経営の健全性・効率性について
本市では、平成20年度に策定した「柏原市水道ビジョン」に基づき、事業運営を行っています。近年の①経常収支比率は100%を超え、全国平均及び類似団体平均を上回っています。また、②累積欠損金比率についても0%を維持していることから、事業として黒字経営を継続し、収支は健全な状態となっています。①経常収支比率は、平成28年度に比べて約1.4%減少しています。これは、給水人口の減少や節水意識の向上等により給水収益が減少し、さらに計画的な修繕により費用が増加したことによるものです。⑦施設利用率は、平成28年度と同水準で推移していますが、全国平均及び類似団体平均を下回っており、今後はダウンサイジング等による施設規模の最適化について検討を行う必要があります。
老朽化の状況について
管路の更新について、平成29年度では地震に強い耐震適合管で3.9kmの更新・整備を行い、管路総延長約257㎞のうち約102㎞が耐震化され、耐震適合率は約39.6%です。この結果、③管路更新率は平成28年度に比べ約0.4%増加したものの、②管路経年化率は年々上昇傾向にあり、また全国平均及び類似団体平均を大幅に上回っており、法定耐用年数を経過した管路を多数保有している状況です。管路の老朽化対策は、本市においても従前より最優先課題として取組んでおり、過去の漏水状況等を勘案して更新の優先順位を設定し、効率的かつ効果的な布設替えを進めています。さらに、年間を通して漏水調査を行い、有収率の向上及び維持管理に努めています。
全体総括
現在のところ料金改定の予定はありませんが、給水収益は年々減少傾向にあり、今後の課題となっています。また管路や施設の老朽化は進み、今後の更新費用は増加すると考えられます。このような状況を踏まえた上で、現在、水道事業ビジョン及び実施計画の見直しを行っており、併せて平成31年度までに経営戦略の策定を予定しています。これらの計画では、安全で効率の良い水道システムの再構築に向けて、更なる経営効率化の検討や施設の統廃合及びダウンサイジング等による維持管理費の削減、また更新費用の平準化に取組み、持続可能な事業の推進に努めます。管路の更新については、今後も過去の漏水状況等を勘案して更新の優先順位を設定し、効率的かつ効果的な布設替えに努めます。投資財源については、積立金の利用や、内部留保資金とのバランスに留意しつつ、将来負担の公平性を考慮した企業債の借入について検討します。