旭市：簡易水道事業（法適用）

経営の健全性・効率性について

旭市の経営状態は、経常収支比率・流動比率・企業債残高対給水収益比率において、類似団体、全国平均と同等若しくは高い水準で推移しており、累積欠損金も無く良好な経営を維持しております。効率性の指標については、料金回収率と有収率の値は類似団体、全国平均より良い値となっていますが、給水原価は平均より高く、施設利用率は平均より低くなっております。給水原価が高い主な理由としましては、経常費用に占める割合で最も大きい受水費（東総広域水道企業団からの水道用水の購入費用）の高さが影響しております。施設利用率につきましては、市内にある４箇所の配水場毎に見ると平均を上回っている配水場と下回っている配水場があり、東日本大震災以降一日平均・最大配水量が減少していることにより、施設利用率も下降している状態です。

老朽化の状況について

旭市の水道事業は合併前の旧１市３町すべてで昭和５６年から開始しており、配水管の耐用年数（４０年）に達してる管はありません。現在実施している配水管の更新工事は、排水工事等に伴う配水管の布設替や漏水事故による工事がほとんどとなっており、そのため管路更新率は類似団体平均値を下回っております。

全体総括

経営状態については良好な状態を維持しておりますが、給水原価の高さや、施設利用率の低さなどが課題となっており、対策として受水費以外での経費削減や配水区域の見直し（自然流下区域の拡大）、水道の加入促進の取り組みを行ったうえで、新たな災害に対する配水池の増池・耐震化（現在海上配水池増池工事施工中）を進めているところです。更に数年後には耐用年数を過ぎる管が徐々に出始めるため、今後は耐用年数を過ぎた管を優先し更新していく計画です。