、26度まで類似団体と同じような状況にあったが、27年度以降はその差が大きく開く。この要因については、物件費及び維持補修費の上昇が影響を及ぼしている。当町の費目を順位別に比較した場合、人件費は類似団体64団体中40位、物件費は50位、補助費等は10位、扶助費は56位となっている。今後も各費目において数値変動に注意し、その要因を分析するとともに、数値抑制に向けた取り組みを進めていく。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2017年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

決算額は、平成29年度歳出合計3,033,170千円で平成28年度2,375,441千円に対して657,729千円の増額であり、特に民生費の167,098千円の増額が目立つ。その他の各費目については類似団体と比較すると、多くが低位となっている。各主要費目における住民一人当たりのコストについて、減少した主な費目としては、衛生費、農林水産業費、土木費、消防費、教育費がある。土木費は、25年度から27年度にかけた大型事業の道路建設(山中2号線整備事業)等が終了し、以降事業規模が縮小している。消防費が減少した要因としては、昨年度に多機能型消防車の購入、駅舎防災複合施設の設計等を実施したため、これらにかかった費用分、29年度は減少している。教育費に大きな増減は見られなかった。衛生費についても同様に大きな増減はなかった。27年度の額が上昇したのは実施した塵芥処理施設の破砕機工事及びパッカー車購入18,758千円等があったためである。今後は既存の清掃センターの施設設備の機能維持のための費用が必要となる見込みである。増額となる費目として主なものは、総務費、民生費、商工費、公債費である。総務費は、28年度からの繰越事業である道の駅の建設が完了したこと、また森浦湾周辺施設の整備事業の実施により大きく増額している。翌年度以降も引き続き森浦湾周辺施設の整備を進めていく予定民である。民生費は、こども園建設事業を実施したため大きく増加した。商工費については28年度17,205千円から29年度25,198千円に7,993千円の増加。これは、夏山園地整備事業を実施したことによる。公債費は、22年度より過疎債を活用する大型事業等を年次を追って実施しているため償還額が増加している。今後は、これらの借入れに対する償還がはじまるため、大きく額が上昇していく見込みである。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2017年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

決算額は、平成29年度歳出合計3,033,170千円で平成28年度2,375,441千円に対して657,729千円の増額である。義務的経費においては人件費が若干増加、扶助費が減少、公債費が増加した。投資的経費についてはこども園の建設事業を実施したこと等により177,069千円の増額となる。その他の経費としては、物件費は3,703円の減額、積立金が11,185千円の増額した。類似団体と比較した場合、数値計上している費目中、普通建設、扶助費、積立金を除くすべての費目で団体内順位は低位にあるといえる。各主要費目における住民一人当たりのコストについて、減少した主な費目としては、扶助費が挙げられ、平成29年度56,590円、28年度61,251千円と、4,661円の減額となっている。扶助費については昨年度との比較で減額しているものの、これは昨年度において臨時給付金事業(31,525千円等)を実施したことにの影響であり、実質的には増障害福祉関係費用の増加などによる増額傾向が続いているといってよい。物件費は昨年度とほぼ同程度の額となった。増加となる費目としては、主なものとして普通建設事業が挙げられる。これはこども園の建設事業を実施したこと、また昨年度からの繰越事業である道の駅整備事業を実施したためである。人件費、公債費、積立金が28度より増加している。これらについては、職員の新規採用、まちづくりに資する大型事業実施に係る元利償還金等額の増加によるものである。今後もまちづくりの資する大型事業を実施するため公債費と、高齢化等に対応する扶助費の増加が見込まれるため義務的経費が上昇すると考える。

実質収支比率等に係る経年分析(2017年度)

分析欄

標準財政規模に対する財政調整基金残高は、平成18年度より減少傾向にあったが、平成24年度まで上昇に転じ、以降は僅かな減少傾向を示すも28年度で再び上昇、29年度は大きく減少した。基金残高は平成21~24年度622,457千円、平成25~28年度は5,000千円増加の627,457千円となっている。平成27年度までは、標準財政規模の僅かな伸びにより減少していたが、28年度は国勢調査の人口が更新され人口減少に伴い標準財政規模が低下したため上昇する。29年度は投資的事業の実施により基金を取崩したため減少した。また、実質収支額は、平成20~23年度は10~13%台で推移し平成24年度は、25年度への繰越事業において一般財源を計上したため減少となる。平成27・28年度は、繰越事業にかかる一般財源の計上に加え、基金の積み戻しにより減少があり10%を割っている。29年度は投資的事業の実施により剰余金が更に減少し6.85%という過去5年間で最も低い数値となった。実質単年度収支についても実質収支額同様の傾向で数値として表れている。今後は、基金の活用も視野に入れた各種事業の推進もある中で、財政バランスを考えた運営を推進していく。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2017年度)

分析欄

一般会計は平成23年度まで増加となっていたが、平成24年度は繰越事業にかかる一般財源を確保したため減少、平成27・28年度についても繰越事業にかかる一般財源の確保に加えて基金積立を実施したため低調な推移を示している。29年度では、こども園の建設、夏山園地整備事業、道の駅の完成等、投資的事業の実施により黒字額が減少している。水道事業会計の運営経費については一般会計からの繰入を行っていない。平成24・25年度は標財規模比が5%台となるも平成26年度は、水道料金の値上げにより以降上昇に転じているが29年度は経営戦略策定業務委託料を支出したたことの影響により6.85%へと下降した。近年は、人員配置等による人件費抑制や経費の節減に努めるなど健全な事業運営に努めている。くじらの博物館事業は、独立採算の事業形態をとっている。平成22年度において財産売払収入等による一時的な上昇があったが、平成23年度以降は基金を取り崩すなど標財規模比は4%台で推移する。28年度は入館者数等の営業収益の減少に加え、動物飼育関係経費の上昇もあり1.14%と減少が顕著に表れる。29年度には動物の売上収入により10.47%に大幅に上昇している。介護保険事業は、一般会計からの繰入により財政運営を行っている中で、平成23年度においてマイナスを計上、平成24年度プラスに転じるも低調な状況が続く。平成27年度は保険料の値上げをし以降1%をこえたが、29年度に再び0.77%に下降した。国民健康保険事業は、一般会計からの繰入により財政運営を行っており、医療費の増減見通しにより過去5年間では2.27%以内に留まっている。また、平成23・24年度については、翌年度精算還付等を見越した会計内の留保金等により僅かながら上昇する。また、平成25年度は保険給付費等の歳出が減少したため増加しているが、平成26年度以降は1.1%以内で低調に推移してきた。29年度は28年度に比べ、結果的に医療費が低くなったこと等により2.27%に上昇している。後期高齢者医療事業は、一般会計からの繰入で財政運営を行っており0.5%未満での推移となっている。都市計画公共下水道事業は、一般会計からの繰入で財政運営を行っており、近年は0~0.13%の間で推移している。現在、人員配置、修繕費及び新規処理設備を導入するなど経費の節減及び抑制に努めている。これらにより近年は繰出金においても減少傾向を示すが依然厳しい状況である。今後も、一般会計を始めとする各会計の収支状況を把握し、健全な財政運営に努める。

実質公債費比率(分子)の構造(2017年度)

分析欄

元利償還は平成22年度以降、過疎債を活用し、大型公共工事等を実施するとともに、緊急防災・減災事業債を活用する事業を実施しているが、これらに係る元金償還額が徐々に増え始めている。しかし、大型事業に係る償還額も上昇傾向にあるが、その間に償還が終了となる事業もあり未だ大きな数値上昇としては表れていない。合わせてこれらの償還金については交付税に算入されるあるため実質公債費比率は低く抑えられている。公営企業債の元利償還金は下水道事業会計分の元利償還金である。下水道事業は、近年は起債を行っていないため目立った伸びにはつながっていない。また、これらに加えて基準財政需要額の伸びにより実質公債費比率が減少している。今後は、過疎債充当事業に係る大型事業の元金償還が始まるにつれ大きく伸びていくが、同時に算入公債費等も伸びると考えられるため、実質公債費比率の上昇は急激なものとはならないと考えている。ただし、今後は確実に上昇が見込まれるため、上昇率の抑制に向け事業の精査等、慎重な財政運営を行っていく。

将来負担比率(分子)の構造(2017年度)

分析欄

将来負担額は、大半を一般会計等に係る地方債の現在高が占めており、次いで退職手当負担見込額、公営企業債等繰入見込額となっている。これらの推移をみた場合、一般会計の現在高は道路新設等の大型事業の実施に伴い、平成25年度から顕著な上昇をみせており、今後もまちづくりに資する事業を実施していくため上昇が見込まれる。公営企業債繰入見込は、平成27年度に将来推計の算定値として計上したため上昇に転じるが、近年、起債発行をしていないため年々減少傾向にある。しかし、下水道施設自体が老朽化している現状において、今後財政負担の要因として懸念されるところである。また、平成25年度新たに計上したものとして組合等見込額があるが、これは老人福祉施設建設に伴う市町村負担金となっている。次に、充当可能財源等については、充当可能基金及び基準財政需要額算入見込額によって構成され、合計では将来負担額を大きく上回っていることから、近年良好な数値を保っている。ただし、今後においてもまちづくりに資する事業の財源として過疎債の活用を計画しているため、将来負担額における地方債現在高が大きく伸びることとなる。過疎債は、財政措置の有利な起債であるため現在高の伸びにあわせて交付税算入され、財政需要額が大きくなると考えられるが、一般財源も必要であるため、基金の取崩しは避けられないと考える。今後は、将来負担比率の状況に注意し、堅実な財政運営を念頭に慎重に起債の発行を行っていく。

基金残高に係る経年分析(2017年度)

基金全体

(増減理由)財政調整基金は平成28年度から40,000千円の減、減災基金は10,000千円減となった。まちづくりに資する各種事業を継続して実施していることの影響等により、27年度以降、基金全体の額は同程度の額で減少を続けている。(今後の方針)現時点ではその他特定目的基金については今後積極的に積立額を増やしてく予定はなく、それほど大きく基金残高は増減しないと思われる。現在、各種施設の建設等、まちづくりに資する事業を主に地方債を財源として進めているため、将来の償還に備えて可能な限り減災基金の積立額を増やすことが望ましいが、事業の実施状況を総合的な視点で見極め、基金の適切な運用に努める。

財政調整基金

(増減理由)平成29年度には、新たなこども園の建設、道の駅整備工事の完成、森浦湾周辺施設の整備事業の実施等により、決算剰余金を積み立てることができず、取崩し額が上回った。(今後の方針)今後、まちづくりに資する事業費が増加していくことが見込まれるため、この財源として積立てる。また、これに係る地方債の借入れが必要である場合の将来の償還開始に備え、減債基金への振替えも想定しており、決算状況が許す限り積立てることが望ましいが、少なくとも基金残高が減少することがないように運用していく。

減債基金

(増減理由)元利償還は平成22年度以降、過疎債を活用し大型公共工事等を実施するとともに、緊急防災・減災事業債を活用する事業を実施しており、これらに係る元金償還額が徐々に増え始めている。償還額は上昇傾向にあるが、その間に償還が終了となる事業もあり、現時点ではまだ繰入額は抑えられている。(今後の方針)現在の地方債残高が約25億円である。地方債借入額の約8割について地方交付税の収入を見込んでおり、残りの一般財源負担が約5億円となる。現時点では、この一般財源部分の額を積立額のおおよその目標とする。ただし、現在、各種施設の建設等、まちづくりに資する事業を地方債を財源として進めているため、可能な限り積立額を増やすことが望ましいが、事業実施の可否等ついては財政状況を見極め、総合的に判断するため目標値は事業の実施状況によって変動する。

その他特定目的基金

(基金の使途)「塵芥処理場建設資金基金積立金」は新たに塵芥処理場を建設するための財源を積立てることを目的としているが、当初の建設計画が変更となったため、現時点では具体的な使用予定はない。「石垣記念館運営積立金」は太地町石垣記念館の運営費用に充てることを目的としている。太地町ふるさと創生事業積立金は太地町の歴史、伝統、文化、産業等を活かし、独創的、個性的な地域づくりを行うふるさと創生事業の財源を積み立てる。「太地町地域福祉基金積立金」は高齢化社会における高齢者の在宅福祉の向上、健康づくり、ボランティア活動の活発化等図るため民間団体が行う高齢者保健福祉推進事業に、この基金から生ずる運用益金でもって助成することを目的とする。「太地町福祉基金」は高齢化社会における地域福祉活動の促進、生活環境の形成等図ることを目的とする。(増減理由)まず、平成28年度に道の駅建設に伴う土地購入の財源として「太地町ふるさと創生事業積立金」から29,660千円の繰入れを行った。また、「石垣記念館運営積立金」からは記念館の運営費として毎年度約4~5百万円を取崩している。(今後の方針)その他特定目的基金については今後積極的に積立額を増やしてく予定はなく、地域振興及び地域福祉の充実等を実現するため、これらの限られた財源を最大限有効に運用していく。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2017年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

特に本庁舎をはじめとして、大方の施設が建設からかなりの年数が経過している。修繕等による長寿命化を図ることを施設管理の基本方針としているため、今後も減価償却率の上昇が見込まれる。ただし、全体として減価償却率が高いなかにあって、防災・消防施設については防災施策を推進している結果として比較的、減価償却率が低くなっている。その他の既存の施設については、防災の観点から、津波対策の施設移転等が必要であり、平成29年度末に、幼稚園と保育所を高台に移転させる形で、新たにこども園を建設した。このような方策により、今後の減価償却率の上昇幅はある程度抑制されていくと考えられる。

債務償還可能年数の分析欄

現在、積極的にまちづくりに資する事業を進めており、これの財源として地方債を活用しているため、自治体規模に対して実質債務の額が比較的高くなっている。このため、債務償還可能年数が類似団体と比較して高くなっていると考えられるが、地方債の借入れ等については適切な範囲で行われている。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担額のうち、大半を「一般会計等に係る地方債の現在高」が占めている。これについては道路新設等の大型事業の実施に伴い、平成25年度から顕著な上昇をみせており、今後もまちづくりに資する事業を実施していくため上昇が見込まれる。ただし、起債にあたっては財政措置率の高いものを選択しているため、基準財政需要額算入見込み額が増加するなどして充当可能財源等が将来負担額を上回っており、将来負担比率として数値化されていない。今後も、まちづくりに資する事業の実施にあたり地方債の活用を続けていく方針であるため、将来負担額は更に増加する見込みである。有形固定資産減価償却率の高さが示すとおり、本庁舎をはじめとして大方の公共施設が建設からかなりの年数が経過している。ひとつには下水道施設の老朽化等が、将来の財政負担を大きくする要因として挙げられる。新規の投資的事業の実施にあたっては、既存の公共施設の機能の維持管理に係る財政負担とのバランスに配慮していく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

実質公債費比率は単年度で近年減少傾向を示していたが、平成22年度以降まちづくりに資する事業の実施のため過疎債を中心に多額の借入れを行っており、平成29年度より元金償還額が大幅に増加している。これにより今後、実質公債費比率は上昇していく見込みである。また、「公営企業に要する経費の財源とする地方債の償還に充てたと認められる繰入金」について、国民宿舎事業の会計廃止により26年度で償還が完了し、現在は下水道事業のみとなっている。下水道事業においては、近年借入れがないことから償還額は減少しているが、下水道施設の老朽化が懸念事項となっている。将来負担比率については先述のとおり、主に地方債の借入れにより今後の上昇が見込まれるため、新規事業の実施にあたってはより慎重に投資・財政計画をたてる必要がある。

施設類型別ストック情報分析表①(2017年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

類似団体と比較して、大方の施設の減価償却率が高くなっている。特に公営住宅、港湾・漁港施設、学校施設の減価償却率が高い。町内2箇所にある公営住宅は補修により長寿命化を図る。港湾・漁港施設も建設から年数が経っているが、平成27年度に、太地漁港機能強化策定業務を委託し現状の機能を検査し、平成28年度には漁港施設の老朽箇所を把握するための点検を実施したうえで、「漁港機能保全計画」を策定した。この計画に基づき、平成30年度には改修及び補強工事を実施した。今後も改修事業を進めていく予定である。幼稚園、保育所の園舎は老朽化が進んでいたため、昨年度までは減価償却率が高かったが、この2施設を統合する形で平成29年度末に新しいこども園が完成したため、減価償却率は大きく低下している。学校施設については、現在小中学校が一校ずつあり、特に小学校校舎は建設から年数が経っている。人口に対して保有している施設が特に多いという状況にはないため、今後の施設管理の基本方針として統廃合を推し進めていくのは困難である。また、特定の施設については防災・津波対策の観点から、移設等の検討が必要であると考えられる。

施設類型別ストック情報分析表②(2017年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

現在、防災対策事業を推進しているなかにあり、防災施設等の整備が進んでいる。そのため消防施設等の減価償却率はその他の施設と比較して低くなっている。庁舎は他のすべての施設のなかでも特に建築から年数が経過しており、耐震等の対策が必要である。また立地が海沿いであることから、防災の観点から移転等の対策を検討することが必要である。また、一般廃棄物処理施設は廃棄物の処理業務にあたり、設備使用に伴う機械類の摩耗等のため、経常的に機械等の修繕や取替が必要であり、他の施設と比較し維持コストが高くなっている。

財務書類に関する情報①(2017年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計においては、資産総額のうち有形固定資産の割合が約76%となり前年度より増加した。有形固定資産が前年度から644百万円増加したのは、「太地こども園」、「道の駅たいじ」を新設したこと等による。有形固定資産のうち大半が建設からかなりの年数が経過している施設であるため、今後は維持管理・更新等の費用が発生する。公共施設等総合管理計画等に基づき施設の適正管理に努めていくが、施設修繕等による長寿命化を図ることを基本方針としているため、今後も減価償却率は上昇していくことが予測される。一方、負債の部については、「太地こども園」及び「道の駅たいじ」の建設事業の財源として地方債の借入れを行ったため、地方債の額が増加している。平成25年度以降、山中2号線道路新設工事等のインフラ整備実施に伴い地方債の額は増加しており、今後も継続的にまちづくりに資する各種施設の整備を進める計画があるため、地方債の増加傾向は続くと予測される。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

経常費用が2,273百万円(平成28年度)から1,897百万円(平成29年度)に減少したため純行政コストが下がっている。経常費用が下がったのは減価償却費が減少したからであるが、これは固定資産の計上誤りが原因で、平成28年度において減価償却費が過大に計上されていたためである。よって平成29年度の値が本来の適正な値であり、前年度と比較して行政コストに大きな変動は無い。純資産変動計算書によると、純行政コスト1,802百万円に対し税収・補助金等の財源が1,809百万円であり、わずかにプラスで均衡している。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

純資産残高が前年度との比較で4,237百万から4,073百万円に減少した。前年度において過大計上されていた減価償却費が適正に算定されたことで、純行政コストが下がり1,802百万円となった。行政コストに対し税収・補助金等の財源は1,809百万円となり、わずかにプラスで均衡している。一方で、平成29年度中に「太地こども園」や「道の駅たいじ」といった固定資産を新たに取得しており、これは地方債の発行による資産形成であるため、純資産のうち固定資産等形成分が7,692百万円、純資産余剰分(不足分)が△3,619百万円となり前年度より剰余分のマイナスが大きくなっている。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

平成29年度の一般会計においては、業務活動収支は177百万円であり、通常の行政サービスの財源は確保された良好な状況を保っている。投資活動については「こども園建設事業」、「道の駅整備事業」を実施したことから収支は△808百万円とマイナスが大きくなった。財務活動については、先述の事業の資金調達のため新たに地方債を発行したため収支が593百万円となり、積極的に施設整備に投資していることを示す結果となった。本年度末資金残高は前年度より38百万円減少し、105百万円である。

財務書類に関する情報②(2017年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

平成29年度においては資産総額のうち76%を有形固定資産が占めている。これらの有形固定資産の多くは建設からかなりの年数が経過した施設である。本庁舎をはじめとして、建物全般の減価償却率は類似団体と比較すると高く、住民一人あたりの資産額が比較的小さいのは、各施設の老朽化(減価償却)が進んでいることが一因として挙げられる。また当町の面積が小さいため、無駄の少ない施設配置ができているとも考えられる。なお、平成29年度においては「太地こども園」、「道の駅たい「じ」を新たに建設し、固定資産として取得している。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

社会資本等形成に係る将来世代の負担の程度を示す将来世代負担比率は、類似団体平均より高い数値を示している。これと関連して純資産比率については、地方債を財源として施設整備を進めている結果、資産合計に対する純資産の比率が比較的低い。今後も、まちづくりに資する事業を実施するにあたり地方債の活用を続けていく方針であるため、地方債発行額は更に増加する見込みである。新規の投資的事業の実施にあたっては、既存の公共施設の維持管理にかかる財政負担とのバランスに配慮し、将来世代に負担が偏ることのないよう計画する。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

減価償却費が減少する等して経常費用が減少し、前年より純行政コストが340百万円下がった。これは平成28年度において固定資産の計上に誤りがあり、減価償却費を過大計上していたことが原因であり、平成29年度の値が適正な値である。当町は面積が狭く、これにより効率の良い行政サービスの運用ができていることが比較的、行政コストが低い一因であると考えられる。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

負債のうち地方債については、山中2号線道路新設工事などの大型事業の実施に伴い、平成25年度以降大幅に増加しており、今後も地方債を活用し、まちづくりに資する事業を積極的に実施していくため、負債の増加が予測される。平成29年度においては、「太地こども園」や「道の駅たいじ」等の資産形成のために新たに地方債を発行している。現時点で類似団体平均との比較においては、住民一人あたりの負債額は低い数値を示していることから、地方債の発行状況は健全なものであると考えられる。ただし、新規の投資的事業の実施にあたっては、将来世代に負担が偏ることのないよう計画する必要がある。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は類似団体平均と同程度である。今後は公共施設等総合管理計画等に基づき、老朽化した施設の維持管理を適正な方法で行い、可能であれば減少した人口に見合った規模の施設へと集約・縮小するなどして維持費等の経常費用の削減に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,