経営の健全性・効率性について
①経常収支比率はH27は116.39%と、約2ポイント伸びがある。人口減少はあるものの、世帯数の増で給水戸数も増えている。配水管等の老朽化対策にかかる財源確保のため経費削減に努力していく。②H27の累積欠損比率もH26に引き続き0%となった。③流動比率は類似団体と比較すると低い率になっている。現金が潤沢でないためである。料金収入の伸びが期待できない今、今後の工事の計画を検討し財源確保も考慮しつつ経営改善を図っていく。④類似団体より高い。給水収益に対し工事額が大きいことが原因である。工事の優先順位を考慮しながら健全経営に努力していく。⑤H27の料金回収率は110.96%と伸び、類似団体より高い。会計制度見直しにより経常費用から長期前受金戻入額を減額することになり、給水原価が下がったものである。配水管等の老朽化に対応する財源を確保するため、適正な供給単価の設定を検討する。⑥給水原価については類似団体と比較すると、高い。受水費が費用の多くを占めていることが原因と思われる。経費削減に努力していく。⑧有収率は類似団体より低くなっている。施設の稼働が収益に反映されていない。配水管の漏水によるものと思わる。補修整備を計画的にしていく必要がある。
老朽化の状況について
①減価償却率は類似団体と比較してもほぼ同じような状況である。数値が高くなる前に施設の更新等の財源確保や経営改善等を検討する必要がある。②管路経年化率の指標がH27は1.71%であり、H26からは伸びている。しかし、近隣類似団体と比較すると低い状態です。現在は管路の法定耐用年数40年を過ぎたものが全体の1%を超えており、10年後には10%になると見込まれるので計画的な更新を行っていく必要がある。③管路更新率の指標が0.81%で類似団体と同様であるが、今後協和地区(3~4年)関城・明野地区(11~12年)で管路の経年化が始まってくるので計画的な更新及び財政計画が必要である。
全体総括
現在、人口減少やインフラ老朽化が大きな課題となっており、高度経済成長期に集中的に整備された施設・設備の老朽化に伴う更新投資の増大や、人口減少等に伴う料金収入の減少が見込まれるなど、経営環境は厳しさを増しつつある。こうした中で、必要な住民サービスを将来にわたり安定的に提供していくためには、経費の節減は基より使用料金の値上げも視野に入れた、中長期的な視点に立った計画的な経営基盤の強化と財政マネジメントの向上等に取り組んでいく。※普及率についてこの分析表では普及率について住民基本台帳+外国人の合計を基に計算されている。しかし、筑西市では例年常住人口を基に計算している。H27年度の普及率は87.66%で公表をしている。