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東京電力(株)福島第一原子力発電所の立地により類似団体平均を上回る税収があるが、原子力発電所施設の一部資産の除却により、固定資産税(大規模償却資産)が減収し、前年度から0.05ポイント減している。今後、大規模な復旧・復興事業等が見込まれるが、財政の健全化とのバランスをとり、事業執行をしていかなければならない。
平成25年度より基金から人件費の充当額を増額しているため、平成24年度と比較すると、経常収支比率は減少傾向にあるものの、前年度からは8.7ポイント増となった。この要因としては、経常一般財源として扱われる臨時財政対策債を、平成27年度においては借入しなかったためである。
東日本大震災以降、福島原子力災害避難区域等帰還・再生加速化事業等の事業執行により、物件費が増加傾向にある。平成27年度においても事業継続したほかに、24時間体制の防犯・防災パトロール事業等を実施したことにより、前年度から30,888円増加している。今後も復旧・復興事業の推進にあたっては、人件費・物件費ともに増加が予想される。
前年度より0.2ポイント増加しており、全国町村平均よりも低い水準にある。これは、東日本大震災以降、国や県から職務級の高い職員の派遣を受けていることが変動要因となっており、震災業務等の多様な業務の中、現在の水準を維持するため、給与の適正化に努める。
東日本大震災以降、早期退職者の補充と増加する業務量への対応が課題のため、平成27年度は退職者を上回る職員採用を行っており、今後も適切な定員管理に努める。
公債費負担適正化計画に基づき、実質公債費比率の抑制に取り組んだことにより、着実に低下傾向にはあるものの、依然として類似団体平均よりは上回っている状況である。平成27年度においては、平成26年度で償還終了となった借入が多いことや公営企業(下水道事業)の償還のピークも過ぎていることから、前年度から2.2ポイント減少している。
財政調整基金・復興に係る基金等の積立額の増により、将来負担への充当可能財源等が増となっているため、前年同様の将来負担比率となっているが、今後の大規模な復旧・復興事業を見据えた財政運営を図っていかなければならない。
人件費に係る経常収支比率は、平成25年度より基金から人件費に充当していることから、類似団体を大きく下回っている。平成27年度においても同様に基金から人件費に充当したため、前年度より1.3ポイント増加したものの、類似団体を大きく下回っている。
物件費に係る経常収支比率は、前年度から4.2ポイント増となっており、この要因として、生活支援・介護予防事業が前年度から14,853千円増加していることが挙げられる。避難先で介護予防事業等を実施するため、事業費が増加しており、今後も介護予防に対しての事業費の増加が見込まれる。また、避難者対応のために県内外に事務所を設けているため、需用費等の事務所運営費についても震災以前に比べると増加傾向にある。
扶助費充当の経常一般財源自体は減少しているものの、経常一般財源の総額が、固定資産税(大規模償却資産)の減等により、前年度から30,702千円減していることから、前年度比0.3ポイント増となっている。扶助費のうち、障害福祉サービス等については増加傾向もみられるため、避難による住民の健康状態の悪化に対する対策等、継続的な取組が必要である。
繰出金充当の経常一般財源自体は減少しているものの、経常一般財源の総額が、固定資産税(大規模償却資産)の減等により、前年度から30,702千円減していることから、前年度比3.4ポイント増となっている。また、使用料等の収入が見込めない公共下水道事業会計の公債費負担について、一般会計から繰出金で財源補てんしているため、類似団体平均を大きく下回っている。
補助費等に係る経常収支比率は、前年度から1.9ポイント減少しており、双葉地方広域市町村圏組合への負担金(塵芥処理費、し尿処理費)の減が要因となっている一方で、震災以降は活動休止団体等が多く、補助金の交付団体が減少していたが、活動を再開している団体もあるため、補助費等については今後、増加が見込まれる。
公債費充当の経常一般財源自体は減少しているものの、経常一般財源の総額が、固定資産税(大規模償却資産)の減等により、前年度から30,702千円減していることから、前年度比1.4ポイント増となっている。公債費は、平成26年度で償還終了となった借入が多くあり、公債自体も減少していることに加え、平成27年度から臨時財政対策債の借入もしていないことから、今後も減少傾向に推移すると見込まれる。
公債費以外充当の経常一般財源自体は減少しているものの、経常一般財源の総額が、固定資産税(大規模償却資産)の減等により、前年度から30,702千円減していることから、前年度比7.3ポイント増となっている。人件費について、基金充当しているため、依然として県内平均を下回っている状況であるが、今後の町の復興に向けて弾力性のある財政運営に努めていく。
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