経営の健全性・効率性について
①経営収支比率の指標は100%を超えており,昨年より0.79%伸びているが,大口利用者の水需要に影響される懸念があるため,更なる加入促進と経費削減が必要である。②累積欠損金は発生していない。③流動比率の指数は100%を超え,全国平均値や類似団体平均値と比べても高くなっている。引き続き更なる経営改善を図る必要がある。④企業債残高対給水収益比率は類似団体平均値を下回っており良好である。今後拡張工事や老朽管工事のために適正な投資計画・水需要の増加を鑑み,計画的な企業債の借入に努める。⑤料金回収は全国平均値や類似団体平均値を下回っている。受水費の占める割合が高く必要な経費を給水収益で賄えていないため,効率的な事業運営に努める。⑥給水原価が全国平均値や類似団体平均値を上回っている要因は給水人口が少ないうえ,受水費の占める割合が高いことが原因と考えられる。今後は更なる経費削減と加入促進に努める。⑦施設利用率は全国平均値や類似団体平均値とほぼ同程度となっており,効率的に施設を利用しているといえる。今後も継続して加入促進を行う。⑧有収率は91.26%で全国平均値や類似団体平均値を上回っている。その要因としては,計画的な老朽管の布設替や漏水調査などにより,無効水量を減らせたことによるものである。
老朽化の状況について
水道施設の老朽化の状況については,全国平均値や類似団体平均値と比較しても概ね良好である。①有形固定資産減価償却率は44.79%であり,施設が比較的新しいことがわかるが,老朽化が進んでいる箇所もあり,施設の更新時等考えていく必要がある。②管路経年化率は全国平均値類似団体平均値と比べ低いが今後は耐用年数切れの管路が増加する見込みであることから,計画的に管路更新をしていく必要がある。③管路更新率は全国平均値類似団体平均値と比べると高くなっている。今後更に国庫補助金を活用し施設整備を進めるため,更新率が高くなる見込みである。
全体総括
水道事業を取り巻く状況は,少子高齢化の進行や市民の節水意識の向上に伴う給水収益の減少に加え,老朽化する施設の修繕費や電気料金の高騰による動力費の増加等ますます厳しくなることが予想される。このため,今後も継続的に老朽管更新事業を推進するとともに,水道施設の効率化と経費削減,有収率の向上,水道加入促進に努め,長期にわたる経営の健全化に努める。