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市税の増(1.0%)、地方消費税交付金の減(-10.3%)等があったものの、平成28年度は前年度から横ばいの0.60となった。類似団体平均値の比較では、0.03ポイント上回っている。平成20年度から本格的に着手した土地開発公社健全化支援に加え、平成22年度には住宅公社破産に伴う債務解消のため第三セクター等改革推進債(4,678百万円)を発行するなど財政の健全化に取り組んでいるが、引き続き職員数の削減(平成30年度までに対19年度比-60人)等による人件費の圧縮、事務事業のゼロベース見直し、投資的事業の圧縮等を着実に実行していく。
平成28年度は、経常一財が歳出では日立・高萩広域下水道組合負担金が法適化に伴う基準外繰出金の臨時への移行による248百万円の減等により151百万円の減(-2.1%)、歳入では地方消費税交付金53百万円の減(-10.3%)、臨時財政対策債102百万円の減(-18.3%)等により、臨財債を含め169百万円の減となり、前年度比で0.2ポイント増となった。類似団体平均値との比較では依然として非常に高い数値となっている。今後は、本庁舎再建及び国体関連施設改修等に伴う公債費の増や社会保障費関連の扶助費の増など義務的経費の増により再度上昇も懸念されるため、すべての事業において、緊急性や必要性を検証し、「事業の見直し」と「事業の再構築」の徹底を図り、経常経費の削減に努める。
前年度と比較して、人件費では、投資的経費の減に伴う支弁人件費への振替額の減により総額で17百万円の増であるが、物件費ではプレミアム付商品券発行事業委託料47百万円の皆減等により総額で45百万円の減である。平成20年度から行財政健全化を進めてきたことで、類似団体と比較して低い数値となっている。今後は、職員削減等により委託料等の増加が見込まれるため、事務事業のゼロベースの見直し、経常経費の削減に努める。
行財政健全化計画(平成20年度から23年度)に基づき、全職員を対象に平成20年10月から給与カット(~21年9月:階級に応じて-7%~-4%、平成21年10月~:階級に応じて-5%~-2%、平成22年4月~:階級に応じて-4%~-1%、平成22年12月~:7、6、5級のみ-1%)を行ったことから、県内市町村において最低水準、類似団体平均値と比較しても大きく下回っていた。平成23年度に給与復元をしたことや、国の給与改定に準じたことにより指数が回復したが、平成28年度は経験年数階層内の職員分布変動により、平均月額が高い階層が生じたため、前年度より1.0ポイント増、類似団体と比較して0.4ポイント下回っている。今後は、財政状況等を考慮し、必要があれば給与の再カットも視野に入れた対応の検討も要する。
平成20年度から30年度までに、平成19年度比-60人(-20%)を目標に掲げ、職員数削減に努めている。平成19年度に247人であった職員数は、平成28年度には279人となっているが、これは高萩市・日立市事務組合及び高萩市住宅公社の解散に伴う職員の皆増によるものであり、これを除くと189人である。類似団体平均により高い水準であるが、これは平成23年3月の高萩市・日立市事務組合の解散に伴い、消防を単独で行うこととなったため、人件費が増加したことによるものである。引き続き、適正な定員管理を進めていく。
平成20年度における土地開発公社債務解消に加え、平成22年度には第三セクター等改革推進債発行による高萩市住宅公社の債務解消を実施したことにより比率は上昇した。元利償還金は平成23年度をピークに減少している。平成28年度は日立・高萩広域下水道組合の法適化に伴い出資金が準元利償還金の算定から除外され、比率が減少した。今後は、本庁舎再建及び市民球場整備に係る起債償還の開始に伴い、再上昇が見込まれるため、引き続き投資的経費の抑制を図るなど既存事業の徹底的な見直しと事業の再構築により圧縮を図る。
平成20年度から本格的に着手した土地開発公社健全化支援に加え、平成22年度には住宅公社破産に伴う債務解消のため第三セクター等改革推進債を発行し、これらの計画的な償還等による般会計の地方債残高の減と日立・高萩広域下水道組合に係る地方債残高の減等により平成28年度は前年度比で30.9ポイント下回る78.1%となった。両公社の債務解消により、今後も指標は下降する見込みであるが、充当可能基金や地方債の借入の状況も大きく影響するため、引き続き、資金調達に際しては慎重に行っていく。
人件費に係る経常収支比率は、平成27年度と比較すると1.3ポイントの増となり、類似団体平均値との比較では8.6ポイント上回っている。平成28年度は投資的経費の減による支弁人件費への振替額の減により経常一財が53百万円の減となった。今後も職員数削減(対19年度比-60名)を平成30年度までに実行するなど、引き続き、適正な定員管理に努めていく。
物件費に係る経常収支比率は、平成27年度と比較すると0.6ポイントの増で、類似団体平均と比較して0.6ポイント減となっている。平成28年度は不動産鑑定委託料8百万円の増、個別予防接種委託3百万円の増等により物件費総額で45百万円の減となったが、経常一財が19百万円の増となった。今後も職員削減により委託料の増加が見込まれる。公共施設等総合管理計画などを有効に活用しながら施設管理の見直し等により経費削減に努める。
扶助費に係る経常収支比率は、平成27年度と比較すると0.5ポイント増で、類似団体平均値との比較では0.9ポイント上回っている。これは医療扶助費31百万円の増、児童保育委託料29百万円の増等により、全体で161百万円増となったものである。少子高齢化に伴い、高齢者に係る医療・介護費用の増が今後も見込まれる。また、生活保護費については、厳正な受給資格審査を継続し適正支給に努めていく。
その他に係る経常収支比率は、類似団体平均値を大きく上回る状況が続いていたが、平成28年度は繰出金において、日立・高萩広域下水道組合負担金が法適用化により補助費等への振替えにより663百万円の減等により、対前年度比7.6ポイント減、類似団体と比較して2.6ポイント減となった。今後も少子高齢化により、医療費や介護費用の増加等により国民健康保険事業特別会計や介護保険事業特別会計等への繰出金の増加が懸念されるが、疾病の早期発見・早期治療を図るなど、長期的な医療費の抑制等に努め、普通会計の負担額軽減に努める。
補助費等における経常収支比率は、行財政健全化計画に着手した平成20年度から減少傾向にある。平成28年度は、日立・高萩広域下水道組合の法適化に伴いこれまでの繰出金から補助費等での支出への振替え等により、経常一財が362百万円の増となり、対前年度比で5.2ポイント増となった。今後も同水準で推移すると見込まれるため、引き続き必要性と効果を検証し増加抑制を図る。
平成22年度発行の第三セクター等改革推進債償還金の増により類似団体平均を上回っている。平成28年度は総合福祉センター建設事業債(平成12)の償還終了による皆減(-42百万円)、臨時財政対策債(平成25)の償還開始による増(17百万円)等により、公債費全体で25百万円の減となったが、経常一般財源が全体で169百万円の減により比率は0.2ポイント増となっている。今後は、学校耐震化、本庁舎再建及び市民球場整備等に係る地方債償還が開始となれば、再上昇が見込まれるため、引き続き投資的経費の抑制を図るなど既存事業の徹底的な見直しと事業の再構築により圧縮を図る。
公債費以外の経常収支比率は、類似団体平均を上回る状況が続いている。平成23年度以降、人件費や扶助費、繰出金などの増により類似団体と比較して高い比率となっているが、平成28年度は日立・高萩広域下水道組合の法適化に伴い基準外繰出金の臨時的経費への移行が比率減に大きく寄与した。歳入では地方消費税交付金53百万円の減等の経常一般財源の減により比率増の要因となり、全体としてほぼ横ばいとなった。今後もすべての事業において緊急性や必要性を検証し、「事業の見直し」と「事業の再構築」の徹底を図る。
将来負担比率、実質公債費比率ともに年々低くなっているものの、類似団体と比較しても依然として高い水準にある。高い水準にある主な要因としては、平成20年度の土地開発公社健全化債の発行及び平成22年度の住宅公社破産手続き開始に伴う三セク債の発行等が考えられる。将来負担比率については、平成27年度からの本庁舎災害復旧事業や平成31年の茨城国体関連施設整備等に係る地方債の発行により、依然として高い水準となることが想定される。実質公債費比率については、今後本庁舎災害復旧事業に係る地方債の償還を控えているが、公債費負担の中期的な平準化を図ることで、比率の上昇を抑えている。しかしながら、国体関連施設整備や学校耐震化経費に係る地方債の償還も控えているため、依然として高い水準となることが想定される。これらのことを踏まえ、引き続き全ての事業において緊急性や必要性を検証し、事業費の圧縮や借入金額、償還期間等の調整を行い、比率の上昇を抑えていく必要がある。
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