2022年度 2021年度 2020年度 2019年度 2018年度 2017年度 2016年度 2015年度 2014年度 2013年度 2012年度 2011年度 2010年度
3ヵ年平均では1.020と前年度から0.01ポイント上昇している。類似団体、全国平均及び埼玉県平均からみて高水準を維持している。なお、単年度の財政力指数については、前年度と同じ1.035となっている。当市の財政力指数が高い主な要因は、類似団体平均を上回る市税収入であり、今後も都市基盤整備事業の推進により固定資産税等の増加が見込まれることから、財政力指数は増加していくものと見込んでいる。
経常収支比率は前年度から1.3ポイント上昇し、89.5%となった。分母となる経常一般財源については、地方税や地方消費税交付金等の増加により前年度比+171,888千円となったものの、分子となる経常的事業に充当した一般財源については、人件費、扶助費及び補助費等に充当した一般財源の増加に伴い、前年度から72,945千円増加し、結果として経常収支比率が前年度より悪化した。今後は比率の改善に向けて経常経費の更なる削減を行うとともに、徴収対策を強化し地方税の確保に努める。
人口一人当たり人件費・物件費等決算額については、前年度より68円増加した101,236円となった。過去5年間を比較すると概ね横ばいに推移している。これまで人件費の抑制、事務の効率化を図るため民間委託等を推進してきたが、平成29年度は人件費について、給料表改定や期末勤勉手当、扶養手当の改正及び職員数の増加などにより前年度より約1億2千万円の増加となった。物件費については、前年度は衆議院議員通常選挙に係る特殊要因(-23,167千円)があったことから、総額で約1億円減少した。類似団体内では低水準を維持しているものの、物件費のうち委託料が大きい割合を占めており、今後も経常的な委託事業の見直し・再精査を行い、物件費の抑制に努める。
ラスパイレス指数は職員構成の変動等はあったものの、前年度と同じ101.3となった。今後も、人事院勧告や近隣市を考慮し適正化に努める。※平成29年度数値については、前年度数値を引用している。
これまでの定員適正化の取組において、事務事業の見直し、民間委託の推進等を積極的に推進してきたことにより、県内の地方公共団体や全国の類似団体に比べて少ない職員数で行政運営を行っている。今後は、現在の職員数を指標としながら、社会構造の変化、権限移譲等の推進により増大する行政需要を的確に把握し、効率的に事務を執行できるよう常に最適な職員数の実現に努める。
実質公債費比率は、前年度と比較して0.1ポイント下降した2.7%となった。分子では元利償還金の額が7,880千円増加したものの、元利償還金に準ずる金額が減少し、また、都市基盤整備の進捗により都市計画税充当可能額が増加したことから、分子全体で-40,787千円となった。更には、分母となる標準税収入額等が前年度に比べ143,437千円増加したことも大きな要因として挙げられる。現状は類似団体平均・全国平均・県内平均を下回っているが、平成27年度に新たに建設した小学校の元金償還が平成31年度から大きく増加するなど、今後は比率が悪化するものと見込んでいるため、将来世代に過度な負担を残さないよう、計画的かつ安定的な財政運営が必要である。
将来負担比率は前年度と比較して4.1ポイント増加した61.2%となった。類似団体平均・全国平均・埼玉県平均を大きく上回っている。主な要因としては、区画整理事業等の都市基盤整備の推進により地方債による将来負担額が増加していることや、不交付団体であることから臨時財政対策債の発行額が皆減し、将来負担額から差し引く元利償還金等に係る基準財政需要額参入見込額が大幅に減少していることが考えられる。今後については将来世代に過度な負担を残さないよう、計画的な地方債の借入れを行い、将来負担の低減に努める。
人件費について、前年度から0.6ポイント上昇した22.4%となった。増加の主な要因は給料表、各種手当の改正及び職員数の増加によるものである。しかし本市では人件費の抑制を図るため公共施設の指定管理者制度の活用や職員の再任用制度を活用するといった取組を行ってきたことにより、人件費の比率は類似団体等各平均値を下回っている。今後も効率的な行政運営を行い、人件費の適正化に努める。
物件費について、前年度から1.3ポイント下降した25.2%となった。本市の物件費の比率は類似団体等各数値を大きく上回っている。これは、これまで人件費の抑制のため公共施設の指定管理者制度の活用や事務の効率化を図るためのシステム導入などを推進してきたことが要因である。今後は委託事業の精査、見直しを行うことにより、物件費の抑制に努める。
扶助費について、前年度から0.4ポイント上昇した14.0%となった。本市の特徴として子育て世帯が多いことから、子ども・子育て支援施策を重点的に行っており、保育園待機児童解消に向けた児童福祉費が年々増加していることが主な要因である。また、社会保障関連経費も全体的に逓増していることから、扶助費の大幅な削減は難しいが、平成31年度に第二次和光市行政改革推進計画における取組事項として扶助事業の見直しを行うことから、今後は財政を圧迫する上昇傾向に歯止めをかけるよう努める。
その他について、前年度と比較して概ね横ばいの7.5%となった。その他のうち繰出金について、後期高齢者医療特別会計及び介護保険特別会計への繰出金が前年度に比べ増加している。本市の比率は類似団体等各数値を大きく下回っているが、今後も適正化に留意する。
補助費等について、前年度から1.3ポイント上昇した10.2%となった。比率はほぼ横ばいで推移しており、今後も「和光市健全な財政運営に関する条例」に基づき、補助金の公益性について見直しを行い、補助費等の適正化に努める。なお、平成31年度に第二次和光市行政改革推進計画における取組事項として補助事業の見直しを行い、今後さらなる改善に努める。
公債費について、前年度から0.1ポイント下降した10.2%となった。主な要因は、平成4年度に借り入れた新庁舎建設に係る公債費の償還が終えたことが挙げられる。現状では類似団体平均等に対して低い水準を保っているが、平成27年度に新設した学校建設に係る元金償還が平成31年度から大幅に増加することから、今後は公債費の増加が見込まれる。今後は公共施設の更新や区画整理事業等、普通建設事業による地方債残高の増加がさらに見込まれるが、元金償還額と地方債発行額のバランスに留意し、地方債残高の抑制に努める。
公債費以外について、前年度から1.4ポイント上昇した79.3%となった。経常収支比率は、類似団体・全国・埼玉県平均を下回っているが、公債費以外の数値では、全ての平均を大きく上回っており、当市では公債費が他自治体に比べ低水準でありながら、他の経費が突出して多いということが判る。今後は公債費も増加することが見込まれることから、物件費等の経常事業の見直しや扶助費や補助費の適正化に努め、比率の改善を図る。
(増減理由)平成30年度に行う国有地購入の財源とするため、公設民営保育園跡地を民間事業者に売却した財産収入185,803千円を公共用地取得事業基金に積み立てたことにより、基金全体で100,105千円の増加となった。(今後の方針)財政調整基金現在高については、ここ数年、標準財政規模の約7%の水準に留まっており、経済状況の変動や自然災害等不測の事態の支出に対応するための資金として10%の比率を目標値に掲げている。その水準に達するまでは優先的に財政調整基金に積み立てることとしている。また、区画整理事業などの都市基盤整備事業の進捗や、各種公共施設の老朽化対策を計るため、都市基盤整備基金、公共施設整備基金及び学校教育施設整備基金については、一定額の残高を確保していきたい。
(増減理由)平成29年度末の財政調整基金現在高は1,081,485千円となり、前年度に比べて12,481千円増加したが、前年度及び当該年度については、予算調製における財源不足への充当が主なものであり、大きな増減は無く構造的なものである。(今後の方針)和光市中期財政計画において、経済状況の著しい変動や災害発生等に伴う不測の支出に対応するために必要な資金として、標準財政規模の10%を目標値に定めており、約15億円に達するまでは優先的に積み立てることとしている。
(増減理由)平成29年度公債費に全額充当したことによる皆減。(今後の方針)当面の間は満期一括償還等を採用しないため、積み立てを行わない。
(基金の使途)・公共用地取得事業基金:公共用地取得事業資金に充てるためのもの。・都市基盤整備基金:都市基盤の整備にかかる事業の資金に充てるためのもの。・公共施設整備基金:学校教育施設を除く公共施設の建設、改修、増設その他の整備の資金に充てるためのもの。・学校教育施設整備基金:学校教育施設の建設、改修、増設その他の整備の資金に充てるためのもの。・まちづくり基金:個人、団体等から広く金銭の寄附を募り、寄附を行う者の意向を政策に反映させることにより、寄附を通じた多様な人々の参加による活力あるまちづくりを実現することを目的として積み立てるもの。(増減理由)・公共用地取得事業基金:公設民営保育園跡地を民間事業者に売却したことにより増加。平成30年度に行う国有地購入の財源とすることから現在高を増加させている。・都市基盤整備基金:土地区画整理事業などの都市基盤整備事業の財源としたことにより減少。・公共施設整備基金:清掃センターの老朽化に伴う改修事業費の財源としたことにより減少。(今後の方針)各会計年度において、都市基盤整備基金については1億円以上、公共施設整備基金については5,000万円以上を積み立てるよう要綱を定めており、それぞれの基金については、都市基盤整備事業の推進や、公共施設の老朽化が今後も進むことから一定額の残高は確保していきたい。
有形固定資産減価償却率は、前年度から1.5%上昇した57.7%となった。小中学校の非構造部材耐震化工事などの公共施設関連工事があったものの、それを上回る減価償却が進行したことによるもの。今後、公共施設の老朽化に対応した対策が必要となってくる。他市と比較した順位は中位であり、他団体比較という観点では平均的な状況であることがわかる。
将来負担比率は4.1%上昇した61.2%となり、有形固定資産減価償却率は1.5%上昇した57.7%となっている。将来負担比率の上昇は、分子が増加したことによるもので、将来負担額が地方債の現在高の増により増加したことと、充当可能財源等について基準財政需要額参入見込額が減少したことが主な要因である。有形固定資産減価償却率の水準の上昇を踏まえ、今後の公共施設の老朽化に対応した対策が必要となってくることがわかる。
将来負担比率は平成25年度と比較して19.8%増加した61.2%となっているが、これは主に平成27年度に和光市立下新倉小学校を新設したことによるものである。一方、実質公債費比率は平成25年度と比較して0.5%減少した2.7%となっているが、これは過去の地方債の償還が進んだ一方、小学校の新設に伴う償還が開始となっていないことによる影響が主な要因である。類似団体の傾向は将来負担比率、実質公債費比率ともに減少していっている傾向にあるが、これと異なる傾向となっているのは上述の和光市立下新倉小学校の新設による影響である。
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