経営の健全性・効率性について
経常収支比率については、新会計制度適用等により増となった平成26年度に引き続き増となっている。主な要因としては、本市においても年々人口が減少する中、収入源となる給水収益は減少傾向にあるが、平成27年度は水産業、福祉施設、地域イベント等により観光関係の使用水量が好調に推移したことにより有収水量及び給水収益が増加したことに加え、大型資産(柿原浄水場電気計装設備)の償却が終わったことによる減価償却費の減少が挙げられる。料金回収率についても、有収水量の増により給水原価が減となったことに伴い良好な結果となっている。企業債については、給水収益に対して企業債残高が過大とならないよう抑制していることから、類似団体・全国平均から見ても良好な数値となっている。有収率については、年々向上はしているものの類似団体と比較しても依然として低く、昨年に引き続き整備事業計画による管路の更新・漏水調査・修繕を強化する等の取り組みを進めなければならない。施設利用率については、類似団体・全国平均から見ても良好であるが低下傾向にあるため、今後適正な規模となっているか検証していく必要があると考えられる。今後想定される更新投資等の財源確保のため、継続して有収率の向上に取り組み、支出費用についても見直しを進めていく必要がある。
老朽化の状況について
当市の管路布設状況は、昭和50年から昭和57年の8年間で管路総延長の55%にあたる延長を布設しており、数年のうちに管路経年化率は大きく上昇することが想定されている。このことを踏まえ、限られた財源で更新をするために、事故率や断水影響度合い、また重要給水施設への接続状況などを考慮した優先順位をつけた更新を行なうこととしており、更新管種も長寿命材料を採用して実耐用年数を延ばすことで、後々の財政負担の軽減・平準化をしていく予定である。管路更新については、優先順位をつける中で大口径の管路を対象とする時期もあり、限られた財源で更新を行っていくには単年での管路更新率は減少することも考えられるが、その時々の財状況及び管路状況を把握し、着実な経年管、老朽管の更新を進めていく。
全体総括
指標値としては概ね良好な結果となっているが、管路更新率や有収率は依然として低く管路経年化率が今後上昇することが見込まれていることから、今後より管路への更新投資が必要になると考えられる。また、平成28年4月に簡易水道事業等の統合を行い、今後投資その他の経費でも負担が増加することが予想されるため、さらなる経営の引き締めが求められる。