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全国平均を上回る高齢化率や、人口減少・固定資産評価額の低下による個人・法人関係の減収に加え、村内の基幹産業である林業を中心に産業の活性化が望めないことから、財政基盤が弱く、類似団体平均を下回っている。引き続き、退職勧奨及び新規採用の抑制等による人件費の削減、投資的経費の抑制と徹底的な歳出の削減に取り組み、住民サービスの低下を回避することを考慮しながら行政の効率化を目指し、財政の健全化を図る。
歳出においては、前年度と比較すると、物件費の増加は見られるが他の経常一般財源については減少している。しかしながら、歳入においても、唯一の依存財源である地方交付税が前年度比9.0%減額となり、経常一般財源が大幅に減少していることにより、経常収支比率は増加している。地方交付税が減額していく中、唯一の自主財源である村税収入の割合は決算額のわずか5.7%であり、決して楽観できる状況ではないと思われる。今後も、人件費の削減、公債費残高の縮減、事務事業の見直しを進め、経常経費の削減を図る。
人件費、物件費等の合計額の人口1人当たりの金額が類似団体平均を上回っているのは、主に物件費の増加が要因となっている。これは主に、地域おこし協力隊経費及び一部施設の指定管理運営から村運営へ移行したことによる経費が増えたことによる。今後においても、これらの経費は増大することが考えられ、また、維持補修費についても、老朽化対策として公共施設の維持補修費の増加が見込まれるため経費の削減を図る必要がある。
定員適正化計画により、職員数の適正化を行っているが、人口千人当たりの職員数を類似団体と比較すると以前、突出しており改善が必要である。今後も計画に基づき、職員数の抑制等適正化を図る。
起債発行額の抑制と、高利率であった起債の償還の終了に伴い、元利償還金の額が減少しているため、数値については前年度と比較すると、下がっている。しかしながら、今後、インフラを含む公共施設の整備により地方債発行額の増加もみられると予測されるため、健全な数値ではあるが、今後も、緊急度・住民二-ズを的確に把握した事業の選択と重点化により、起債に大きく頼ることのない財政運営に努める。
将来負担額については、前年度と変化はない。要因としては、大型投資事業に係る地方債の償還が終了する一方で多額の起債を抑制し、交付税算入率が高い辺地・過疎債を限定とした資金借入の実践、財政調整基金の積立による充当可能基金の増額等があげられる。今後も公債費残高の減少、義務的経費の削減を進め、財政の健全化に努める。
人件費に係る経常収支比率は前年度とほぼ変化はない。しかし、職員数において類似団体と比較し高くなっていることから、比率も高くなっている。今後も引き続き定員適正化計画に基づき職員数の適正化、職員相互間の連携の工夫や事務事業の効率化に取り組む必要がある。
物件費に係る経常収支比率の増大は地域おこし協力隊に係る経費と一部施設の運営が指定管理から村に代わったためである。今後、他の施設においても村運営に代わるため、数値が増加することのないよう、抑制・適正化を図る必要がある。
扶助費に係る経常収支比率は類似団体平均と比較すると低くなっている。過去5年の数値をみても増減はほぼ見られない。今後も住民サービスの低下の抑制と高齢化が進むことによる将来負担額の増加のバランスを考慮しながら、効果的な運営に努める。
その他に係る経常収支比率は、各施設の維持修繕に係る費用や各特別会計への繰出金は共に前年度と比較すると減少しているが、数値が上昇している要因は地方交付税の減額によるためである。このような中、今後、社会資本整備のための簡易水道事業特別会計への繰出金の増加、国民健康及び国民健康保険診療所特別会計の財政的な悪化に伴う補填的な繰出金が多額になるであろうことが懸念されるため、今後は料金の設定や国民健康保険税等の適正化を図るとともに、経営の視点から見直しを図り、普通会計の負担を減らしていくよう努める。
加入している一部事務組合等への負担金については、南和広域医療企業団への負担金の影響により大幅に減額となっており、補助費等全体でみても前年度と比べ減額となっているが、数値が高くなっているのは、地方交付税の大幅な減額による影響が大きい。このようなことから、今後においては補助金等において事業目的や公益性、社会ニーズに適応しているのか等を検討し、不適当な場合は随時見直しを行い、廃止と抑制を実践する必要がある。
償還終了に伴い、元利償還額が減少していることから、前年度と比べ1.7ポイント下回ってるが、類似団体平均と比べると上回っている状況である。地方債の発行については今後,大型の整備事業が控えているため、地方債現在高の増加も懸念される。事業の緊急性、重要性、費用効果等を充分に検討し、増加することのないよう、抑制・適正化を図る。
平成28年度については、普通交付税の大幅な減額による影響から前年度数値及び類似団体平均を上回る数値となっている。交付税額に影響を受けやすい本村の財政状態を考慮すると、今後も引き続き、緊急性、必要性、事業効果を観点とし、住民サービスの低下を回避しながら、プライマリーバランスの均衡を維持し、適切な対処を実践することが必要である。
将来負担比率は地方債の現在高、公営企業債等の繰入見込額、退職手当負担見込額の年々の減少により、平成24年度からマイナスの数値となっていることから健全である。実質公債費比率についても元利償還金の額が減少していることもあり平成25年度から8.6と健全を保っている。しかし、類似団体平均と比較すると高い数値であるため、借入の抑制を図る等健全化を目指す。
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