経営の健全性・効率性について
①経常収支比率全国平均及び類似団体平均を下回っているものの、100%を超えており、収支は健全な水準である。②累積欠損金比率0%を維持している。③流動比率・④企業債残高対給水収益比率流動比率は354%で短期債務の支払能力は十分に有している。しかしながら、企業債残高対給水収益比率が500%を超えており、これは1年間の給水収益の収入額に対して、5倍超の企業債残高となっていることを意味する。しかし、引き続き、改修工事等を実施していくための財源として、企業債を借り入れざるを得ないことになる。このことから、資本的収支と損益勘定留保資金とのバランスを見ながら、計画的に企業債の借り入れを行っていく必要がある。⑤料金回収率90%を超えており増加傾向にあるものの、類似団体平均と比較して下回っている状況にある。⑥給水原価類似団体平均と比較して非常に高い値となっているのは企業債利息、減価償却費が高額なためである。⑦施設利用率全国平均及び類似団体平均と比較して高い状況にあり、保有している施設を有効に利用している。更なる施設の効率的な利用を図るため、平成31年度までに施設更新計画を策定する予定である。⑧有収率類似団体平均を上回っているものの、全国平均を下回っている。前年度に比べて増加傾向にある。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率指標値としては、増加傾向にあるものの、類似団体平均と比較して下回っている。これは、施設や管路等の更新を計画的に行っているためである。②管路経年化率③管路更新率過去に集中して更新を行ったことから、基幹管路を中心に管路経年化率が低くなっている。しかし、施設の更新や新規の配水管布設を実施していく中で、管路の更新を進めることは、ここ数年の経営状況から考慮すると困難な状況であることから、管路更新率が低い状況にある。
全体総括
短期的に見れば、給水に係る費用に対して、給水収益で賄えていない状況であっても、集合住宅の建設・宅地開発等による給水申込納付金による収入があり、経常収支比率は100%を超えている。しかし、今後、施設の大規模更新工事が予定されており、また、企業債残高も高額であるため、その分の費用を確保しなければならず、さらに厳しい経営環境になることが明白である。このことから、平成30年度に策定する水道事業ビジョンや経営戦略に基いて、計画的に事業運営を行っていく必要がある。