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人口の減少に加え、町の基幹産業である農業所得の低迷による税収の伸び悩み、歳入総額の約4割を地方交付税に依存し自主財源の脆弱な財政構造が、類似団体と比較し、0.16ポイント下回る要因となっている。人口の動向などからも飛躍的に財政力が上昇することは見込めないため、財政力に適さない歳出過多の状況を改善するために令和2年度より全事業の見直しを実施している。また、令和3年度から公金収納専門員を配置し、地方税等の徴収強化による自主財源の確保を図っている。
類似団体と比較し、診療所運営費等の繰出金やグリーンバレーカムロ一帯の施設運営費が比率を上昇させている要因である。特に診療所運営費に対する繰出金は約2億円となっており8ポイント程度の影響となっている。前年度と比較し5.0ポイント上昇。会計年度任用職員制度の導入により報酬を経常経費としたことや平成28年度過疎対策事業債の償還が開始したことによる公債費の増加などが主な上昇要因。令和4年度は、事業費の抜本的な見直しを進め、経常経費の抑制を図ることとしている。
人件費は、臨時雇上職員賃金が会計年度任用職員分として人件費に移行したことが主因となり、122,601千円の増加。物件費は、その分賃金139,752千円や戸籍システム改修委託料7,279千円が皆減となったことから、140,914千円の減少となった。人口は今後も減少傾向にあるため、公共施設の集約化や統合などを進め、人口規模にあった施設管理を行うことで、物件費を中心に抑制を図っていく。
職員総数が少ないため、退職者の状況による影響など経験年数が高い世代の職員一人あたりに係る変動が大きくなっている。類団と比較し2.8ポイント高くなっているが、国の人事院勧告に基づく給与改定を行っており、引き続き適正な給与水準への見直しなどを行っていく。
早期退職、退職不補充により集中改革プランを上回る職員数の削減から類似団体平均より0.25人少なくなっている。今後も事務事業の見直しや適正な定員管理により人件費の抑制を図っていく。
平成18年度に策定した公債費適正化計画を基本に起債の抑制、補償金免除繰上償還の実施などを行ったものの、平成26年度の過疎債指定による過疎債を活用した社会福祉法人への保育園舎建設補助や貸工場の建設により起債事業が増加した結果、平成30年度から元利償還金が増加する時期になっており、令和2年度においては前年度から52,712千円増加しており、前年度より0.4ポイント悪化している。今後も比率の増加が見込まれているため、年度間の事業実施のバランスを図り後年度負担の平準化に努める。
類似団体平均を上回っており、主な要因としては町貸工場や認定こども園整備等の大型事業を実施し、地方債現在高の増並びに財政調整基金や特定目的基金の残高が減少したことによる。今後は、起債発行額の抑制や、効率的な事務事業により歳出額を減らし、基金積立額の確保等による財政健全化に努める。
臨時雇上職員賃金が会計年度任用職員分として人件費に移行したため、139,752千円の減少要因となっている。その他戸籍システム改修委託料やICT機器購入費などの皆減をあわせ、物件費全体で140,914千円の減少となった。令和元年度比3.4ポイントの減。類似団体と比較して1.4ポイント良化しているが、令和3年度当初予算において、需用費等の物件費を一律2割削減するなど、継続して抑制に努める。
前年度と比較し0.1ポイント上昇した。今後も少子高齢化の進行等に伴い恒常的に増加していくことが見込まれるため、医療費抑制策としての健康増進事業や介護予防事業を充実させ、扶助費の適正化に努めていく。
令和元年度と比較して町道等の除排雪経費が増加し維持補修費分で1.0ポイント増加。介護会計繰出金へのかねやま応援基金繰入金が未充当となったため、経常一般財源が増加した影響などで繰出金分が3.0ポイント増加した。全体では2.3ポイントの増加。類似団体比で9.2ポイント高く、診療所運営費に係る繰出金の約2億円が大きな要因である。令和3年度から診療所を無床化しているが、さらなる運営改善が必要な状況である。
令和元年度決算で補助費に充当していたかねやま応援基金繰入金66,682千円を未充当としたため、経常一般財源が増加し前年度より2.9ポイント上昇し、同様の財源措置であった平成30年度と同水準となった。類似団体と比較して、1.5ポイント高いことからも、令和3年度において経常経費を削減するために町単独補助金の見直しを実施した。
平成28年度に建設した認定こども園建設事業による償還が開始したことで、主に過疎対策債の増加により公債費全体では52,712千円増加し、0.7ポイント悪化している。類似団体よりも悪化に転じたが、公債費自体の割合が高過ぎるということはないものの、経常経費を押し上げている要因ではあるため、今後も償還のバランスを見極め、起債事業を実施していく必要がある。
税収は個人住民税や固定資産税が前年度より増加したことで0.2ポイントの減少、地方交付税の過疎債償還に係る公債費分の交付が伸び、前年度と比較し4.5%減少している。税収などの自主財源が脆弱であり、普通交付税や臨時財政対策債発行額の動向により比率が左右されやすい財政構造となっているため、引き続き、医療給付会計、公営企業会計及び診療所の経営健全化を中心に取り組んでいく。
(増減理由)財政調整基金について、平成20年度の診療所化に伴い、枯渇する状況にあったが順調に積み増しを行い、令和2年度残高では基金全体で1,360百万円まで残高が回復している。財政状況の悪化により令和2年度建設予定だった中央公民館等建設が中止になったことから、関連する基金を廃止し財政調整基金、減債基金及び資産活性基金への移行を実施したことにより残高の維持ができている状態である。(今後の方針)令和3年度は財政調整基金からの繰入はしない見込みであるが、以降は財源不足に対応する財政調整基金の取崩しを毎年250百万円程度を見込んでいる。留保財源となる繰越金等を財源とした積み増しを実施しているものの、町立診療所の運営等の多額の運営費補てんが発生しており、歳入規模を超える歳出額となっている。このままの財政運営では財政調整基金の減少が止まらない試算をしており、早急に歳出抑制策を講じることが必要となっている。
(増減理由)総額的には60百万円増加しているが、平成30年度に中央公民館建設基金廃止に伴う残高の移行で212百万円を増やしたことにより現在の残高が確保されている。(今後の方針)近年、甚大な災害発生が全国で多発しており、災害発生時に対応する財源として近隣町村の状況から最低1,000百万円を留保が必須と考えており、早急に内部経費の見直し事業の取捨選択を検討し基金残高を確保する。
(増減理由)今後、公債費が高止まりするため、可能な限り積み増しを実施し前年度より49百万円増加した。平成30年度に中央公民館建設基金廃止に伴う移行により、55百万円を増やした。(今後の方針)令和元年度からこれまでの大規模事業に伴う過疎債の元金償還が本格化し、今後10年間高止まりする見込みであり、公債費の財源確保に苦慮しないように留保財源の状況を見ながら積立を実施していく。
(基金の使途)資産活性基金は、公共施設の更新や補修するための基金。かねやま応援基金はふるさと寄附を財源とし、後年度事業に活用する基金。森林環境譲与税基金は、森林環境譲与税を税源とし、森林整備やその促進に関する事業に活用する基金。かねやま清い心の町創造基金は、未来会議等のソフト事業を実施するための基金。すこやか基金は、健康づくり事業の財源とする基金である。(増減理由)今後の施設修繕に対応するため資産活性基金に45百万円の積立を実施。また、財源不足によりふるさと寄附を当該年度の財源としてきたが、かねやま応援基金に53百万円を積み戻している。森林環境譲与税基金を新設したが、当該年度に譲与された分と過年度に譲与され別途基金で管理していた分をあわせ23百万円を積み立てた。(今後の方針)資産活性基金は、概ね10百万以内程度の小規模な公共施設改修等に活用しながら、現在の残高水準を確保していく。かねやま応援基金は、令和2年度から積立を再開し後年度の残高を確保。後年度の事業費とバランスを取りながら適正な取崩しを実施していく。森林環境譲与税基金は、森林整備等の適正な用途に、積極的に活用していく。
築年数が相応に経過した中央公民館をはじめとする施設全般について、改築をしていないことから、昨年度と比較し+2.4ポイント、対全国平均値+5.8ポイントとなった。今後は、令和3年度に見直しした公共施設管理計画に基づき、令和4年度に中央公民館を改善センターに移転するなど、施設の集約化を進め、不要な老朽化施設は廃止していく方針であるため、数値は減少傾向に転じると予想される。
平成26年度以降、大型建設事業に係る過疎債発行が続いたことにより、起債残高が増加し、全国平均値と比較し+3.8ポイントとなっている。今後10年間に施設改修などの大規模事業も想定されるが、起債を最小限に抑制し比率の改善を図る。
平成26年度からの貸工場等大型事業に係る起債発行、施設運営費や物件費等の増高による基金基金取崩し等が要因となり、令和元年度までは将来負担比率は上昇傾向にあったが、令和2年度は基金残高の増加により減少となった。また令和3年度は普通交付税の増額などから基金残高を約6億円積み増しすることができたため大きく減少する。基金残高維持が比率増加の抑制につながるものの、今後予定している大規模事業の規模によって起債残高が増える見込みもあるため、計画的な事業実施が必要となる。また令和4年度の中央公民館機能の移転をはじめ、不要な老朽化施設は廃止していく方針であるため、有形固定資産減価償却率は減少傾向になると予想される。
将来負担比率は令和2年度と3年度に基金残高が大幅に回復したことから、令和2年度以降の3年程度は低い水準で推移する。公債費適正化計画を策定し起債発行を抑制してきたことにより、実質公債費比率は大きく減少したが、今後の施設改修等の大規模事業などにより令和10年度頃まで高水準で推移し、類似団体平均より高い比率となる見込みである。
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