経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は、全国及び類似団体平均を下回ってはいるものの、100%を超えており収支は健全な水準である。②累積欠損金なし③短期的な債務に対する支払能力を表す流動比率については、全国及び類似団体平均を大きく上回っており、健全性を維持している。④企業債残高対給水収益比率は、全国及び類似団体平均よりも高い状況である。そのため、近年は過度な企業債の発行を控え企業債残高を抑制することにより、指数の改善を図っているところである。⑤料金回収率は103.42%で、全国及び類似団体平均を下回ってはいるものの、経営に必要な経費を料金で賄えている状況である。⑥平成27年度の給水原価は、全国及び類似団体平均を上回っているが、他機関の道路等改良事業に応じた水道施設の仮設工事費用に起因した一時的なものである。⑦施設利用率は、全国及び類似団体平均と概ね同水準で、平成27年度の最大稼働率は92.02%となっている。これは、柳川市特有の海苔養殖業繁忙期のものであり、施設の配水能力を最大限に活用している状況となっている。⑧有収率は、全国及び類似団体平均と概ね同水準であり、施設は効率的に稼働している状況となっている。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は、全国及び類似団体平均をやや上回っている。また、指数が年々増加傾向であり、施設の老朽化が進んでいる。②管路経年化率は、全国及び類似団体平均を下回っているものの、管路の老朽化は進んでおり、老朽管更新事業の計画的な実施が必要である。③管路更新率は、類似団体平均はやや上回っていいるものの、全国平均を下回っている。今後は、投資計画の見直しを行い、計画的な更新を実施する必要がある。
全体総括
平成27年度における柳川市水道事業の経営の健全性及び効率性については、全国及び類似団体平均を下回っている指標もあるが、概ね良好な状況と判断している。しかしながら、管路経年化率や管路更新率をみると、管路の老朽化が進んでおり、これまで以上の更新投資が必要と思われる。将来的に給水人口の減少による水道料金の減収等厳しい財政状況が予想される中、更なる経費節減に努めるとともに各指標の傾向を十分に分析し、効率的な経営による安定した財政基盤の構築を図る必要がある。今後も安全で安心できる水道水の供給を続けるために、給水人口や水需要の動向を分析し、更新投資計画の見直しを図り、管路等の更新投資に必要な財源を確保する必要がある。