橋本市：簡易水道事業（法適用）

経営の健全性・効率性について

累積欠損金は、平成26年度の会計制度改正により②累積欠損金比率のとおり解消された。また、①経常収支比率も、送水管への通水開始や、電気設備の更新などによる減価償却費の増加、大滝ダム負担金の増加により、前年度より悪化したが、まだ類似団体より若干良い値にある。しかし、今後の老朽施設の大規模更新による減価償却費の増加により、類似団体以下となり採算性の悪化が懸念される。資金面においては、将来投資のための内部留保がある程度行えており、③流動比率が類似団体よりも高く、当面の投資をまかなえるが、現在取組み中であるダウンサイジングを含めた投資計画の見直しが完了した後は、老朽施設の大規模更新が控えており、今後は企業債の発行、施設の更新投資の増加等により、急激に悪化する可能性が高い。⑦施設利用率は、依然として低い数値にあり、⑧有収率も平均値を下回っているため、今後施設規模の縮小や老朽施設の更新により、効率的な事業運営を行っていく必要がある。

老朽化の状況について

①有形固定資産減価償却率は、増加傾向にあるため老朽化が徐々に進んでいる。②管路経年比率は類似団体より低いが、大規模開発地の老朽化が進めば、管路経年化率も急激に悪化するため、計画的な管路更新が必要である。③管路更新率は類似団体と比べても著しく低く、投資計画見直しの完了後は、管路の更新を加速させる必要がある。

全体総括

現状では、経営の健全性は比較的確保されており、老朽化の状況も悪くないが、大規模開発地が多い本市においては将来急激に老朽化が進むことが予想される。過大な施設規模となっているため、ダウンサイジングを考慮した投資計画の見直しを平成27年度に開始し、３年間で財政計画も含めて将来計画を策定する。投資計画見直し後は、管路の更新を加速させる必要がある。また、財源の確保のため適正な料金水準を設定する必要がある。外部委託が可能な分野の検討も平成27年度に開始した。検討結果により人件費削減によるコストカットが可能であれば外部委託を積極的に行う予定。