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財政力指数は類似団体平均を上回っており、歳入に占める市税収入の割合も緩やかな景気回復の効果により28.9%と前年度水準を維持している。しかしながら、少子高齢化による社会保障関係経費の増加は不可避である。今後も財政基盤の安定化の取り組みとして、企業誘致による雇用拡大や産業構造の複合化、市債権の徴収体制強化に努める。
経常収支比率は一般財源により賄っている経常経費が減少したため、前年度より改善している。しかしながら、今後も社会保障関係経費は増加することが予想されることから、定員管理の適正化、民間委託等の推進、指定管理者制度の活用による人件費の削減、特別会計等への繰出金の抑制に取り組み、より弾力性のある財政運営に努める。
人口1人当たり人件費・物件費等決算額は前年度より増加している。これは、民間委託の推進、指定管理者制度の活用などにより、物件費が増加していることによるものである。今後は、満足度の高い行政サービスを安定的に提供できる体制づくりのために適正な人員を確保し、需用費等の経費の削減に努める。
平成24年度は、国の財政状況及び東日本大震災に対処する必要性に鑑み、国家公務員給与が特例として引き下げられたため、指数が一時的に上がっているが、平成25、26年度は、当該特例の終了により従来と同程度の指数となっている。また、平成27、28年度は、職員構成の変動により指数が上下しており、今後もこれまでと同様に給与水準の適正化に努める。
定員適正化計画(平成18~27年度)により、部門毎に業務内容を見直し、効率化を推進したことに加え、市民図書館(平成20年度)、地域交流センター(平成21年度)、各地区公民館(平成19年度~)等の公共施設において指定管理者制度を導入してきた。平成17年4月1日(基準年度)の職員数418人と比較し、平成28年4月1日現在の職員数は398人(20人減、-4.8%)と減員している。今後も、簡素で効率的な行政運営を進めるとともに、社会情勢の変化に柔軟に対応し、満足度の高い行政サービスを安定的に供給するため、適正な職員数の管理に努める。
実質公債費比率は新規の地方債発行額を償還元金以内としてきたことや、繰上償還を行ってきたことにより、適正な水準で推移している。今後は学校建設等の大規模な建設事業の財源として地方債の借入を予定しており、比率が上昇することが見込まれる。【参考】平成19~28年度の繰上償還総額2,683,717千円
将来負担比率は例年と同様に算定されていない。これは、地方債現在高等の将来負担額よりも基金等の充当可能財源が大きいことによるものである。今後は大規模な学校建設等による地方債の借入を予定しているため、将来負担額の増加が見込まれるが、次世代に過大な負担がかからないよう、計画的な財政運営と地方債管理に努める。
類似団体平均と比較すると人件費に係る経常収支比率は高い水準で推移しているが、平成27より26%台に改善している。これは、職員の年齢別構成比が変化し、相対的に若年層の割合が増加したことによるものである。今後も業務の効率化と適正な定員管理を推進し、その他の経常経費とのバランスを取りながら、引き続き人件費の抑制に努める。
物件費に係る経常収支比率は前年度比で横ばいとなり、依然として類似団体よりも高い水準にある。これは、業務委託や指定管理を推進していることによるものである。今後も民間業者等のノウハウを活かした効果的な業務委託の推進と経常的な需用費等の節減に努める。
扶助費に係る経常収支比率は類似団体平均を上回る水準で推移しており、前年度よりも0.2ポイント上昇している。今後も法律に従って義務的に支出する扶助費が増加する見込みであるが、市民サービスの質の向上とのバランスを図りながらその抑制に努める。
その他の経費に係る経常収支比率は前年度より3.7ポイント減少し、類似団体平均を下回った。これは、補助費等の分析内容と同様に、例年普通会計から下水道事業会計に繰出金が拠出されていたが、補助金や出資金となり比率が低下した。
補助費等に係る経常収支比率は類似団体と比較して低い水準であるが、前年度と比較すると2.5ポイント上昇した。これは、下水道事業が地方公営企業法を適用し公営企業会計となったため、普通会計から下水道事業会計に拠出する繰出金が補助金や出資金となったためである。
公債費に係る経常収支比率は類似団体平均をわずかに上回っており、人件費に次いで高い割合を占めている。今後は、公債費抑制のために行ってきた繰上償還の効果が発現しつつも、学校建築等の大規模な建設事業に係る新規地方債の発行を控えており、公債費は増加する見込みである。
公債費以外の経常収支比率については、前年度からほぼ横ばいであり、類似団体平均と比較すると低い水準にある。今後も各種経常経費の節減を図るとともに、特別会計や企業会計の独立採算の原則による事業の見直し等を推進し、弾力性のある財政運営に努める。
将来負担率、実質公債費比率ともに類似団体と比較して低い水準で推移している。これは、新規の地方債発行額を償還元金以内としてきたことや、地方債の繰上償還を行ってきたことで、地方債現在高が減少していることによる効果である。今後は、学校建設等の大規模な建設事業を控えており、その財源として地方債を予定していることから、この2指標については上昇すると想定される。(参考)地方債現在高(普通会計)H23150億3,747万円、H24144億1,282万円、H25139億8,516万円、H26135億416万円、H27132億3,275万円
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