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災害復旧事業の進捗により、市税収入、特にも設備投資に伴う法人市民税が増加したことから、基準財政収入額が0.7%の微増となった。また、基準財政需要額は、包括算定経費等の算定項目が減少したものの、公債費が0.7%増加したこととから、全体として、0.9%の微減となった。このことから、財政力指数は横ばいとなっているものの、類似団体平均と比較して0.17ポイントと大きく差が開いている。今後は、人口減少対策を進めて市税収入の確保に努めながら、投資的経費の抑制による公債費の減少に努め、財政の健全化を図る。
経常経費は、扶助費・公債費等の義務的経費が前年比1.3億円、2.0%の増となったものの、補助費等が前年比2億円、14.6%の大幅な減になったことにより、経常経費全体で2.7億円、2.5%の減となった。一方、経常収入は、合併算定替えの終了等に伴う普通交付税の減少により前年比3億円、2.8%の減少傾となった。このことにより、経常収支比率は、前年度比0.3ポイントの微増となった。今後は、扶助費の受益者負担の在り方を見直し、投資的経費の抑制による公債費の減少など経常経費の抑制を図る。
物件費は、平成28年台風第10号に係る復旧経費の減により前年度よりも減額となったが、いまだ類似団体と比較して高い傾向にある。これは、人口規模に対する公共施設の数が多いことも要因の一つと考えられるため、今後は、公共施設の統廃合、及び指定管理者制度の推進等による施設管理費の削減に努める。
当市は6級制を採用していることに加え、給与構造改革に伴う昇給抑制を実施していることがラスパイレス指数の国等より低い原因になっていると考えられる。※平成29年度数値については、平成30年度調査結果未公表のため、前年度の数値を引用している。
類似団体との比較では職員数が多い状況であるが、面積が大きい当市においては支所等に職員を配置することにより行政機能を維持してきた経緯がある。市政改革プログラムや定員適正化計画に基づく職員の削減により、平成17年度から平成29年度までの実績として57人、14.4%の減となった
最終処分場の建設に関する一般廃棄物処理事業債の完了により償還額が減少したものの、普通交付税の減少により、実質公債費比率は前年同ポイントとなった。今後は、平成28年台風第10号に係る災害復旧債により増加する見込みであることから、後世への負担を少しでも軽減をするように、新規発行を要する事業を慎重に検討をし、財政の健全化に努める。
災害復旧事業債の償還を見据えて基金を増額したことによる充当可能財源の増等により、前年度よりも12.8ポイント減少となったが、依然として大型公共施設に係る市債償還があることから類似団体よりも高い比率となっている。今後は、災害復旧債の増加により将来負担比率が増加する見込みであるが、後世への負担を少しでも軽減をするように、新規発行を要する事業を慎重に検討をし、財政の健全化に努める。
類似団体と比較して1.0ポイント高いが、これは、市民センター等の公共施設を直営で実施しているためと分析している。今後は、指定管理者制度への移行を進めるなど、人件費の抑制に努める。
類似団体比較で1.4ポイント下回っている。これは、公共施設の指定管理が進んでいないためと考えられるため、今後、公共施設の指定管理を進めるにつれ上昇していくものと見込まれる。財政の健全化をすすめるためにも、公共施設の指定管理制度への移行は推進していくが、併せて施設の統廃合も進めていく。
扶助費は、人口減少・少子化の対策として、学童保育所や民間の認定こども園等の増加により、前年度比1.2ポイントの増となった。今後も人口減少・少子化対策を推進していくことになるため、扶助費は増加の傾向にあると見込まれるが、受益者負担の適正化、対象者の範囲や給付の審査基準の見直しなど、適正な支出に努めていく。
特別会計に対する事務費的な繰出金が減少したことから、前年比1.3ポイントの減となった。今後も、国民健康保険料の適正化など、特別会計の収入を増やすなど普通会計の負担を減らしていくように努める。
広域連合が負担する最終処分場建設に係る償還が終了したこと等により、広域連合負担金が2億円の減となったことにともない、前年比1.4ポイントの減となった。今後、広域連合では、し尿・ゴミ焼却場の改修を予定していることから、負担金が増加する見込みであるが、財政の健全化を進めるためにも、広域連合と協議を行い、適正な負担となるよう努めていく。
通常事業に係る市債の新規発行を抑制しているものの、災害復旧事業債の発行や、これまでに発行してきた大型公共施設建設に係る市債により、前年比0.6ポイントの増となっている。また、類似団体よりも7.1ポイント上回っている。財政の健全化を推進するためにも、引き続き、通常事業に係る市債の発行について抑制をしていく。
補助費等、繰出金のポイントが減少したものの、扶助費のポイントが増えたことから、全体としては前年度ほぼ同ポイントとなった。今後も、扶助費が上昇する見込みであり、加えて広域連合の新たな施設整備に伴い補助費等が増加する見込みであることから、引き続き経常事業の適正化に努め、全体として上昇を抑えるように努めていく。
(増減理由)東日本大震災関連事業の進捗に伴い、東日本大震災復興交付金基金60百万円、東日本大震災復興基金33百万円の取り崩し等があったものの、平成28年台風第10号に係る国県の支援により、後年度における災害復旧事業への充当を主目的として、財政調整金に335百万円、減債基金に204百万円の積み立てを行ったことにより、基金全体としては422百万円の増となった。(今後の方針)災害復旧事業の進捗に伴い、基金全体は減少していく見込み。
(増減理由)災害復旧関連事業に係る積み立て、及び公共施設の老朽化対策に係る積み立てにより増加(今後の方針)財政調整基金残高は、標準財政規模の10%程度と考えている。現在は、災害復旧関連事業に係り残高が増えているが、事業の進捗に伴い減少となる見込み。
(増減理由)災害復旧事業債の償還を見込んで積み立てたことによる増加(今後の方針)平成28年台風第10号に係る災害復旧事業債の償還が平成31年度から始まってくることか、平成31年度から減少となる見込み。
(基金の使途)・地域コミュニティ振興基金:合併特例債を原資として積み立て。市民の一体感の醸成と、個性豊かな地域の振興及び発展を図るため。・東日本大震災復興交付金基金:東日本大震災復興特別区域法第78条第1項に規定する復興交付金事業等に要する経費の財源に充てるため。・東日本大震災復興基金:東日本大震災からの復興を図るための事業に要する経費の財源に充てるため。・ふるさと活性化創造基金:市の各地域がそれぞれの個性を発揮し、活力ある社会を創出するため。・久慈市奨学金貸付基金:久慈市奨学金の貸し付け(増減理由)・東日本大震災復旧復興事業の進捗に伴い、復興交付金基金及び復興基金の減による減額。(今後の方針)・東日本大震災復旧復興事業の進捗に伴い、復興交付金基金及び復興基金が減少する見込み。
有形固定資産減価償却率は類似団体より高い水準にある。当市は合併団体であり、非合併団体と比較して施設保有数が多いであろうことが要因と考えられる。将来の公共施設等の修繕や更新等に係る財政負担を軽減するため、公共施設等総合管理計画に基づき、公共施設の集約、複合化を進めるなどにより、施設保有量の適正化に取り組む。
将来負担比率、有形固定資産減価償却率ともに類似団体平均を上回っている。将来負担比率は低下傾向にあるが、減価償却率は類似団体平均を大きく上回っていることから、公共施設等総合管理計画に基づき、公共施設の集約、複合化を進めるなどにより、施設保有量の適正化に取り組む。
実質公債費比率は、プライマリーバランスを考慮し市債発行を抑制していることから、年々改善の方向に向かってはいるが、これまでの大型公共施設の建設等が影響し類似団体に比べると高い数値になっている。また、将来負担比率は市債発行の抑制により将来負担額が減少したことにより前年度比較して12.8ポイント減となったが、類似団体と比較して高い比率で推移している。今後、歳出増、歳入減傾向となった場合に、充当可能基金の減少により将来負担比率の増加が予想されることから、引き続きプライマリーバランスを考慮し、市債発行額の抑制に努めていく。
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