十日町市：簡易水道事業（法適用）

経営の健全性・効率性について

十日町市は、経常収支比率及び料金回収率が類似団体・全国平均に比べ、高い数値を示していることから現在の経営の健全性は良好であると言えます。これは、これまで十日町市が建設改良工事の財源として借入れた企業債が類似団体・全国平均に比べ少ないため、返済利息が少額となっていることが要因といえます。しかし、今後は人口減少により給水収益が減少していくものの、施設の維持管理にかかる費用は、現在と同額もしくは増加していくものと思われます。施設の老朽化対策の財源についても、今後は企業債に頼らざるをえない状況となります。企業債の借入額が返済額よりも多くなり、企業債残高が年々増加していくものと思われることから、投資規模の見極めや水道料金の見直しなどを検討していく必要があります。十日町市の施設利用率は、類似団体・全国平均に比べ、低い数値を示しています。これは、当時の計画段階において給水人口を過大に見積もり、その給水人口に見合った施設を整備したことが原因と思われます。今後、人口減少に伴う施設の統廃合やダウンサイジング等の見直しを検討していきます。有収率も施設利用率と同様に低い状況です。給水開始当時から使用している水道管も多く、漏水が多発している状況です。更新計画を立てたうえで、施設の老朽化対策に取り組んでいきます。

老朽化の状況について

十日町市の施設の老朽化状況は、類似団体・全国平均に比べると低い状況にあるものの、安心できる状況とは言えません。マンパワー不足に加え、他事業関連工事に伴う配水管布設替工事への対応により、耐用年数を経過した管路の更新工事を行えていない状況です。管路の耐用年数はおおむね40年程度であり、1％以下の更新率では耐用年数以内での管路更新は不可能と考えられます。その結果、管路経年化率の数値が年々悪化しています。今後、大規模な施設の更新時期を迎える中で、財源確保や経営に与える影響等を踏まえた分析を行ったうえで、更新計画を早急に策定する必要があります。

全体総括

人口減少に伴い、料金収入が減少していく状況で、現在は良好といえる当市の経営も、今後は厳しい状況となることが想定されます。安心・安全な水を安定供給できるよう、経営状況の把握・分析などあらゆる手段を検討しております。老朽化対策についても重要給水施設への基幹管路を最優先として、管路更新を進めて行きます。