経営の健全性・効率性について
本市水道事業では、経常収支比率(①)及び料金回収率(⑤)が100%を超えており、給水にかかる費用が給水収益によって適切に賄われている状況にある。類似団体と比較しても高い数値となっているが、今年度は施設修繕等により経常費用が増加したため、前年度からは減少した。今後も健全な経営を行うために費用削減を続け、適切な更新投資に充てる財源の確保を行う。短期債務に対する支払能力を表す流動比率(③)は、今年度も100%を上回っている。企業債償還などの流動負債の増加を見越して、今後も流動資産の増加傾向を維持して支払能力を高める経営を行っていく必要がある。企業債残高対給水収益比率(④)は、給水収益の維持と企業債の計画的な償還により類似団体より低い値を維持している。今後も現在の水準を保ちながらの投資を目指していく。給水原価(⑥)は類似団体より高い値となっている。本市の経年比較でみると少しずつ減少していたが、今年度は施設修繕等により費用が増加し前年度より数値が増加している。施設利用率(⑦)や有収率(⑧)は類似団体より高い値を維持し続けている。しかし、今年度は冬期間に漏水等が発生したことにより有収率が低下してしまった。今後も高い水準を維持するために、適切な更新と漏水調査業務等により、予防的に管路の維持を実施していかなければならない。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率(①)は、償却資産における減価償却済の部分の割合を示すもので、毎年度上昇し続けている。当年度は41.25%であり、前年度と比較すると0.92ポイント増加した。老朽化の度合いは類似団体より低いが、上昇傾向にあるため、今後老朽管や施設の更新を計画的に行っていかなければならない。法定耐用年数を超えた管路延長の割合を示す管路経年化率(②)についても、類似団体より低いが、年々上昇している。当年度に更新した管路延長の割合を示す管路更新率(③)は、前年度より増加したものの、類似団体よりも低い値となっている。平均して1%の更新率となるよう、更新計画に基づいた更新投資を行っていく。
全体総括
経常収支比率、料金回収率、流動比率等が比較的高いことから、現状は給水収益を主とした適切な経営状況である。しかし、今後給水収益の増加を見込むことができない状況で管路の更新投資と適切な維持管理を実施する必要があるため、更なる経費の削減等を行い、高い有収率を維持しつつ持続的な経営を行う。