裾野市：簡易水道事業（法適用）【地方財政ダッシュボード】

経営の健全性・効率性について

各指標について前年度までと大きな変動があるが、その要因として、全国的には公営企業会計の制度改正によるもの、当市としては料金改定および経費の削減が挙げられる。料金改定により経常収支比率は向上し、また近年企業債の借入はしていないため、企業債残高対給水収益比率は類似団体と比較して低いものとなっている。また、前年と比べ費用の減少等もあり、料金回収率や給水原価についても類似団体平均を上回るものとなっている。しかしながら、近年の節水意識、節水機器の普及から有収水量が減少傾向にあること、当市の有収率については、類似団体平均を大きく下回るものとなっていることや近年上昇していないことなどから、有収率の改善に向けた対策と将来施設更新等に備えた財政面を含めた計画の見直しと実行が必要である。

老朽化の状況について

いずれの指標についても、当市当該年度の値は類似団体平均と比較し良好な数値ではあるものの、有形固定資産減価償却率、管路経年化率については年々上昇しており、施設・管路更新の時期を迎えていることがわかる。また、管路更新率については、類似団体平均と近年大きな差はないものの、更新サイクルを考えた場合、現在保有する全ての管を更新するには時間がかかりすぎてしまうことがわかる。施設・配管の正確な状況把握と、将来を見据え統廃合を含めた更新計画の見直し、実行に移すことが必要である。

全体総括

平成26年度においては、18年ぶりとなる料金改定を実施したことにより、給水収益の増収及び費用の削減により、経常収支比率が向上するなど経営面での改善が結果として現れた形となった。しかしながら、水道事業を取り巻く環境は全国的にも厳しい状況にあり、健全な状態が将来にわたり続くものである保証はない。当市においても有収水量が減少傾向にあるのと合わせて施設・管路については更新の時期を迎えていることなどから、将来にわたり健全経営、安定供給するために、財政面のさらなる強化と費用削減などの経営努力、施設等の統廃合や管路布設替え等による老朽施設、漏水対策による有収率の向上などの課題を、計画的かつ効率的にクリアしていく必要がある。

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