経営の健全性・効率性について
・平成24年11月に用途別から口径別に料金体系を変更し、一時的に水道料金が増収したが、ここ数年の人口減少などにより給水収益も減収に転じている。このことにより、①経常収支比率も若干下降してきている。⑤料金回収率は上昇傾向で給水に係る費用が料金で賄われている状況である。また、⑥給水原価は、有収水量1.に係る費用については、平均値より低く100円前後で推移している。⑦施設利用率は、比較的高く平均値を上回り、需要量に対して適切な施設規模であるといえる。しかし、年々⑧有収率が低く効率が悪くなっており、漏水等による無効水量が多く、施設の稼働が収益につながっていない可能性が考えられる。漏水調査による早期発見に努めるとともに、平成25年度より重点施策として老朽管の長寿命化を実施しているが、まだ結果につながっていないのが現状である。さらに、平成29年4月より市内の簡易水道事業を上水道事業に統合予定であり、経営状況は大きく変化するものと考えられる。これを踏まえ、今後も計画的な布設替の実施により有収率の向上と、費用の抜本的な見直しによるコスト削減に努めていきたい。
老朽化の状況について
①、②についての表から法定耐用年数に近づいた資産が多く、特に管路の更新の必要性が高くなっている。耐用年数を経過した管路を更新するスピードが追い付いていない。③管路更新率は、平成25年度から老朽管対策として重点的に取り組んでいるため上昇しているが、更新率は1%未満のため十分といえない。いずれも平均値と比較すると劣っていることがわかる。今後も老朽管の更新を重点に計画的な布設替えを実施していきたい。
全体総括
今後も計画的に老朽管の更新を実施し、管路の長寿命化につなげていくが、それには更新費用も必要なため、経営改善の実施は必要となってくる。平成28年度から水道事業の効率化とサービス水準の向上を図るため水道料金徴収等の包括的民間委託を導入している。また、平成28年度より開発を対象とした分担金制度を廃止し、給水装置の新設または改造をする場合を対象とした水道加入金制度を導入するため管路等施設の更新費用の財源の増額が見込める。しかし、上段でも述べたとおり、平成29年4月より市内簡易水道事業を上水道事業に統合する予定で、これにより経営状況が大きく変化するものと考えられる。今後は、経営状況の変化に留意し、管路等施設の投資費用、水道料金のあり方、有収率の向上に取り組んでいきたい。