経営の健全性・効率性について
①経常収支比率について、分担金収入の増加、人件費の削減により今年度は高水準となった。②累積欠損金比率について、発生していないため0%である。③流動比率について、200%以上超えており短期的な支払い能力は十分にあると考えられる。④企業債残高対給水収益比率は、平均より下回っており昨年度に比べ残高は増加している。今後、建設改良事業において経営状況により、適切な投資規模となるよう検討が必要である。⑤料金回収率について、給水収益は増加し、現段階では料金収入での確保が出来ている。⑥給水原価について、本市は自己水源がなく受水率100%であることからも類似団体と比較すると高水準となっている。要因として、総費用の約6割を受水費で占めており、減価償却費も増加傾向にあるため、費用削減が困難な状況にある。今後、有収率の向上により給水原価の低減を図ることが必要である。⑦施設利用率について、人口減少に伴って総配水量も減少しているため、低下傾向である。また、最大稼働率においても57%であるため、今後、広域化や施設の共同利用など検討して、適正規模を目指す必要がある。⑧有収率について、配水管布設替工事、漏水調査に取り組みにより過去5年間92%以上を維持できている。以上のことから、現在の指標でみると、本市の経営状況は健全的である。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率については平均並みである。施設更新も検討課題ではある。②管路経年化率について、本市の管路は法定耐用年数(40年)を超えたものが多数あり老朽化が進んでいる。なお27年度から法定耐用年数を超えた管路に、含める管路の範囲を見直したため数値が高くなった。③管路更新率は、②のことから老朽管の更新事業を計画的に取り組みを進めている。②同様に、27年度から算出方法を、石綿管のみの更新延長から、すべての管路の更新延長に改めたため高数値となっている。
全体総括
現時点では、経営状況は良好である。これからの本市の課題として、災害時のライフラインでもある水を今後も安定して供給していくために、管路の老朽化対策を行い耐震化率の向上を目指すことである。この管路更新事業の促進により、管路の経年化に伴う漏水を防止することで、給水収益の増加につながる。しかし、設備投資をすることは減価償却費、企業債の借入れの増加にもつながるため健全的かつ効率的な運営を行っていくためにも、アセットマネジメントを活用し計画的に進めていく必要がある。また、費用削減としては、営業体制の見直しにも努めなければならない。なお、健全な財政状況の維持や施設の更新事業を進め、事業の安定した継続のためにも広域化に向けて積極的に取り組みたい。