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平成12年度の0.23以降、財政力指数は微増していたが、平成19年度の0.27以降は低下傾向にある。平成30年度は0.24と前年度ほぼ同様の指数となったが、全国平均を大きく下回っている。これは、町内に大規模な企業がないことや、人口減少に加えて全国平均を大きく上回る高齢化率(平成30年10月1日現在38.1%)による生産年齢人口の減少が大きく影響し、地方財政計画などで言われているような税収の増加が見込めないことなど、財政基盤が弱く独自財源が極めて少ないことが要因である。また、これまで実施してきた大型事業による地方債の償還が依然として高い状況で、その分基準財政需要額が減少していないことも影響している。平成25年度以降、納税相談員(徴収専門員)や徴収アドバイザーを設置し、平成26年度からはコンビニ収納を導入するなど、町税の徴収体制の強化を図っているが、さらなる徴収率の向上を図り歳入を確保するとともに、今後もこれまで実施してきた行財政改革に基づいた経常経費の削減に努め、財政の健全化を図っていく。
平成29年度と比較して比率は0.4ポイントとわずかに改善したが、この最も大きな要因は扶助費の減で1.0ポイント減となったが、これは、臨時福祉給付金給付事業が完了したためである。経常収支比率のおよそ4分の1は公債費が占めているが、行財政改革以降、新規地方債の発行基準を設定して、できる限り地方債発行の抑制を図っており、今後も基本的にはこの基準を継続していくことで、公債費の減少を図っていく。ただし、平成26年度から平成29年度にかけて、町の大規模プロジェクトとして町民交流センターの建設に取り組んできたことから、その財源である地方債の償還や施設管理費など、今後当面して経常収支比率の上昇が見込まれるため、公債費以外の経費について、以前の行財政改革の基本方針を継続してさらなる抑制に努める。
平成17年度に策定した「新たな大石田町を目指した自立計画」における基本方針に基づき、これまで物件費などの経常経費については予算編成時にマイナスシーリングを継続的に実施してきたこと、また、人件費については職員数の抑制に加えて特別職給与の独自削減を実施してきたことなどで、類似団体内平均を下回ってきたが、平成29年度は10%程、平成30年度は7%程上回った。これは、平成29年9月に町民交流センターの一般開放が始まり、複合施設の各部門のにおいて人件費・物件費等が増加したこと、平成29年度に利用を停止した施設の解体を始めたことによることから、適正な施設運営を図り、経費抑制に努める。
以前は、特別昇給等を継続的に実施してきたが、現在では、特殊勤務手当や退職時特別昇給などは廃止している。国家公務員の時限的な給与改定特例法の措置により平成23年度と平成24年度は100.0を超える指数となっていたが、この措置がない場合の参考値については平成25年度が96.3となる。平成30年度については、人事院勧告に対応する措置として県に準拠する内容で職員の給料額が上昇しており、これが要因となって類似団体内平均よりも2.5ポイント高い指数となっている。当該資料作成時点(令和2年1月末時点)において、令和元年度調査結果が未公表のため、前年度の数値を引用しているが、類似団体内平均を上回る指数で推移しているため、給料表における職務職階制の原則を順守するなど、定員管理と合わせて給与の適正化に努める。
平成14年度以降、職員の新規採用を抑制してきたことにより、類似団体内平均とほぼ同程度の数値で推移してきた。ただし、ここ数年は保育士や保健師などの専門的な職員を採用していることで、平成30年度は類似団体内平均をわずかに上回っている。今後も、自立計画における基本方針を継続していくことにより、より適正な定員管理に努める。
第5次大石田町総合振興計画に基づいて実施してきた大型事業における地方債の償還が高止まりで推移してきたこと、また、地方債の償還のための公共下水道事業(一部事務組合)への負担金や農業集落排水事業に対する繰出金の影響が大きく、類似団体内平均を2.4ポイント上回っている。しかし、大型事業の償還については順次終了してきており、また、新規地方債の発行については年間の償還元金の1/2以内とすることを原則として事業を実施していることなどが要因となって、平成23年度以降18%を下回り、年々改善してきた。平成29年6月に完成し9月から一般開放している町民交流センターに係る地方債の償還が始まる時点で比率の上昇が見込まれるが、ダム建設に係る債務負担が平成27年度で終了したこと、新規事業を厳正に厳正に取捨選択して新規地方債の発行をできる限り抑制していくことで、今後も比率の更なる改善に努める。
平成13年度からの第5次大石田町総合振興計画に基づいて実施してきた道路改良事業や土地区画整理事業、地方債現在高のおよそ29%を占める臨時財政対策債など、標準財政規模の2.42倍となる地方債現在高が大きく影響し、将来負担比率は類似団体内平均と比較すると、非常に高い比率となっている。近年では、行財政改革で設定した基準により新規地方債の発行を抑制しており、大型事業の償還も順次終了している。また、長年続いてきたダム建設に係る国営村山北部土地改良事業負担金の償還が平成27年度で終了したことで、その分の将来負担が軽減される。しかし、町内の流雪溝整備事業が今後も継続するほか、平成26年度から平成29年度にかけて町の大規模プロジェクトとして町民交流センターの建設に取り組んできたことから、その財源として8割ほどを地方債により確保してきたこともあり、来年度は数値が一時的に上昇する見込みである。今後、新規事業の実施に当たっては厳正に取捨選択を行い、より一層の財政の健全化に努める。
平成14年度以降職員の新規採用を抑制してきたこともあり、人件費の比率はほぼ横ばいの水準で推移しているが、依然として類似団体内平均よりも高く、平成30年度では4.5ポイント上回っている。平成23年度以降は地方議会議員年金制度の廃止に伴う議員共済組合負担金の大幅な増が人件費に影響しているほか、ここ数年、人事院勧告に対応する措置として県に準拠する給料表に改定しているなど、職員の給料額が上昇していることも、比率が高い要因となっている。これまで、自立計画に基づいて職員数を減員してきており、今後も適正な定員管理と合わせて給与の適正化を図り、人件費の抑制に努める。
平成17年度に策定した「新たな大石田町を目指した自立計画」に基づいて、物件費についてはこれまで予算編成時にマイナスシーリングを設定し、経費の抑制を図ってきた。また、物品等の集中管理・購入方式を行うことや、長期継続契約を推進することなどにより経費の節減を図ってきた結果、類似団体内平均を4.3ポイント下回った。今後もこのような水準を維持していくよう努めるが、平成29年9月から町民交流センターの一般開放が始まり、それに伴う物件費等が増加することや、平成29年度に利用を停止した施設の解体費、適正な施設運営を図り、経費抑制に努める。
高齢化率が平成29年10月1日現在で38.1%と山形県平均や全国平均よりも高いことや、平成23年度には小学生までの児童医療の無料化、さらに、平成24年度からは対象範囲を拡大して中学3年生までの医療費を無料化していることなどの要因があり、類似団体内平均と同程度で推移してきたが、平成30年度については1.4ポイント下回った。扶助費については、今後も医療費等の社会保障関係に要する費用の増加傾向が続くと見込まれるため、資格診査等を厳正に行うことや各種予防活動の充実を図るなど、財政を圧迫するような扶助費の上昇傾向に歯止めをかける取り組みを進めていくよう努める。
その他に係る経常収支比率は、平成23年度以降、類似団体内平均を上回る比率で推移してきており、平成30年度は1.9ポイント上回っている。当町は全国でも有数の豪雪地帯であることから、降雪の状況によって維持補修費が大きく変動するが、特に平成24年度以降は3.0ポイントを超える比率となっており、平成30年度では2.5ポイントとなっている。また、国民健康保険特別会計や介護保険特別会計に対する繰出金が年々増加傾向にあること、農業集落排水事業特別会計における地方債の償還が当面高水準で推移することからその公債費繰出金も大きな割合を占めている。
補助費等については、類似団体内平均とほぼ同程度の水準で推移してきており、平成30年度は類似団体内平均を2.7ポイント下回った。補助費等の経常的な経費としては、隣接する尾花沢市への常備消防事務委託料のほか、尾花沢市大石田町環境衛生事業組合をはじめとする一部事務組合への負担金が90%以上を占めており、これらについては、今後もほぼ同程度で推移すると見込まれる。また、町独自での補助金等の助成団体は極めて少ないが、各種団体の決算書等を通して補助金の必要性を検討するなど、今後も抑制に努める。
平成13年度からの第5次大石田町総合振興計画に基づいて実施してきた道路改良事業や土地区画整理事業などの大型事業における地方債の償還が影響し、類似団体内平均を5.6ポイントと大きく上回る比率となっている。また、平成26年度からは2校を1校に統合するために建設した大石田中学校に係る大きな償還が始まっている。公債費が高止まりの状況はもうしばらく続く見込みであるが、以前の大型事業の償還は順次終了しており、また、新規地方債の発行は年間の償還元金の1/2以内とする基準を原則としており、地方債残高は年々減少してきた。平成26年度から平成29年度にかけて町の大規模プロジェクトとして町民交流センターの建設に取り組み、その財源確保のために多額の地方債を発行してきたが、それ以外の事業については地方債発行に係る原則を順守していき、事業の実施に当たっては費用対効果を適正に判断しながら新規地方債の抑制に努める。
平成29年度と比較すると、経常収支比率は91.6%から91.2%と0.4ポイント減少した。比率全体では類似団体内平均を1.0ポイント下回っており、前年度よりも0.7ポイント減少したが、経常収支比率のうち21.3%を公債費が占め数値も高い状況である。平成30年度から町民交流センターの運営が通年となり維持管理費が増大したことやふるさと応援寄附額の増加による積立金の上昇が数値の改善幅が低い要因である。できる限り財政を圧迫する状況に歯止めをかけ、各経費を抑制していくよう努める。そのほかの比率については、若干の増減があるものの前年度とほぼ同程度の比率となった。
(増減理由)基本として財政調整基金から繰り入れを行い財源を確保してきた。また、これまで町立小中学校の統合に伴い、廃校かつ耐震性を満たしていない複数の校舎等の解体工事、町民交流センターの建設に取り組んできたが、決算剰余金等を各種基金に積み立て、必要に応じて繰り入れを行いながら事業を行ってきたため、年度間において基金の増減が発生している。(今後の方針)決算剰余金等を優先順位に従い、各種基金に積み立てていく。また、必要に応じ、特定目的基金からの繰り入れを行い、財政調整基金を予算編成に対する不足財源として確保できる額を積み立てながら必要に応じ活用していく。
(増減理由)・扶助費の増額による財源の確保と町の大規模プロジェクトとして町民交流センターの建設に取り組んできたことにより減少している。(今後の方針)これまでは、6億円程度を維持しながら不慮の財源に備えてきたが、平成20年度以降の国の緊急経済対策による臨時交付金を活用できたことで、その期間は財政調整基金を取り崩さずに財政運営を行うことができた。しかし、それ以降は、町立小中学校の統合に伴い、廃校となりかつ耐震性を満たしていない複数の校舎等の解体工事を行ったことなどもあり、自主財源の確保が厳しい中で各種事業を実施するために、平成24年度以降は、毎年度財政調整基金を取り崩しながら対応している状況である。今後も6億円程度を維持しながら不慮の財源に備えていきたい。
(増減理由)近年は施策として具体的な減債対策を行っていないため、利子等運用額のみ増加している。(今後の方針)繰り上げ償還等不測の事態に備え、現積立額を維持していく。平成13年度まで減債基金を活用して繰上償還を実施してきており、その後、地方債の発行を抑制することによって減債を図ってきた。原則として地方債の新規発行を償還元金の2分の1以内とするルールを設定している。また、平成19年度から平成21年度にかけては、減債基金や借換債を活用して、公的資金保証金免除繰上償還を行うなどの減債対策を実施してきた。6月に完成した町民交流センターの建設により地方債残高は大きく増加するが、今後は、振興実施計画を基本として計画的な事業実施を図るほか、将来的な減債対策に対応できるよう財政状況を見ながら減債基金を積み立てることも必要である。
(基金の使途)・公共施設整備基金:公共施設の大幅な改築や修繕を行う際に充当。・大石田町ふるさと応援基金:自然と文化を後世に残していくために行われる事業に充当。(増減理由)・公共施設整備基金:公共施設の大幅な改築や修繕に充当。・大石田町ふるさと応援基金:返礼及び事務に係る経費を除いた寄附額をまちづくりの費用に充当した残額を毎年積み立てたことによる増加。・学校建設基金:小学校の統合に向け基金は減少させず増加させる必要があるため、利子等運用額のみ増加している。(今後の方針)・学校建設基金:小学校の統合に向け、起債の償還を行いながら決算剰余金等を積み立てていく。
以前の大型公共事業の償還がここ数年で順次終了し元利償還金が年々減少してきたが、平成29年度完成の町民交流センター整備事業において、総事業費のおよそ8割となる24億円の地方債を発行したため、地方債現在高が大きく増加した。また、その元金償還も平成31年度から始まることから、実質公債費比率の上昇も見込まれるため、全体的な元利償還金の減少を目指しつつ、将来にわたり適正な財政運営が可能となるよう、町の負担縮小に努め、財政の健全化を図っていく必要がある。
実質公債費率、将来負担比率ともに、類似団体内平均値より高い水準で推移している。実質公債費率については、以前の大型公共事業の償還がここ数年で順次終了し元利償還金が年々減少していることから、比率は低下傾向にある。将来負担比率についても年々減少してきたが、平成29年度完成の町民交流センター整備事業において、総事業費のおよそ8割となる24億円の地方債を発行した。そのため、平成27年度から平成29年度にかけて地方債現在高が大きく増加し、将来負担比率の上昇が見込まれる。また、その元金償還も平成31年度から始まることから、実質公債費比率の上昇も見込まれるため、全体的な元利償還金の減少を目指しつつ、将来にわたり適正な財政運営が可能となるよう、町の負担縮小に努め、財政の健全化を図っていく必要がある。
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